準備
誤字報告ありがとうございました。助かっています。これからもよろしくお願いします。
今日は、父と話をつけていた。父は善一、母は元子という、俺の兄弟3人を育てた立派な両親だ。病気の俺を再び大学に通わせてくれている、とても大切な両親だ。再びと言っても少し休んで、その間に病院に通ったのだがな、今は、神様のおかげで病気は治っている。俺の病気は統合失調症という。脳の病気だが、精神疾患として知られている。世に言う精神疾患は脳の病気がほとんどだ。なので幻聴や幻覚、妄想は本人が見たくて見ているわけではないのだ。うつ病もそうで、やる気が起きないのは、脳のせいなのだ、だから、身近にそういう人がいる人は、気遣ってあげて欲しい。っと、この話はこの辺でいいとして、病気が治ったことも両親には伝えた、すると大層喜んでくれた。
なぜ、治ったのかと疑問は尽きないようだが、何よりも喜んでくれた。そのことが、ことさら嬉しい。そうそう、今日は、旅行のために電話したんだった。一応20人から泊まれるか聞いてみる。大丈夫なようだ。安心だ。実際はもう少し増えるかも知れないとも、言っておいた。これで一安心だろう。爺ちゃんや婆ちゃんにはまだ、帰ることを伝えないで欲しいとも言っておいた。何せ、孫のためにと張り切るからな。それだけは避けなければならぬ。何としても。
それと、俺の病気は完治するのが難しい病気と言われている。そのため、凄く驚いていたのもある。まあ、気にしない気にしないと、開き直っているが、どこでぼろが出るかわからないからみんなには、俺との出会いはあまり話さないようにしてもらった。それでも、多少ぼろが出るかと思うが、そこは大目に見るとしよう。
地球から戻ってきて、今は、店でくつろいでいた。
「ねえねえ、結婚て日本語でどうやって言うの?」サーシャ
「それは、”結婚”て言うの。」詩織
「なにはなしてるんだ?」
「ひゃっ!なんでもない!!!」サーシャ
「なんだなんだ?へんな言葉教えるなよ、詩織?」
「はーい」詩織
「兄貴、北海道ってどんなところ?」ギル
「ああ、農業が盛んで、あと漁業も盛んで、のどかなところだよ。」
「へぇー、東京とは違うんだぁ」ギル
「うん、まあな、向こうは雪降ってるだろうから、みんな厚着するんだぞ?」
「雪?何それ?」ルッツ
「雨が凍って降ってくるんだ。それを”雪”っていうんだ。」
「へぇーー、面白そう。」ルッツ
「「「「「見たい見たい」」」」」ちびこ達
「綺麗だぞ、雪は。」
「あたしも見たい!」詩織
「「「「「俺も!(私も!)」」」」」子供たち
「ああ、見れるさ、きっと、皆がいい子にしてたら、あっちでは、もう降ってる頃合いだしな。」
「「「「「「いい子にする!」」」」」」子供たち
「私も!!」詩織
「詩織は、雪見たことないんだっけか?」
「はい!見たことないです!将軍!!」詩織
「我は将軍ではない、呼び方を改めよ。」
「ははーーっ、っていう事なんです。」詩織
「わかったわかった、東京生まれで、東京育ちなんだろ?見たことないのも珍しくないだろう、それなら。」
「はい!楽しみです!!」詩織
「とりあえず、そういう事でみんな準備しといてくれよ。じゃあ、解散!」
「「「「「「「はーい!」」」」」」」
カランカラン
「おう、拓郎!帰ってたか」ガルド
「はい、今しがた帰ってきたところです。」
「そうかそうか、物は相談なんだが、俺も異世界に連れてっちゃあくれねーか?」ガルド
「今度行くところは田舎町ですけど、いいですか?それとも、都会に行きたいですか?」
「ああ、田舎町でいいさ、俺はそれで十分だ。」ガルド
「わかりました」
「急なお願いだったが、いいのか?」ガルド
「いいんですよ、みんなで言ったほうがたのしいですから。あ、連絡してきますね。」
「おう、頼んだ!」ガルド
もう一度、電話しに行く。すぐに話はついた。
「大丈夫でしたよ。日本語、覚えてくださいね。」
「おう、ありがとな。覚える覚える!この歳で勉強たぁ、俺は思いもしなかったぜ。」ガルド
