2話 誰よっ、こんな呪い作ったやつは!?
「ではこれからキャラメイクを開始します。お互いに見ちゃダメですよ。面白さ半減ですから。ではオーメン、祐介君を隣の部屋に連れて行ってステータスを作ってきてくれませんか?」
「わかったよ。ほら祐介こっちでステータス作るぞ!」
「ちょっ、ちょっと待って今行く!」
ドタドタと祐介が連れてかれたな。
「これで祐介君はいなくなりましたか。祐介君は勇者を選んだようですが貴方は魔物でいいんですね?」
「もちろん、モンスターでいいですよ。サポート機能は絶対使えますから。」
「よく考えてますね。それではステータスを作成します。ステータスオープンと念じてください。」
(ステータスオープン!)
おお!目の前に半透明な板が出てきたぞ!
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■名前:空き
■種族:空き
■ステータス(100P)
HP:10
MP:10
攻撃:10
防御:10
敏捷:10
固有スキル:空き
スキル:空き(100P)
空き
空き
空き
空き
空き
空き
空き
空き
空き
◾️状態:空き
◾️称号:転移者
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「見えましたか?ステータス(100P)でこれに振り分けてください。
選べる種族は
・骸骨・・・最弱ながら進化を繰り返すと不死之王へと至る事がある。転ぶと骨が壊れるのが欠点。
・粘体・・・最弱ながら食らった相手の力を吸収する事ができる。味覚があるのが欠点。
・小鬼・・・最弱ながら群れるととてもうざくなる定番モンスター。進化すると鬼人など、人に近くなる。履いている腰蓑が醜悪な匂いを放つのが欠点。
・草狼・・・よく初心者冒険者にやられて毛皮へと変わる生物。進化を繰り返すと神獣フェンリルになれるが、進化する前に冒険者に殺される。
・ランダム・・・完全にランダム。虫になるかもしれないしネズミになるかもしれない。この中から選ばれる生物は最弱から最強までなんでもあり。神の悪戯は人生を狂わすだろう。
どうかしら?いいのあったら」
「最弱ばっかじゃねーか!粘体とかやべーだろ!リ◯ルさん初期味覚なかったじゃねーか!はぁ、もう。ランダムにするよ」
「えっ!マジでランダムにするのっ!?私くじ運いいのよ!まっかせなさい!」
キャラ崩れてきたなこの人
「はぁ、とりあえず魔法使いたいけど体力(HP)ないと戦いにならなそうだし万能型にしようかな?でもなぁ、敏捷かなり大事になるだろうな。……よしっ決めた!」
「決めましたね?次はスキルと状態を決めますか。」
「状態ってなんですか?」
「状態は常時発動である加護や呪いですね。加護を付ける場合100Pから削られますからね。『カタルシスの加護(小)』で100P、『カタルシスの加護(中)』で200P、『カタルシスの加護(大)』で300P、『カタルシスの加護(特大)』で400Pです。加護なんてつけられないようにしてますが。呪いは馬鹿が付けるやつですね。そのかわり付けるとPがもらえますけど。」
「スキルは1つ10PでLvを上げるのにさらに10P必要ですね。スキルを5個選んだのならば5つのスキルはLv2になります。」
ふーん。呪いねぇ。そう思いながら呪いを見てるととても面白い呪いがあった。これ、かなり使えるんじゃないか?
◾️レベン上限の呪い・・・呪いの強さによって上限が変わる。呪い(小)でLv80、呪い(中)でLv60、呪い(大)でLv40、呪い(特大)でLv20となる。
これだけだとクソ雑魚な呪いと思われるが続きがあったのだ。
◾️レベン上限の呪い・・・呪いの強さによって上限が変わる。呪い(小)でLv80、呪い(中)でLv60、呪い(大)でLv40、呪い(特大)でLv20となる。
✳︎魔物が所持している場合進化上限がレベン上限と同じになる。
離れすぎてて探すのに苦労したがこれはやばい。Lv10ごとに進化し、強くなるのだ。なぜLv20じゃなくてLv10かって?
