閃光姫
今日も朝から大変だ。大変な中皆からは肉まんをリクエストされて出した。それを朝早くから来て見ていた閃光姫が私にも出してと言い始めた。子供たちが「うめーうめー!!」と言って食べていたので気を引いたのだろう、だが商品じゃないので断る。
「すみません、これらは商品じゃないんです。申し訳ありませんが他の物を提供させていただきます。」
「何よ!なんでだめなの!!?子供たちが食べてるじゃない!!!?」
「それは家族なので・・・・。」
「何よそれ!!!?客には出せないっての!!!!?」
「はい、申し訳ありませんが、他の物にしていただきたく、お願いします。」
「いいじゃない!!!?少しなら分けてくれたって!」
「例外を作りますと、際限なくなってしまいますので・・・。」
「もうっ!!良いわ!!!カレーとやらを頂戴!!!!」
「食券を買って下さい。」
「っ!!!!!?わかったわよ!!!」
「ありがとうございます。」
「馬鹿にしてるの!!!!?」
「いえ、しておりませんが?」
「その態度がむかつくのよ!!!!私がいるのに保険としてあんたが用意されたなんて認めないんだから!!!」
「私はタダの付き添いですので。ただのごはん係ですよ?」
「ご飯に身体強化を付与するなんて聞いたことないわよ!!!?それに私たちがあのままじゃあ負けてたって言いたいわけ!!!!!?」
「怪我をしてはいけないと思いまして・・・・。」
「怪我なんかしないわよ!!!Sランクなめてるの!!!!!!!?」
「いえいえ、どんなに簡単な狩でも油断せず慎重に行くのがプロというものです。」
「なっ!!!?そうだけど!!!そうだけど!!!あんたに言われたくないわ!!!あんた戦ってないじゃない!!!」
「見ていたのですか?」
「あんたは剣も杖も持ってなかったじゃない!!!!?」
「サポート要員なので、自分にできる、身体強化付与をしたまでです。」
「うるさい!!!あんたは戦えるって聞いたわよ!!!?」
「今回お願いされたのはサポートがおもだったので。」
「何がサポートよ!!あんたこそなめてんじゃないの!!!!!!?戦えばいいでしょ!!!?」
「皆さんの取り分が減ってしまいますので。」
「うるさいうるさいうるさい!!!!!ごちゃごちゃ言い訳するんじゃない!!!!高みの見物ってのが気に入らないのよ!!!!!!」
「そんなつもりはありませんが・・・・・・・勘違いさせてしまったのなら謝ります。」
「何よそれ!!!?私の勘違いだって言うの!!!!?馬鹿にしないでよ!!!」
「俺は、戦闘経験があまりないので他の人に任せた方がいいかと思いまして・・・。」
「そんな奴が保険として付けられるわけないでしょう!!!!?」
「これは本当ですよ。まだランクも低いですし・・・・。」
「嘘・・・・・。ほんとなの?」
「ええ、本当です。」
「何それ・・・・騒いでる私がばかみたいじゃない!!!!?」
「とりあえず朝ごはんでもどうぞ。」
「うるさい!言われなくても食べるわよ!!」
「ありがとうございます。」
「あんたのためじゃないんだから!!」
「わかっております。」
「うるさい!!あっち行って!!」
「はい。」
「ちょっと!!!これどうやって買えばいいのよ!!!?」
「お金を入れて、カレーを押してください。」
「あ!ちょっと!!カツカレーって何なのよ!!!?」
「豚肉にパンの粉をつけてあげたものです。それをカレーに乗っけたものです。」
「へぇーーー、美味しいの?」
「肉を食べたい人にはおすすめですね。」
「美味しいのか聞いてるのよ!!!?」
「まあ脂っこいものが苦手じゃなきゃ大丈夫だと思いますよ。」
「美味しいのか聞いてるの!!!」
「個人的には美味しいと思いますよ。」
