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転生したので貿易していこうと思う  作者: もちぞう
第一章
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閑話 孤児たちの一日

 俺はギル、ドランに住む孤児の一人だ。今日は朝早くに薬草採取をしたら仲間と訓練する予定だ。早く森の奥に入れるようになってもっと稼いでちびっこたちにおいしいものを食わせてやるんだ。そのためにも訓練は重要なのだ。それに薬草採取も、飯を食っていくには大切な仕事だ。仲間二人とうまくやって行けばそれなりの稼ぎになり、家計も助かるはずだ。ちびっこ以外の二人は丁稚奉公に出かけている。少しの稼ぎをみんなのために使ってくれている。なので俺たちは尚更稼がないとならないのだ。三人で冒険者になろうと決めたのも稼ぎがいいからだ。俺たちは魔法も使えるので、多少の危険なこともできると思ったのも理由の一つだ。


この前魔法の講義を受けた時にすごい人がいた、魔法を無詠唱で使って威力もすごかった。しかもそれが最初の魔法行使だったのだ。その時はみんなが呆然としてしまって大変だった。それから俺たちも使えるようにと訓練するようになった。ちょっとだけ詠唱速度が速くなったような気がする。気のせいじゃないはずだ。


という事で薬草採取に来ている


「ここら辺いっつもあまり見つからないんだよなー」

「うん」

「そうだな、少し場所変えてみるか?」

「そうしようぜ」


歩きながら場所を変えて探していく。


「おっ、あった」

「どれどれ、お、ほんとだ」

「こっちにもあったぜ、ここはたくさんあるな。」


どうやら群生地を見つけたようだ。薬草は一日で一気に大きくなるので毎日違う場所に生えてることも珍しくない。ただ、魔素をおおく含んだ土地でとれたものはそれ以外とは歴然とした差が出る。そのため森の奥深くなどのほうが、良質な薬草が取れるというわけだ。厄介な魔物たちも魔素が濃いところを好むため森の浅いところにはなかなか出てくることはない。


「結構とれたし、今日はこの辺にしておくか。」

「うん」

「そうだね」

「訓練もしたいしな、」


それにうなずく二人。どうやら二人とも訓練のほうが大事なようである。薬草は全部で23枚、銀貨2枚と銅貨3枚だ、全部が薬草ならばだが・・・。見つけられないときは本当に見つけられないのに、今日は運が良かった。


冒険者ギルドに戻ってきた。


薬草を換金する。


「お願いします。」


いまギルは、敬語をマスターすべく、練習中だ。なので、たまに間違えるのはご愛嬌だ。


「はい、お預かりいたします。・・・薬草全部で23枚ですね、銀貨2枚と銅貨3枚です。お受け取り下さい」

「はい、」


全部薬草で合ってたようだ。それも最近入った新しい鑑定士さんじゃなきゃわからないが。


お金も稼げたし次は訓練だ。という事で訓練場に行くことにする、外に出てすぐについた。すると、そこには今朝話した無詠唱の魔法使いがいた。なにやら座ってうんうんうなっている。何かに迷っているようだ、様子を見てみよう。他の二人も同じ気持ちなのか、同じ表情をしている。男は何やらっコップのようなものを金属で作っているようだ何やら難しそうだ、それを一瞬で作り上げてしまう。その後は何やらグラスや皿のようなものも量産し始めた。そこからは圧巻だった、一気に多くのグラスや皿がずらりとならび綺麗に飾られたようだった。それらが一瞬で消えた。アイテムボックスの能力だと気づいた俺たちは、更に驚かされる。魔法の無詠唱であんなにも細かい作業ができて更にアイテムボックスまで持っているとは、恐れ入る。すごすぎて言葉が出ないとはこのことか、と思った。


「あ、あの」

「よせ、やめとけ」

「あ、うん」


声をかけようとして、結局やめた。サージが声をかけたそうにしていた、それはダルもギルも一緒だった、しかしなぜかやめとけという言葉が口から洩れていた。


そのまま見ているとその男は訓練場を出てってしまった。残念、皆声をかけたかったのに。次にまたあう事があったら声をかけようと、三人で話し合った。無詠唱の秘密や秘訣なんかを聞けたらなと思う。そんなこと教えてくれるはずもないのだが、どうしても聞きたくなってしまう。いろいろな質問が頭の中をよぎっていく。だが、それは、声をかけれたらの話だ、もう会う事ができないかもしれない、少ない希望に期待をもって生活していくしかない。ただ、訓練場を使っているっていう事は冒険者にちがいないのでそこは期待しておく。


それからは、無詠唱の訓練や木剣を使った訓練をしていく。三人とも気が入らないのかなかなか上手く訓練に打ち込めない。やはり、さっきのことが頭の中にあるから、動きが悪いのだろう。そんなこんなで訓練していると、さっきの男が戻ってきた。チャンスだ。


「あの、さっきなにかやっているみたいだったようですけど何をされているんですか?」

「ああ、グラスやら皿やら後は役に立ちそうな物を作っていたんだよ。どうかしたか?」


聞きたかったことを聞いた、そして、さっきの技術を教えてくれないか聞いてみた。するとOKしてもらえた。なんという事だろう、こんなに嬉しいことはない、それに無料で教えてくれるという。俺たちの希望でグラスを最初に作ってくれることになった。まずはお手本を見せてくれた。それを基に詠唱して形を決めながら魔法を行使する。まあまあうまくいったかな、すると、ダルがもっとうまく作っていた。やっぱりこういうのはダルが一番うまいな。くそー俺ももっと綺麗に!っと念じて作る、また失敗だ。気泡(きほう)を消すようにイメージするといいそうだ。ほんとだ気泡が少なくなって綺麗になった。俺も精進あるのみ。