『カタルシスの呪い(特大)』と『オーメンの呪い(特大)』を付ければいいのだよ。これはかなりいける。
「おい、この呪いの特大を2つつけてくれ。特大だぞ。」
絶望に染まった表情で
「貴方馬鹿なの?たしかにスキル構成はかなり高くなるけど阿呆なの?」
「これを見てみろ、レベル上限の呪い。下の方に書いてあるだろう。」
僕がドヤ顔でカタルシスに尋ねるとムッとした表情で覗き込んできた。
「なになに?魔物が所持している場合進化上限がレベン上限と同じになる、ですって!?だれよっ、こんな呪い作ったやつは!?」
これなら俺には有利に働き、スキル構成も自在だ。ちなみにこの世界でのスキルレベルは
1〜2初心者
3〜4一般人
5〜6達人
7〜8英雄・勇者・魔王
9〜10人外・聖獣
10〜12竜王
12〜15神獣
25〜30神
だそうだ。
「はぁ、しょうがないわね。これも呪い一覧に載ってたんだから認めるしかないわ。貴方スキルレベルかなり高くなるんじゃないかしら?次にスキルを決めてくれるかしら?」
固有スキルはもう決めてある。固有スキルとは世界で1人しか保有しておらずこちらが頼み作ってもらう形だ。そして僕が考えた最強の固有スキルが『夢想の書』
このスキルは発動すると革張りに金の装飾が施された中身の書かれていない真っ白な辞書が浮かび上がる。
そしてこの辞書は自分が想像して作り上げた魔法を自分専用魔法として保存しておくことができるのだ。細かいルールなどもあるがかなり応用が効くだろう。
次はスキルか。どんなのがあるんだ?
・格闘術
・蹴術
・剣術
・槍術
・斧術
・棒術
・槌術
・杖術
・鞭術
・刀術
・爪術
・弓術……etc
かなりあるな。だが僕に必要なものは少しだな。魔法系は固有スキルでなんとかなるからいらないので、人化できるくらい進化したときのための武術系や鑑定系かな?まぁこれくらいでいいか。
「カタルシスさん!できましたよ!確認お願いします!」
「名前はどうするの?そのままの名前使う?」
「いえ、何にしようかな?」
「私がつけてあげよっか?」
「え?いいんですか?つけてもらえるならありがたくいただきますが。」
「いいに決まってるじゃない。うーん、こんなのどうかしら?フォルトゥーナ、幸運を表す言葉よ。魔物になるくせにいい呪い見つけちゃって!最後にステータス確認するわよ。」
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■名前:フォルトゥーナ
■種族:ランダム
■ステータス
LV:1
HP:50
MP:50
攻撃:10
防御:10
敏捷:30
固有スキル:夢想の書Lv1
サポート機能Lv1
スキル:鑑定Lv15
偽装Lv15
剣術Lv15
威圧Lv15
洗脳Lv10
収納Lv10
隠密Lv10
◾️状態:カタルシスの呪い(特大)
オーメンの呪い(特大)
◾️称号:転移者 呪われし者 チート野郎
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「…………貴方、もう十分最強じゃない。」
「…………やりすぎちゃいましたね。てへっ❤️」
「うわぁ、きっもぉ。」
「傷付いた、僕のメンタル砕けた……。」
「締まらない終わりだけど今から貴方を森に送るわ。詳しい情報はサポート機能に聞きなさい。それと魔王になるのだから一人称を我とか俺とかかっこいいのにしなさい。」
「……それ、必要ですか?」
「私の趣味よ。従わなかったら加護で貴方の呪い打ち消すわよ。」
「分かりましたっ!これからかっこいい口調で喋ります。」
「よろしい。では我等の世界での神格戦に神々の王の慈悲があらんことを」
そうしてまた僕の、いや俺の意識は消えたのだった。