「最初っからそう言いなさいよ!!!」
「すみません、口に合うかわからないので。」
「いいわ、カツカレーにする!!」
「大盛もありますよ。」
「じゃあ大盛!!!」
「大盛券を買って下さい。」
「わかったわ!!」
「それをカウンターに持って行って下さい。」
「わかったわ!!」
「食券と料理を交換して好きな席に座って食べてください。じゃあ俺はこれで・・。」
「待ちなさいよ!!?話に付き合いなさいよ!?どうせ暇でしょ!!?」
「ええ、まあいいですけど。」
「あんた強いの?」
「そこそこですかね。」
「そこそこであの討伐依頼の保険に呼ばれるわけないじゃない!!馬鹿にしてるの!!?」
「いえ、決して馬鹿にしているわけではありませんよ。俺は他の人と比べられるほど依頼を受けてませんので・・・。」
「本当にそうなの・・・・?」
「ええ。」
「ギルマスが保険にって言うくらいなのだからよほどなのね・・・・。」
「まあ、俺にはわかりませんがね・・・。」
「それにあなた迷い人だっていうじゃない。この料理は異世界の物なの?」
「ええ、俺の故郷の料理ですよ。」
「そう、美味しいわね?突っかかってごめんなさい。どうしても強いってわかるとじっとしてられなくて・・・・。今度手合わせしましょ?」
「ごめんなさい。俺はあんまり戦闘が好きじゃないのでお断りします。」
「な!!?そうなの?迷い人はみんな強いって言われてるから期待してたんだけど・・・。」
「剣士ならもう一人いますよ?迷い人の。」
「そうなの!!!?」
「ええ、今帝国に行ってますが。」
「そうなのね!!早く会いたいわ!!いつ帰ってくるの!!?」
「何年か旅をすると言ってましたが・・・」
「なんで!!!?そんな!!!?本当!!?」
「ええ、しばらく帰ってきませんよ。」
「期待したのに!!!」
「すみませんね。」
「い、いいわよ。帰ってくるまで待つわ・・・・」
「ごゆっくりどうぞ。」
「ありがと。」
普通に話せてよかった意外と素直なひとなんだな。怒鳴られてばっかだけど・・・。現役のSランク冒険者に会うのは初めてだ・・・。意外といるのかな?Sランクだからそんなにいないか・・・。まあ、一人ってことはないと思うけど・・・。そういえば、ドランだけじゃなく王都でも強化ジュースが売られている。ドランで仕入れた物だろうけど。ドランで買うより高いらしい。まあ、冒険者なら買えないってことはない値段だろうがな。他の都市にも広がっているという。それは帝国もそうだった。翔太も出会うだろう。まあ、翔太は身体強化のスキルがあるから使わないだろうがな。
そういえば、閃光姫も使ってたな。そんなに強化率は高くなかったけど。地が強いんだろうなオークロードにはオーバーキル気味だったしな。本当に勝てる相手だったんだろうな。まあ、他の人も心配だったし、結果オーライかな。ふんふんと鼻歌を歌っていると子供たちがそれ何の歌?って聞いてきた。俺は曲名を覚えていなくて四苦八苦したが、最後に曲名を思い出しいて教えてあげた。歌詞も教えてあげると大変喜んだ。閃光姫も聞いていたらしく、「いい歌ね」と言っていた。ふふふ、日本にもいい曲が沢山あるのだ。
子供たちは肉まんを気に入ったようで、また食べたいと催促してきた。美味しいからな。しょうがない。手ごろだし、ふわふわだしな。昼も肉まんになった。まあ昼までもうひと頑張りって感じだが。冒険者達はまた宴会の続きをしようと集まってきていた。俺はちょっと盛り上がってきたのでピザを出す。種類は一つ。マルゲリータだ。王道だろう。
「「「「「おおーー!!!」」」」」
「旨そーな匂い!!たまらん、いただき!!」
「あ!ずるい!!俺も!旨!!チーズうめぇーな!!トロトロでいい塩梅だ!!」
「これピザって言うんだってよ!!」
