5話 ペンはいずこにおわします?
とりあえず小鬼型になってみよう。
どうやるんだ?ラス先生ぃ!
『はいはい、ラス先生ですよ。姿の変化は御主人様がステータスを開いたときに右下に小鬼型のキャラメイクと龍型のキャラメイクを行えるようになっていますよ。早速開いてみてください』
ほんとか?あ、本当にステータスの右下にキャラメイクって書いてあるわ!なになに?肌の色と装備だって?肌の色か、普通の小鬼は緑色だからカッコよく赤黒い色にしようかな。後肌になにかつけるかって?
日本ではやらなかった刺青とかやってみようかな。あ、あるんだ。俺は刺青コーナーからカッコよさげな刺青を選ぶ。腕に龍が巻きついている姿を選択。完成したぞ!どうだラス先生!
『これはもはや小鬼じゃなくて中鬼の変異種にしか見えませんね。それに刺青の時点で普通じゃありませんし。まぁそれでいいんじゃないですか?それに剣術Lv15でも素振りくらいすればすぐになれると思いますよ。』
そうだ、腰蓑は嫌だ。何か代わりになる物はあるかな?おっ半ズボンが装備の中にあるじゃん。カッケェなこれ。上半身刺青裸で、半ズボンに聖剣を携える赤黒い鬼!いいね!
神聖剣を持ち試しに素振りしてみる。剣道をやっていたから少しは感覚はわかると思い一振りすると全然違った。どう動かせばいいのかが全てわかるのだ。目の前の木に向かって聖剣を中段に構える。それだけで、目の前の木のどこが脆くどのタイミングで力を込めればいいのか全てがわかる。
よし、剣に慣れたし獲物狩りとしようか。ラス先生、街道って近くにあるか?
『ここから北西に4キロ地点に神聖マルス国とゼーテ王国を繋ぐ街道があります。よく馬車などが通るそうですが護衛もそれなりにいますよ?』
わかってるよ、いざとなったら霧になって殺すから。
『逃げるとは言わないんですね……』
あったりめいよ!とりあえず北西に進むか。
そんな思いで腰に神聖剣を据えて街道があるという場所まで向かっておりますが、出会うのは小鬼8体のみ。現状3レベルしか上がっておりません。進化したことにより1レベルuPにつき、20P獲得することがわかりました。
このポイントもしっかりと配分し終えた私は暇で暇でしょうがありません。そしてついに見つけたのです。街道を!
なんて実況してたけど、かなり広いな街道。幅10メートルくらいあんじゃね?とりあえず街道沿いの木の陰に隠れることにした。隠密をかけ続けることで隠密のレベルが上がることを願いながら。
隠密をかけ続けて30分が経った頃1台の馬車がやってきた。御者が1人護衛が3人、馬車の中に商品と商人が1人って感じか。とりあえず鑑定だな。
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■名前:マリサ
■種族:人間
■ステータス
LV:18
HP:120
MP:30
攻撃:42
防御:20
敏捷:53
スキル:鑑定Lv2
危機察知Lv4
剣術Lv3
槍術Lv1
◾️称号:C級冒険者
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■名前:アーレス・フォン・メルカリト
■種族:人間
■ステータス
LV:21
HP:140
MP:5
攻撃:52
防御:30
敏捷:41
スキル:身体強化Lv4
危機察知Lv5
剣術Lv4
礼儀作法Lv5
◾️称号:C級冒険者 メルカリト伯爵家次男
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■名前:セレス
■種族:人間
■ステータス
LV:16
HP:30
MP:140
攻撃:36
防御:13
敏捷:24
スキル:火魔法Lv3
危機察知Lv2
水魔法Lv3
短剣術Lv1
◾️称号:C級冒険者
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弱いな、これは勝てる。どういう戦法がいいと思うラス先生?
『剣術を試したいならまず隠密で魔法使いに接近し首を落とし、残る2人と対峙するのがいいでしょう。』
やっぱそれが妥当だよな。隠密レベル10の素晴らしさを見せてやるよ!まずは隠密をかけて魔法使いの後ろから近づく。
魔法使いは他の護衛に当たってる2人と御者と楽しそうな会話をしている。たださ、護衛中にか緩めちゃダメでしょ。
シュッ!スパッ!
