昼飯
というわけで昼休憩、酒場で食事もとれるらしい、昨日もここで晩飯おごってもらったからな。でもやはりというかなんというか、異世界の飯はあまり美味しくなかった。塩分は控えめで薄味だったし、胡椒もすこししか使われていなかったので、もう少しあればなと思っていた所だった。なので今日の昼飯は貿易を使う事にする。なんといってもあっちの飯は美味いからな、何をたべようか・・・。やっぱりサンドイッチでいいか。という事でサンドイッチを出す。うん、美味いなやっぱり。
「おう、美味そうな物食べてんなー」
昨日のサンドイッチを分けてあげた人がそこにいた。なぜかニコニコしている。
「俺にも分けてくれよ?」
「金はあるのか?」
「おう、銅貨5枚でどうだ?」
「まあ、いいか、ほらよ」
「おう、やったぜ、これがうまくて、他の飯が味気なく感じちまってどう仕様もねーんだ」
「そうか、それはおれもだったんだ」
そう言って飯を食べ始める
「やっぱりうめぇーな!ほかのもんが食べれないぜ」
「だな、美味い、しっとり柔らかいパンもマヨネーズにたまごも美味い」
「これマヨネーズっていうのか!うめぇ!これならたくさん食べれるぜ!」
だが食べたりないのでホットドックも出す。マスタードがきいてて美味い。ケチャップもいい味してるぜ、ウィンナーとも相性抜群だな。
「お、おいそれおれにも分けてくれよ」
「銅貨5枚だぞ?」
「払うぜそのくらい、それも美味そうだな」
「ほれ」
「お、おう、これも違う味でうめぇー!!!なんだこれは、いままでありそうでなかったこの味!!」
「ホットドックは簡単だからな」
「ホットドックっていうのか気に入ったぜ、名前も味もな。それにしても、お前さんの出す料理はどれも美味ぇな」
「それは、何よりだ」
「昨日の夜に何やら美味い酒を出したらしいじゃねえか」
「もうそんな噂がでまわってるんだな、早いな(笑)」
「おう、俺らの情報網舐めて貰っちゃ困るぜ。ギルドマスターが奢ってくれたって噂でもちきりだったんだからよ。ただ高くてそんなに沢山は飲めなかったって、その場にいたやつらがぼやいてたぜ。」
「そんなことになってたんだな、それはさすがに予想外だ。」
そんなことになっていたとは、自分の知らないところで随分と噂が広まっていたようだ。今日の歓迎会も噂になりそうだな・・・。まあ目立っても大丈夫だろう。目立つといえば胡椒と塩も売ったら目立つだろうなあ。まあそこらへんはなんとかなるでしょ。
「銀貨1枚ポンと払えるなんて冒険者はもうかってんだなあ」
「それは、人によるな、でも薬草の依頼だけでも結構稼げるぞ。」
「それは今日仕事をしていて思った、結構稼げるなと」
「その代わり危険がつきものだけどな。」
「それはそうなんだろうが、ちょっと戦えるならそのほうが稼げるじゃないか。」
「そうなんだがな、それで何人もいなくなったのを見てるから、何ともいえないぜ。」
「そうか、気を付けたほうがいいな、俺も。」
「おう気をつけな!」
「飯も食ったしそろそろ仕事に戻る。」
「おう!また美味いメシ食わせてくれよな!」
「また機会があればな。」
飯を食べ終わって仕事に戻るために受付に向かう。ちょうど受付の女の人が休憩に入るところのようだ。目が合い話しかけられる。
「もういいの?」
「はい、食べ終わりました。」
「そう、おいしそうだったわね、ガイルだけ食べていてうらやましかったもの」
「今日の歓迎会を楽しみにしていてください。」
「ええ、そうするわ。食べたいけれど夜に取っておくわ」
「そうしてください、珍しいもの出しますから。」
話は変わるが、貿易で頼んだ食べ物は出来立てのあっつあつで出てくる。前世であったように冷めてるというようなことはない。揚げ物でもなんでも出来立てが食べられるのだ。
昼休憩に入って行ったようだ。夜食べるメニューを考えなくちゃならない。
まあその時考えればいいか。
仕事に戻ると、朝出ていった冒険者が多く帰ってきていた。冒険者で思い出したが、回復薬も作れるようになっといたほうが何かと便利になるのではないかと思っていたのだった。自分で薬草を採取して調合して売れるようになれば稼げるだろう。こちらの世界に来てからなんだか金の心配ばかりしている気がする。帰ってきた冒険者はゴブリンの討伐やら薬草採取やらオーク討伐やらだったようだ。討伐証明部位は耳のようで切り取られた耳が入っていた。現代からきた俺には少しグロすぎたようだ、気分が悪くなった。それでも仕事を続け夜になった。