「うま!!これも新商品か!!!?」
「こりゃあ好きだ!!薄いが旨い!!トマトがたまらん!」
「コーラが合うぜ!!これタクローさんの奢りだってよ!!騒ぐぜ!!」
「「「「「「おお!!!!」」」」」」
「あんたたち、私の分は残してるんでしょうね?」
「あ!やば!姫だ!!おい!まだあったか!!?」
「こんだけあれば残ってんだろ!!?こっちはないがそっちは!!?」
「こっちもない!!そっちは!!!?」
「こっちもねーぜ!!そっちは!!?」
「ここもねーぞ!!あっちはどうだ!!?」
「やばくねーか!!?ここもねーぞ!!」
「一切れあった!!」
「一切れ?どういうこと?私の分は?」
「やばい!!!切れられる!!!兄貴!!!ついかお願いしやす!!!!!」
「「「「「「「「お願いします!!!」」」」」」」」
「あはははは、まあいいけど、姫の分だけでいいの?」
「姫って呼ばないで、私の名前はノエルよ」
「はい、ノエルさんの分だけでいいの?」
「「「「「「「「俺らの分もお願いしやす!!!!」」」」」」」」
「はいはい、大丈夫ですよ。はいっと。冷めないうちにどうぞ?」
「「「「「「おおぉぉおおお!!!!!!」」」」」」
「いい匂いね!これは美味しそう!うぅーーーん美味しい!!絶品だわ!!ハッ!!タクロー!!!この例外はいいの!!!!?」
「ははは、これはサービスです。そのうちメニューに加えますよ、」
「肉まんもいいじゃない!!!!」
「駄目です、ノエルさんは際限がなさそうなので・・・・」
「何よそれ!!失礼ね!!!」
「実際そうでしょう?」
「うっ!!それは無いわ!!」
「言葉に詰まったじゃないですか・・・・・」
「ないわ!!!」
「ノエルさん?」
「ないわ!!」
「姫?」
「ないわ」
「閃光姫?」
「・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「ノエルって呼んで。わかったわ」
「了解です。ノエルさん」
「あ!冷めちゃう!!もぐもぐ!!うぅ~~ん、美味しい!!!」
「ごゆっくり~」
「あ!待って!魔法教えて欲しいんだけど!!!」
「それは今度暇な時にでも。」
「はーい」
「なんで子供たちの真似を?」
「なんかいいなぁーーと思ってね」
「そうですか」
「そうよ!」
「了解です」
今度こそ離脱する。子供たちが腹を空かせて待っていた。勿論ピザがいいという(笑)。ピザを出して順番にご飯を食べた。美味しかった。こっそりカントリー男爵を出した所、冒険者に匂いでバレてずる~い!!と言われて仕方なくカントリーも出してあげた。カントリーとはジャガイモ、ツナマヨ、コーン、醤油、チーズの乗ったピザである。あるピザ屋さんにあるのだ、このメニューが。俺はそれが好きだった。子供たちにも、冒険者にも好評だった。
「タクロー、貴方の出す料理は不思議と全部美味しいわね。なんでこんなに美味しいの?」
「日本人は、食にうるさいんです。」
「へぇ~!そうなのね!!行って見たいわ!!」
「駄目です、いけませんよ?今は病気が流行ってるので。」
「いけるの!!!!!?」
「ふふふ、まあ、いけないこともないですかね。」
「絶対連れてってね!!!」
「でもエルフは俺の国にいないので目立つと困りますね」
「そうなの!!?なんでいないの!!!?」
「そういう世界なんです・・・・残念なことに」
「何が残念なんですか?兄さん?」
「サーシャ!!?いや、俺の世界には綺麗なエルフは――――」
「兄さん?エルフなんていなくてもいいじゃないですか?私がいますよ?ねえ兄さん?」
「うん、まあ、サーシャはいるけど、エルフはファンタジーにはつきもの――――」