「ルッツの歌で覚えるといいですよ。」
「終わらない歌を歌おおう~♪」ルッツ
「おう、聞いたことあるぜ、くそったれの世界のため~♪」ガルド
「歌詞はこういう意味です。―――――――――――。」ルッツ
「ほう、ほう、いい歌だな、俺も孤児だったからな、世の中をくそったれだと思ったこともあった。でも、今はこうして生きている、何とも言えないが、感謝してるぜ、親や色々にな。俺も父親だしな。」
そういえば、そうだった、可愛い男の子がいたんだった。お祭りの時に初めて会った。いや、お祭りの準備の時のゴーレム研究のあたりで、一度会ってるはずだ。なんにしても、可愛く、怖いガルドさんに似ていない、そんな子だった。子供のころはみんな可愛いもんか・・・。今からは想像できないが、屈強な男になる可能性もあるんだよな。まあ、深追いはすまい。そういえば、あれから、このホーク工房では、ルエルがゴーレムのインストラクターのようなことをしている。他の女の子達も積極的に手伝っている。機体が子供でも手の届く値段になっているので皆薬草集めに駆り出されている。
そんな子供たちを護衛するために騎士団も動いていた。領主様のはからいがあってのことだった。こうなっては、親も、子供たちに稼がせようと、必死になっている家庭も多かった。何せ、親が働く金回りよりもよほどいい物を手にできるとあって、冒険者が次のなりたい仕事ナンバーワンになっている。それでも、農家の子や宿屋の子などなど、その仕事に誇りを持っている人たちは、片手間の仕事とみなしているようではあった。それでも、民が潤うのはいい事だった、それにより、経済効果が生まれて、ドンドン発展していっている。商人も多く通るようになり、物が多くなって行っているのである。
それで、たまの外食にとホーク工房に訪れる者も多くなった。今は、冒険者以外にもそんなお客さんが付きつつある。そのため、いつもより席数を多くして対応している。とても繁盛していた。そろそろ還元しないと経済が回らないと思い。騎士団に出資することにした。白金貨を10枚ほどだ。領主様も喜んでくださった。自分たちのために使わなくていいのかと聞いて下さり、そこで、お伝えした、私たちは満たされているので、他の人たちの幸福のために使ってほしいと、言って渡した。快く受け取ってくれた。良かったなどと、思いながらホーク工房に帰る。
俺の作った、鎧は騎士団に使うには、あまりにも他の需要を無視しすぎている。確かに、俺の鎧のほうが軽く丈夫なのだが、慣れもあり、鍛冶屋の経営にもかかわってきているために、そう簡単には、変えられないと思う。領主様もそれは望んでいない。剣などもよほどの腕がない限り鍛造には負ける。そのために、魔法は便利だが鍛冶師も大事であるという事だった。親方はその辺わかってるらしく、剣や武器の製造に注力していた。もちろん鎧も作ってはいるが、それは元からだろう。今は、剣や槍なんかを主に作っている。しかし、鎧も負けておらず、性能のいい物を作るようになってきていた。
そのため、この街には冒険者が、武器や防具を求めてやって来ていると言う訳だった。冒険者はよりよい物を求めて、そこに商人やなんかも混じっていい物を求めている。今日もそんな商人が武器や防具を買いあさっていった。うちは基本オーダーメイドなので、既製品はあまり売らないが、他の店はそうではないようなので、各種稼いでいるようだった。この街には何軒か鍛冶屋がある、そこそこで得意なものが違う、なので被らずにやっていけているのだろう、そんな中のホーク工房だ、うちの店は多くのものが新しいものなので他の店にはあまり被害は出ていないがこれからは色々と被ってくることもあるだろう。そこら辺がどうなのか親方に聞いとかないとな。
カランカラン
「邪魔するぞい。」親方
「いらっしゃいませ。」
「おお!親方じゃねーか、飲もう飲もう!!」ガルド
「おう、ガルドか!!良いな!飲もう!!」親方
「親方、ご注文はいかがいたしましょう?」
「儂も、ガルドと同じものを頼む!」親方
