6話 強きは弱きを喰らい糧とする
街道沿いで暇だった俺は近くにあった蔦を使って罠を作っていた。街道の真ん中に蔦を張り、馬が暴れたところを倒す作戦だ。多分引っかからないと思うがやってみる価値はあると思う。そんなことをしていたら加工スキルを獲得した。別に必要ないけど。
そして一番大事なことがこれ!《人の因子》を獲得したのだ!これによって俺は人の体を得ることに成功したのだ。顔は日本の頃と全く同じで銀髪の長髪、碧眼で慎重が180センチほどだ。
元々がイケメンだったので(自慢ではない)銀髪ってのがなかなか珍しいかな。服装はタキシード、銀髪によく映える。自分の体を作り終えて自画自賛しているとやっとやってまいりました。
かなりの大所帯だな。馬2頭、御者2人、護衛6人、商人2人か。鑑定をした結果魔法使い2人に剣士2人、槍士2人か。皆C級なので倒せなくはない。これは馬が暴れるのを願うかな。
馬が暴れるたら魔法使いを隠密で2人殺して槍士は縮地で間合に入る感じか。
トコトコと音を鳴らしながら馬車が罠へと近づいてくる。油断している奴らには到底気づくまい。
予想通り2頭の馬は蔦を編んで作った罠に引っかかり、暴れ出した。
御者が馬を宥めている間少し離れた護衛達。馬鹿だな、こんなに簡単に作戦通りに引っかかってくれるとは。俺は隠密をかけながらこっそりと2人の女魔法使いに背後から近づく。そして神聖剣アクティーナを一閃する。
シュパッ!と音がすると2人の首が空を舞う。
異変に気付いた残りの護衛は音がした方向に体を向けるがもう遅い。縮地で彼らの正面に立った俺は魔法使いを心配して振り返った剣士と槍士に斬りかかる。
咄嗟に気付いた1人の剣士は防ごうとするがそれも無意味。S級武具を防げるわけがないのだから。そして残るは剣士と槍士の2人と御者と商人。剣士と槍士は連携して攻撃してくるが悲しいかな、剣術スキルのおかげで全ての攻撃が見切れる。
見切った槍の柄を掴み取り聖剣で腕ごと切り落とす。悲鳴をあげた槍士の首に神聖剣を1突きし、そのまま横に斬り払う。怯えて半端下がった剣士の間合いに縮地で入り込み切り上げる。これでひとまず戦闘員は全員死んだ。死体は収納にしまい、御者と商人4人は縄で結び捕まえる。
なぜ捕まえたかだって?もうレベル上限で進化できるから進化した後の栄養分として数分生かしておくだけよ。
よし、ステータス振り分けるとするか
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■名前:フォルトゥーナ
■種族:アニマF級
■ステータス(60P)
LV:10(MAX)
HP:96
MP:142
攻撃:33
防御:33
敏捷:76
固有スキル:夢想の書Lv1
サポート機能Lv1
種族スキル:不老Lv−
浮遊Lv−
吸収Lv−
《鬼の因子》
《龍の因子》
《人の因子》
スキル:鑑定Lv15
偽装Lv15
剣術Lv15
威圧Lv15
洗脳Lv10
収納Lv10
隠密Lv10
加工Lv1
◾️状態:カタルシスの呪い(特大)
オーメンの呪い(特大)
◾️称号:転移者 呪われし者 チート野郎 龍殺し
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配分はいつも通りであとは進化先か。
ラス先生、進化先はどんな感じ?
『進化先は
①ドラゴニックアニマ
②ゴブリンアニマ
③ヒューマスアニマ
の3つですね。強さを求めるなら①、人間になりたいなら③ですね。②は論外です。①でも人化できますが、キャラメイクでも人になれます。』
まぁドラゴニックアニマだろ、選択肢は。
『了解しました、ドラゴニックに進化します。』
体が霧に戻され、新たに構築されていく感じがする。光が消えると俺の体は2メートルほどの西洋竜だった。銀色の鱗に金の角、かなりかっこよくなっている。どうしてわかるかって?体の一部を霧にして向かいに立たせてるからだよ。
これで視界が2つになったな。この方法繰り返せば俺を何体も作れるんじゃないか?試しにやってみよう。増えろ増えろ増えろ!
こうして五体の俺が生み出された。強さは同じだが、顔は違う俺。5個違うことを考えようとするとラス先生が並列思考というスキルを作ってくれた。それに分裂というスキルも獲得した。
とりあえずステータス確認といくか
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■名前:フォルトゥーナ
■種族:ドラゴニックアニマE級
■ステータス(進化ボーナス100P)
LV:1
HP:108
MP:166
攻撃:39
防御:39
敏捷:88
固有スキル:夢想の書Lv1
サポート機能Lv1
種族スキル:不老Lv−
変化Lv−(人、龍、小鬼)
浮遊Lv−
吸収Lv−
《鬼の因子》
《龍の因子》
《人の因子》
スキル:鑑定Lv15
偽装Lv15
剣術Lv15
威圧Lv15
洗脳Lv10
収納Lv10
隠密Lv10
加工Lv1
分裂Lv1
並列思考Lv1
◾️状態:カタルシスの呪い(特大)
オーメンの呪い(特大)
◾️称号:転移者 呪われし者 チート野郎 龍殺し
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進化ボーナスを振り分けてっと。こんな感じかな?
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■名前:フォルトゥーナ
■種族:ドラゴニックアニマE級
■ステータス
LV:1
HP:128
MP:206
攻撃:49
防御:49
敏捷:108
固有スキル:夢想の書Lv1
サポート機能Lv1
種族スキル:不老Lv−
変化Lv−(人、龍、小鬼)
浮遊Lv−
吸収Lv−
《鬼の因子》
《龍の因子》
《人の因子》
スキル:鑑定Lv15
偽装Lv15
剣術Lv15
威圧Lv15
洗脳Lv10
収納Lv10
隠密Lv10
加工Lv1
分裂Lv1
並列思考Lv1
◾️状態:カタルシスの呪い(特大)
オーメンの呪い(特大)
◾️称号:転移者 呪われし者 チート野郎 龍殺し
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よし、ステータス管理は終わったからあとはさっき残しておいた御者と商人含めて4人殺すか。いや、どうやって殺そうか。普通に殺しちゃつまらないしな1人は洗脳して行かせるか。
じゃ、商人だな。
「おい、そこの商人!」
「へ、へい!あっしでやんすか!」
「殺さねぇから安心しろ。いいか、俺の目を見ろよ。」
「そ、そうすれば生かしてもらえるんでやんすか!」
「あぁ、そうだから俺の目を見ろ。【お前は道中誰にも襲われていない、そして神聖マルス国に到着したらこの箱を開けろ】効いたかな?」
「はい、わかりました我が主人よ」
「やべーな、気持ち悪いくらい効くわ。じゃあこの箱をお前は神聖マルス国で開け。それじゃあ行け。辿り着かなければ誰かに拾って貰えばいいだろう。」
「わかりました。行ってまいります」
そうして商人Aは街道へと戻っていった。
残った御者が「目が青く光った……」なんて言ってるけど気にしない気にしない。
「じゃ、御者A御者B商人B死んで♪」
「あ、お待ちくだグハッ!」
「お願いです、命だカッ!」
「身籠った妻がグヘッ!」
3人の死体を見ながら俺は思う。
「この世は所詮弱肉強食だ。強きは弱きを喰らい糧とする。故に弱きは生き延びようとする。不幸だったな、俺に遭ってしまって。」
そうして俺は小鬼狩りに向かう。