「兄さん?何度言わせるんですか?兄さん?兄さんには私がいるでしょう?今度二人っきりで・・・・ふふふふふ」
「怖いぞタクロー、この子は何なんだ・・・・。ちゃんと育ててるのか?」
「失礼な女ですね!私は立派なレディです!!エルフみたいなババアにはわからないですかね」
「ババアじゃない!訂正しろ!!!エルフはけっしてババアなんかじゃない!!!タクロー!!!」
「な、何ですか?」
「私はババアなんかじゃないよな!!!?」
「はい、可愛いですよ?」
「か、可愛い!!?そ、そうか、か、可愛いか・・・・」
「な!!!!?ババアが可愛いってどういうことですか!!!?兄さん!!!!?」
「サーシャも可愛いぞ?」
「な、な、な、何を・・・・可愛いって言われた!!ひゃっほう!!兄さんが愛してるって言った!!これは結婚しかない!!子供は何人がいいかな!!!?やっぱり百人かな!!!?」
「タクローこの子おかしいぞ!?」
「うるさいですね、雌猫は黙っててください。私と兄さんは愛を育むんです!」
「雌猫・・・・」
「サーシャ、こら、ババアとか雌猫とか言っちゃだめだよ?」
「はぁーーい!兄さん兄さん今日は一緒に寝ましょう!!きゃーーーーー!!!」
「ほらしっかりサーシャ、」
肩を持って揺らすと、正気に戻ったサーシャが抱き着いてきた。なんかスーハ―スーハ―してる。何してるんだ?く、臭かったか?俺はまだ加齢臭がするような年じゃなかったはずだ!!どうしよう!!子供たちに嫌われちゃう!!サーシャは窒息しそうなほど顔をうずめている。大丈夫か?
「サーシャ!!臭かったか!!」
「兄さんのにほひぃいいいいいい(小声)いい匂いだよ!!兄さん!!」
「よかったぁ・・・・・」
「くんかくんか・・・・・はぁはぁ・・・・」
「大丈夫か?サーシャ、熱でもあるか?」
額に手を当てる。顔が赤い。大丈夫だろうか?ちょっと熱っぽい。俺はひょいと持ち上げてお姫様抱っこをする。
「きゃーー!!兄さん大胆!!」
「何が大胆なんだよ・・・熱があるみたいだから寝床に運ぶぞ?大人しく寝るんだぞ?」
「お仕事ぉしなきゃー」
「いいからいいから寝てな?いいね?」
「兄さんも一緒に寝てくれる?」
「ああ、こういう時くらいは一緒に居てやらないとな?いい子に寝るんだぞ?」
「はぁ~い。やったぁ~」
「じゃあ、ノエルさん、俺はサーシャと一緒に寝てくるから」
「一緒に寝る!!!?それは!!?いいのか!!!?子供と一緒に・・・・・!」
「どうしたんだ?ただ寝るだけだぞ?」
「ああ!!ああ!そうか!で、ではな!しっかり見てやるのだぞ!?」
「はい、では・・・」
すぐ近くの寝床に向かい布団を敷き寝かせる。その時、サーシャが首に手を回してるもんだから俺はそのまま一緒に横になった。横になっているのに手を離さないので優しくほどいて手を体の横にもっていってやって、布団をかける。俺にぴったりとくっ付いてくるサーシャ。頭を撫でてやる。ゆっくりゆっくり・・・・。そのままゆっくりとなでていると、しばらくして寝息が聞こえてきた。もう子供たちもほとんど自分のことは自分たちでできるので俺は抜けても構わないのだ。まあわかってはいるが、どうしても用事がない時は気になってしまう。子供たちも一緒に働くのは嬉しいようで笑顔だし。俺はこういうのが性に合ってるんだなと思いながら、思考をめぐらす。
そのまま夜になりみんなが寝床に集まって来た。女の子達がどうしたの?と集まってくる。ルエルはちゃっかり俺の隣に来て寝転んでいる。こっちもぴったりとくっ付いてくる。というか抱き着いている足も・・・・。何も言わずにいるとみんな布団を寄せてきて結局みんな団子になって寝た。俺も自分に風遁をかけて寝た。たまにはこういうのも悪くないかと思いながら人のぬくもりを感じて眠りについた。