「かしこまりました。ビッグマ〇ととばですね。」
「おおー、おおー、待っておったぞ、これに限るわい。くぅーーー!!!!!効く!!!とばというのも美味しいのう。ガルドよ、異世界行は決まったのか?」親方
「おう!さっきな!!前祝だ俺の奢りだ、ジャンジャン飲んでくれ。」ガルド
「おおー!そうかそうか!それは気分がよい、いいのう!お代わり!!」親方
「どうぞ。」
「うむ、とばも進むのう。美味いわい。」親方
「っとと、そうでした、親方に聞きたいことがあるんでした。」
「なんじゃい?」親方
「はい、ええと、商売で商品が被ることがあった場合はどうしたら良いのかと思いまして。」
「なんじゃい、そんな事かい、好きにしたらいい、どっちもいい物を作ろうとしてんだ、それは構わねえさ、ただ値段はちゃんと取ってもらわねえと困るってもんさ。そこだけさな注意して欲しいのは。」親方
「はい、わかりました。きちんと値段を見直します。」
「かぁーーーー!!うまいのう!!こいつはたまらん!」親方
「あとはご自由にどうぞ、置いておきますので。」
「おう!!!」ガルド
「うむ!」親方
今日は、まだ始まったばかりだ(笑)。
唐突ですがナレーションはほとんど主役の声です。そしてちょっと低めで聞きやすい声です。(注意)
まあ、そんなこんなで、やっておりますのは、ホーク工房、人の出入りがせわしなく、入れ代わり立ち代わり、ひっきりなしに人が出入りしています。目当ては、主に食事、他にもお客さんはいますが、食事がおもでしょう。お客さん方は時間関係なくやってきます。昼過ぎのすいている時間帯にもお客さんはいます。引退した老人や、暇な冒険者もいます。そういう人はたいてい自分の好きな物がありそれを肴に飲んでいることが多いですね。ガルドさんみたいにとばを頼む人は珍しいですが、それでも愛好家たちは一定数います。
そんなホーク工房ですが、メニューにも広がりを見せています。主に日替わり定食ですが、それが増えています。みんなのレパートリーが増えたためですね。そうして、メニューに広がりを見せているホーク工房ですが、最近新たな依頼というかなんというか・・・・、そういったものが舞い込んできました。俺は、何かいいものはないかと考えて、はたと思いつきました。そうだ!即席麺を作ろう。っと。早速やっていきましょう。
まずは麺を作る。小麦粉を大量に用意して、店の一角を綺麗にしてテーブルを作り麺を打つ。観客が集まってきた。女の子達も不思議そうに見ている。そこで、麺を魔法でうちちぢれさせていく。それに鶏がらスープと醤油味をしみこませて醤油ラーメンの味にする。それを油で揚げていく。麺は野営用の鍋に入る大きさだ。いや、工程は反対だな。揚げてから醤油ラーメンの味に浸して完成だ。ちなみに、濃縮したラーメンスープに浸した。見ていた面々がお腹を空かせている、なので早速作って見せることにした。
鍋にお湯を張って、そこに麺を投入して卵を落とす。火が通ったら半熟のままどんぶりに盛り付ける。卵を真ん中に乗せて出来上がりだ。スープもいい感じに出ていて、これなら大丈夫だと確信した。匂いもいい匂いだ。とりあえず見守っていたお客さんに出す。
「うめぇ・・・。ちゅる。ふうふう、ちゅるちゅる。」冒険者
「そこはもっとずるずるっと行ったほうが美味しいですよ。こんなふうにずぞぉーーって感じに豪快に行くといいですよ。」
「んんか下品じゃないか?」冒険者
「そんな上品ぶって食べるもんでもないでしょう?」
「「「だな!」」」冒険者達
「じゃあ、どんどん作りますんで食べてって下さい。」
「「「おう!!」」」冒険者達
「どうぞ。」
「うぉーー!!うめぇーー!!ずぞーーー!!卵を絡めるとマイルドになってさらにうめぇ。」冒険者2
「出汁が効いてて美味しいですね。いくらでも入りそうです。」魔導士
「ふぅ!!足りねえ!!お代わり!!」戦士
「はいお待ちっ」
「おう!うめぇ・・・。」戦士
「じゃあ、サーシャ達も食べちゃってくれ。」
「「「「「はーい」」」」」五人娘