コロンと魔法使いの首が転がり2、3秒後に血が噴き出しながら体が倒れる。奇襲だぞ、今更慌てても遅いだろ。俺は隠密を解除し護衛の前に立つ。
「おいっ!中鬼の変異種だっ!メージさん、早く逃げろっ!」
へぇ御者の名前メージさんって言うんだね。ま、死に行く人の名前なんて気にしてたらこれから覚えきれなくなるからね。
「くそっ、中鬼が出るなんて聞いてねえぞ!いけるかっ、マリサ!」
「私はもういけるわよ!でもこいつ鑑定効かないわ!」
「メージさん、応援頼む!」
「わ、分かりましたっ!すぐに呼んできますから死なないでください!」
「死なねえよ。ヤベェな、危機察知が警鐘鳴らしてやがる。」
そんな強いか?お前らの方がステータスでは勝ってるんだけどな。
「行くぞ、人間!俺の糧となってくれっ!」
「なっ、喋っ、グハッ!」
「脆い、脆すぎるぞ。C級の名が聞いて呆れる。」
俺は一歩踏み出し、相手を観察する。構えはいい、だが腰が引けている。握りも甘い。スキル様々だな。剣術スキルのレベルが上がると縮地などもできるようになる。
俺は縮地で一瞬で相手の間合いに入り込み袈裟懸けに一閃、グッと呻き声を上げながら後ろに倒れ落ちる女。
弱いな、予想以上に弱かった。盾役とかタンクがいないと楽だな。とりあえず死体は収納に入れておくとして逃げた馬車を追うか。
縮地を繰り返すと前方に逃げている最中の場所を見つける。空中に跳び御者の首を斬りとばす。馬が暴れているのでそれもまた斬り殺す。後は中にいる商人だけか。
幌馬車の中に入ると商人は漏らしながら気絶していた。気持ち悪いが首を飛ばして馬車ごと収納に入れる。
かなりレベルが上がったな。人間の方がゴブリンよりは経験値はいいか。
さてさてペンはいずこにおわします?
お、あったあった。商人の鞄の中にあったわ。
経験値配分を終えると俺は第2の獲物が来るのを待って木の陰に移る。今のうちに商人が持っていたペンを準備し夢想の書を開く。夢想の書の1ページ目は説明書にになっていた。
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取扱説明書
・この書はスキル所持者にのみ使用可
・レベル1の時点で使用可能ページは10ページ
・1ページにつき1魔法
・水につけても火にかけても破壊不可
使用方法
・魔法難易度次第では必要魔力量が変わる。
・難易度はF級魔法〜S級魔法の7種類
・F級魔法……10
E級魔法……20
D級魔法……40
C級魔法……80
B級魔法……160
A級魔法……320
S級魔法……1000
・魔法の威力は
無詠唱100%
魔法名のみ120%
詠唱一節140%
詠唱二節160%
詠唱三節180%
詠唱四節200%
詠唱五節220%
といったように20%毎に威力や効果は伸びる。
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なるほどね、詠唱を増やせば増やすほど威力は高まるのね。とりあえず作りたかった魔法を1つ作るとしようか。
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夢想の書①
魔法名:武具作成
詠唱:①我が武具は此処に在り
②我が魔力は此れを映す
③これ即ち創造の神話なり
④出でよ剣、出でよ槍、全ての武具は我が手中
⑤剣は我と共にある
難易度:B級魔法
効果:自分の所持する武具を魔力で作成し、空中に浮遊させる。無詠唱で100本、詠唱毎に+20本
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記念すべき1ページ目だこれでいいだろう。とりあえず今のMPは142だからギリギリ使えないか。一応ステータス確認しておくか。
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■名前:フォルトゥーナ
■種族:アニマF級
■ステータス
LV:7
HP:96
MP:142
攻撃:33
防御:33
敏捷:76
固有スキル:夢想の書Lv1
サポート機能Lv1
種族スキル:不老Lv−
浮遊Lv−
吸収Lv−
《鬼の因子》
《龍の因子》
《人の因子》
スキル:鑑定Lv15
偽装Lv15
剣術Lv15
威圧Lv15
洗脳Lv10
収納インベントリLv10
隠密Lv10
◾️状態:カタルシスの呪い(特大)
オーメンの呪い(特大)
◾️称号:転移者 呪われし者 チート野郎 龍殺し
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さて、B級魔法が使えるようにあと1組襲えばいけるかな?