色付けの工程も見せてもらった。できていたグラスに外側半分ほどが光るとそこには綺麗な青色が付いていた。一瞬のことだったので理解するのに時間がかかったがすごい。兄貴と呼ばせてもらおう。


俺らが孤児だという事を説明した、そして冒険者として働いていることも言った。


事情を話していると、家の話になった、どうやら家を直してくれるらしい。


ありがたい話だ。


俺たちは自己紹介をしながら自宅に向かった。


そして到着する。


すると兄貴は家を眺めている、中に入りたいといわれたので案内する。


中を見て回る、トイレが特に汚いので恥ずかしい、そう思っていると。まず、トイレから直してくれるみたいだ。


トイレの修復も一瞬だった。その一瞬で見違えるように綺麗になり驚いた、トイレの造りも変わっていて使いやすそうだった。全部が石張りになっていて、トイレの掃除もしやすそうだった。


次は家の壁や床をいじるらしい、なので床は土にしてもらうことにした。冬はすごく冷たくなるからな。


屋根も綺麗に治ったこれで雨漏りもしなくなっただろう。


その後新築祝いに布団も貰えることになった、無茶苦茶柔らかくて、ふっかふかで、さわり心地が気持ちよかった。これは寝る時が楽しみだ。


二人とも同じ気持ちなのか、心此処にあらずだった。


それでも一応お礼は言えた。


別れの挨拶をすますと。布団を寝室に運ぶ、ふかふかだ、そのまま顔をうずめていたい。だが何とかそれにあらがって運び終える。


ちびっこたちも他の二人も帰ってきたら喜ぶだろうなー家が綺麗になって布団も新しくなって気持ちよく眠れるだろうなー。


あと、グラスの作り方も教わったし、お金も入ってくるようになるだろう。


「「「ただいまー」」」 


ちびっこが帰ってきた。


「「「うわー、綺麗になったねー何かあったの?」」」

「兄貴が直してくれたんだ、どうだ?すごいだろ?」

「「「すごーい」」」

「トイレも綺麗で使いやすくなったぞ!」

「ほんとだぁ」

「これで夜も怖くないね!」

「うん」


「あとは、なんとお祝いに布団をもらったんだ人数分!!」

「「「おおー、ふっかふかー!!」」」

「きもちいー」

「いいにおいー」

「これは、お姉ちゃんたちも喜ぶね!」

「そうだな、あいつらも喜ぶだろうな。なんてったってふかふかの布団だからな!」

「ねていい?」

「まだ、早いだろ」

「ええーねたーい」

「まだ早いから横になるだけにするんだぞ。」

「はーい」


靴を脱いで布団にもぐり始める3人。俺ももぐりてー。


「ただいまー」

「おかえり」

「なんか家がきれいになってねーか?」

「ああ、兄貴が来てくれて綺麗にしてくれたんだ。」

「兄貴って、ここにいた兄貴たちか?」

「いや今日いろいろ教えて貰えることになった兄貴だ。」

「そんなことしてくれる兄貴ができたのか?すげーじゃん」

「ああ、グラスの作り方まで教えて貰って、塩まで作れるようになったんだぜ。スゲーだろ?」

「そんなに!!?そんなの教えてくれる人いんのかよ?」

「ああ、それがいたんだよ、嬉しいことにな。」

「そんだけ聞いたんだ、金とられたんだろ?」

「ふふん、なんと無料だ!!」

「まじかよ、無料かよ!?スゲーなその人。」

「だろう、だからこそ我らが兄貴と呼ばせてもらったんだ。」

「そういう事かよ兄貴って・・・。なら納得だな。そしたら俺にとっても兄貴だな。」

「まあ、そうなるな。」

「兄貴また来ないかな?俺も早く会ってみたい。」

「まあ、また今度機会があればな、あと、布団もくれたぞ。」

「おいおい「布団くれたぞ」じゃないだろ、新品でこんな高級そうな布団どうしてくれたんだ?」

「新築祝いだっていってくれた。」

「建て直してもらって更にお祝いまでもらっちまってどうすんだよ、返し切れないぞ、そんなに恩をもらっても。」

「まあいいじゃねーか、貰えるもんは貰っとけっていうしな。」

「のんきだな、これだからギルは・・・。」

「なんだよ、お前だって嬉しーだろ?」

「まあ、嬉しいけどさ、それにしても貰いすぎかなって思うんだ・・・。」

「まあしょうがねーだろ貰っちまったもんは、大事に使わせてもらおうぜ。」

「おう、そうする」


ここでひと段落ついたのか、落ち着く。


「それにしてもちびっこ三人は遊んでんのか寝てんのか?」

「遊び疲れて寝ちまったみたいだな(笑)」

「折角の綺麗な布団だ汚さないように体拭いてから使ったほうが良さそうだな。」

「そうだな、こいつらも拭いてやるか。」

「サーシャは今日も遅いんだろ?あいつも布団は喜ぶだろーぜ。トイレも綺麗になってるしあいつが一番喜ぶだろーな。」

「ああ、そうだな」

「それより今日の晩飯どうする?・・・」

「それなら・・・・」


一日は過ぎ去っていく。


 

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