「ジークもな!」
「はーい!!」ジーク
「それじゃあ、召し上がれ。」
「「「「「「いただきまーす。」」」」」」
「お、美味しい。」サーシャ
「ずず、ほんとだ。美味しい!」ルエル
「さっぱりしていて美味しいです。」ナタリー
「美味しいです。スープが美味しい・・・麺と絡んでいい感じ。ほっ」シエル
「わぁ、ほんとだいい香り、美味しい。」アイル
「いい匂いだ、美味しい。」ジーク
「みんな味わってくれたみたいだな、卵も割って一緒に食べてくれていいぞ。アイルさんもどうぞ。」
「「「「「「はーい」」」」」」
「お!また変わった!!」ジーク
「あ、美味しい。」サーシャ
「黄身が濃厚でマイルド!!」ルエル
「ほんとです、美味しい」ナタリー
「一味違う。」シエル
「大人の味ね」アイル
「良かった、好評のようで安心しました。これで、新しい保存食は決まりですね」
「「「「「おう!!」」」」」
それに大きさだが、一つが2センチくらいの円盤形で沢山入る袋を用意した。ゴムの柔らかい大きめの袋だ。全部で20食入る。巾着袋になっていて口が綺麗に締まる。これで漏れはないだろう、それに雨が入ったりもしないはずだ。それを鞄の外にぶら下げられるようにした。これまた機能的だ。ゴムなのである程度固さがあり中身がつぶれず麺が壊れない仕組みになっている。そしてドラム缶型の側面が蛇腹になっており中身が減ったら小さくなる機能付きだ。これはナイスアイディアだった。物がかさばるのでなかなかの機能だった。
とりあえずそこにいる冒険者に売っていく。それでも旅の予定のある連中ばかりだった。どんどん買って行く。味を確かめたもの達は皆揃って買って行くのだった。即席ラーメンは銅貨3枚にした。それでも皆買って行く。売れに売れて、最初に作った分はみな完売した。安さもあって皆買いだめしている。これなら小腹が空いたときにちょうど良い、水を沸かしそこに麺を入れるだけ、そのあと3分待って出来上がりだ。ネギなんかを入れてもよい。乾燥メンマも一緒に売った。貿易で買った、メンマをそのまま水分を抜いて出来上がりだ。
これも出来たそばから売れていった。試食にも入れてやったのでそれでだと思う。最初は入れてなかったので子供たちがメンマだけを食べている。
「美味しい。塩気と辛みがいい感じ。」サーシャ
「ほんとだ、なんか食欲をそそる香りがしてる。」ルエル
「ゴマ油だな。」
「ゴマ油ですか?すごく美味しいです。」ナタリー
「ほんとですね美味しい。」シエル
「不思議な食感、好き。」アイル
「この麺に合う!!絶対合う!!俺の勘がそう言ってる!!!」ジーク
「トッピングだからな、酒飲みにも人気だけどな。」
「おうおう!!俺達にもくれ!!」ガルド
「はいどうぞ、銅貨1枚です。」
「おう!ほら!!味見味見!!おお!塩気がいいなぁ!!美味いぜ!!!酒に合う!」ガルド
「どれどれ、うむ、美味い!!」親方
「まいどあり。」
これはのちに大ブレイクする即席ラーメンの始まりであった。すでに大盛況ではあるが、更に広まりを見せていくことになる。そんなラーメンをこんな日常に開発し売り出していたのである。拓郎はまた一つ世界を広げた。ラーメン袋も売れて大盛況である。ジークもこの作り方を勉強している。ルッツも天才だが、ジークやダルもまた天才であった。子供たちはそれぞれに才能があった。まだ把握していないものもあるが皆多才であった。
女の子たちは、ファッションや散髪の腕、食事を作るのも上手かった。本当はマリオが料理も上手いのだが今は冒険者をやりたいと言われている。それでもたまにご飯を作る準備を手伝って修行している。その腕前は一級品だ。そしてルッツの歌。ガイの絵、子供たちの魔法の才能もある。皆が皆、才能にあふれている。そんな子供たちを面倒見ている俺としては鼻が高い。最も俺はあまり何もしていないのだがな。
またそんなことを言っているが、拓郎の影響がないわけではない。少なからずある、そして大いにある。それに気づかない俺であった。
「このメンマとかいうのやっぱり合うな!!麺もうめぇ!ずるずる!!ぷはーーっ!うめぇ!!」冒険者
「さすがだ、タクロー美味い!」ガイル
「ガイルさん来てたんですか!試食はタダですのでどうぞどうぞ!」
こうして、順調に人の心を惹きつけていく拓郎であった。
「タクローまたこの位の値段にしたのか?!いい加減にしねーと、商業ギルドに怒られっぞ?」ガイル
「ベンノさんには一応許可貰ってますんで、大丈夫でしょう?」
「そうか、ならいいが、冒険者はもっと金持ってるぞ?いいのか?取らなくて?」ガイル
「いいんですいいんです!そのうち皆さんが作ってくれるようになるのを待ちますんで・・・。」
「そうか、なら楽しみにしてるさ。ありがとな。俺らのこと考えてくれて・・・・。」ガイル
「いえいえ、好きでやってることなんで・・・。」
「ありがとな・・・。」
「どういたしまして。」
「あ!!俺もダンジョンで稼いでくるぜ!!袋いっぱい頼むぜ!!ラーメンとか言ったか、美味かった、頼む!!」
「はい、かしこまりました。」
「代金な!!」
「はい、確かに・・・。」
「あと、メンマと特製干し肉とビーフシチュー頼む!!」
「はいはい、しめて――――になります。」
「ああ、ほいっ!おつり頼む!」
「はい、こちらですね、どうぞお受け取り下さい。」
「おう!じゃあ、ひとっぱたらきしてくるぜ。ごちそうさん!」
「行ってらっしゃい。」
「おう!!」
カランカラン
嵐のように去っていった(笑)。まあ、いつも通りだったが・・・・。それにしても、いつも通り沢山買って行ってくれたな。それからは、ラーメンを売りつつ、帰ってきたルッツに新しい曲を教えたりした。と言っても、最近見つけた、貿易産のCDがありそれをラジカセを作り聞いてもらっている。今は中島みゆ〇の糸を聞いている。店でかけ流しているのだ。それも何度も。それでも客は文句を言わない。聞きなれない曲を聞きたいと思っているのだろうと思われる。いい歌だからな。中島み〇きの糸は結構人気があるような気がする。気のせいかもしれないが、まあ、いいだろう。ルッツなんかはみゆきさんと呼んでいる。
ずいぶん慕っているなと思えば、他の曲も聞いていた。俺が翻訳してあげる前に、覚えてしまった。早い、何より早すぎる。
「このボタンが再生な、こっちが次の曲、そして、これが前の曲、リピートはこのボタンな。」
「はーい」ルッツ
「「「なにそれ」」」ちびこ
「音楽を聴くものだよ。一曲かけてやってくれ。」
「はーい、これにしよ。」ルッツ
風の中の昴~♪砂の中の銀河~♪
「おっ、この曲か・・・・。いいねぇ。」
ちびこ達が曲を聞きながら踊っている。例によって、回る踊りなのだが、何度見ても可愛い。うちの子たちはプリティだな。回るのに夢中で曲はあまり聞いていないが・・・・。いや、聞いていたようだ。涙を流していた。いい曲だもんな。静かに涙を流していた。一瞬悲しいのかと思ったが、俺もこの曲を聞いて涙を流したことがある。その時は、おのずから涙があふれてきて嬉しいような、温かいような、そんな気がしてただただ涙を流したのを覚えている。
「悲しいのかい?」
「うううん、そんなことなくて、なんか、うれしいかんじ。」カイル
「そうそう、あったかい。」ジンク
「ぽわぽわする。」ルル
「そうかそうか、それは良かった。いい曲だろ?」
「「「「「うん!」」」」」ちびこ達
「いい曲だね!」サーシャ
「心にしみる・・。」ルエル
「ほんと、いい曲です・・・。」ナタリー
「好き・・・・。」シエル
「良いわ。」アイル
「良かったです。喜んでもらえて。」
それからは客がリクエストするという事が定着した。ルッツも楽しそうだ。おひねりもいっぱい貰っている。また腕が上がったと思う。何せ、何百人もの前で歌ったのだ。上達してしかるべきことのように思う。今日も冒険者達はノリノリでご飯を食べている。最近では高ランクの冒険者が多く、稼ぎが安定しているので酒場でだべっているものも多い。そんな客たちがリクエストするので結構いい曲が出る。まあ、どれも名曲なのは間違いない。そんなこんなで楽しく食事やおやつを食べている。最近ではシュークリームやプリンなども出している。
シュークリームは銅貨3枚でプリンは銅貨2枚だ。結構高いがそれでも売れる。日本円で2・3000円は高いだろう。2万3千えんではない。2・3千円だ。わかってもらえただろうか、それでもみんな稼ぐようになったので最近では親子連れでやってくるものも多い。
「クリームがついてるわよ。もう、上手に食べれるでしょ。お兄ちゃんなんだから。」お母さん
「はーい、美味しいから母さんも早く食べてよ!」子供
「はいはい、はむ、あら美味しい!!お父さんには内緒よ?」お母さん
「はーい、分ってるって!任せといて!」子供
「ハー、美味しい、もったいない、これが最後の一口・・・。」お母さん
「紅茶お代わり!!」子供
「私もお願い。」お母さん
「はーい!」子供
「ふーーー、パクッ、ハァー、幸せ―!!」お母さん
「お母さんプリンも食べよう?」子供
「良いわね、食べましょう。何かしら?プルンプルンしてるけど・・・。美味しいのかしら。はむっ。美味しい!!こんなお菓子食べたことないわ!!?くちどけがあっさりしていて、それでいて濃厚、下の黒いのが甘くて苦くて美味しい。食感が素晴らしいわ。美味しい!!。」お母さん
「美味しかったね、お母さん!!また来ようね!!」子供
「そうね、また来ましょう、薬草拾い頑張ってね?」お母さん
「うん!!」子供
「ありがとうございましたーー!」
「「「「「ありがとうございましたーー!」」」」」五人娘
こうしてお昼過ぎのおやつの時間帯は過ぎていった。さあさあ晩飯のオムライスの時間だ。たっぷりのデミグラスソースにトゥルトゥルの卵、そしてバターライス。さあ召し上がれ。沢山の冒険者がやってくる。そこに、衛兵、大工、商人、冒険者ギルドの受付嬢、などなど、色んな人たちが訪れていた。皆が皆たまの贅沢をしに来ている。そして全員が幸せそうにしている。たまに悩みごとのある顔をしている人もいるが、食べると、そんな事も忘れてしまうようだった。
そういえば、薬草の規格が決められ大きさが限定されるようになったと言っていた。最近では取る人が多いためにそういう事が決まったらしいのだ。余談だが、お伝えしておこうと思う。
さてさて、夜ご飯も終わり酒場に移行したところで、皆には、先にお風呂に入ってもらう。シエルやアイルさんも入っていった。仕事終わりのお風呂は気持ちいいだろう。オムライスをお土産に帰っていった。俺は客をあしらいながら片づけをする。そうして皆が上がってきたら、アイスを出してお世話する。そろそろ終わりですよーと声をかけて閉店準備をする。今日も色々あったな、と思いながら閉店した。最近では、部屋数を増やして、一人部屋を沢山作った。それでも満室近くなった。冒険者が9割、商人が1割といったところだった。それでも、繁盛しているので何も言う事はない。
閉店して、冒険者を二階に押し込み、俺は一人お風呂に入っていた。服を脱ぎ、体を石鹸で洗い流す。さっぱりした後、風呂に静かに浸かる。冒険者もいたのでしゃべりながら入る。こんな機会もなければ深く話す事もないので色々と話をした。冒険で困る事や欲しいものなど、色々聞いた。参考になる。だがその話も終わりを告げる。子供たちが風呂に呼びに来たのだ。そろそろ勉強を教えて欲しいとギルが呼びに来た。はいはいと、呼ばれるままに行った。冒険者にはお先にと言って上がる。タオルを洗濯して乾かす。そして3階へと上がっていった。ちなみに階段はコンクリートのようにすべすべした石材のようなもので出来ている。
上がると、ロイがロボットをやっていた。体にちびこを張り付かせて、ガッシャンガッシャンと動き回っていた。身体強化の為せる技である。俺が来た途端に俺に張り付いてきた。
「ああー、勉強するんじゃなかったのか?」
「「「「「するー!!」」」」」ちびこ達
「ほらほら、じゃあやるぞ?」
「「「「「はーい」」」」」ちびこ達
そうして夜は更けていった。