じっと客が来るのを待っていると、ギルドマスターが下りてきた。
「おう、うまくやってるようだな?」
「はい、何とかやってます。」
「今日歓迎会があるのは聞いたか?俺の奢りでやるんだが準備なんかをお願いしようと思ってな」
「あ、はい、聞いてます。」
「そうか、なら話は早いな、ギルドの仕事が終わったあとここの酒場でやるんだ。」
「ここの酒場でやるんですねわかりました。」
「おう頼んだぞ、もう仕事は上がっていいから準備してくれよな。予算は銀貨30枚で30人分のメシだな豪華なのを頼むぞ、後酒は酒場で出すからな。」
「そんなに豪華なのですか?あったかな・・・。とりあえずオードブルを人数分とオレンジジュースとブドウジュースでいいかな。あとは適当にお惣菜を買ってっと。」
これで準備OKだ。後は盛り付ける皿をもらってきて盛りかえる。皿は使えそうにないからな、大皿をもらって盛りかえた。そのままアイテムボックスに入れて冷めないようにする。準備は万端だ。
仕事の終わった職員がぞろぞろと集まってくる。そして並んだ席に座っていく。ギルドマスターは誕生日席だ。集まったところで料理を出す。オードブルにローストビーフを並べてジュースを2人でひとつづつくらいになるように並べていく。並べ終わったのでギルドマスターを見る。まだ見ぬ料理たちに目を輝かせていたがこちらに気づきうなずく。
「じゃあ歓迎会を始める、くいっぱぐれないように気をつけろよ。」
そう言って食い始める、みんなもそれに続く。オードブルはフライドポテトにから揚げエビチリに春巻き、それにポテトサラダだ。だし巻き卵も入っている。多めに出しているので足りるだろう。みんな夢中で食べている、無言で食べているのが何とも言えないがすごい勢いだ。しばらくすると、
「ちょっとそれ私食べてないんだけど!!」
「そればっかり食べすぎよ!」
などと聞こえてくる。男は気に入ったものばかり食べていて、女の人は食べるスピードが遅いのか、全種類食べきる前に男どもが食べてしまったようだ。場所によって減りが違うようで隣の席からもらって何とか解決しているようだった。
「これもおいしいわね、これも、全部おいしいわ!」
「飲み物もおいしいわよ。」
「ほんとだうめぇ。」
「俺は紫のが好みだ。」
「俺は黄色の方かな。」
色々な話で盛り上がっているようだ。ただ、これではあまり歓迎されているのかわからないが(苦笑)。
「これは全部新人が出してくれた料理だ感謝しろよ!王都でも食えねえものばっかだ、異世界の料理だからな!」
「おおうそりゃスゲーや、ありがたいぜ」
「おー、ありがとう美味かったぜ」
「ありがとうございます、おいしかったです。」
などなどいろいろな人から声をかけられた。おいしかったようで何よりだ。今日は大成功だな。景気づけにお酒も出しちゃおうか。瓶のチューハイをメインに出していく。
「お酒もお出しします。どうぞゆっくり飲んでください。」
「おおー、昨日とは違う酒だな良し来たっ!」
「飲みすぎないように気を付けてくださいね。」
「おう、まかせろ!」
全然任せられない返事が返ってきた(笑)。
そのまま宴会は夜まで続いた。
解体担当の話を聞いたり、クエスト受注担当の人の苦労話を聞いたり、色々な人の話を聞いた。
ギルドマスターは結構人気があるようで、信頼も厚く頼れる存在らしい。
ただ酒には目がないらしくいろんな酒を各地から集めているらしかった。
そういうわけでいろいろ終わり先に帰してもらった。部屋でゆっくりしている。この際だから布団を買ってしまおうという事でポチッとな。ベットに布団を敷く。はぁー柔らかいぜ。それに気持ちがいい。眠たくなってきた、残りの魔力を貿易で換金してっと。どうやら、眠って起きると、魔力が回復しているらしいので、寝る前に残りの魔力を換金しているわけだ。お金から魔力に戻せるかも試してみたら、どうやらできるらしい。変換率は十分の一だ。逆だと十倍なのだが、これで魔力を保存できるようになったので重宝しそうだ。物にも還元できそうだった、ミスリルとかアダマンタイトとかファンタジー素材にも還元できそうだったので後で役に立つだろう。物を交換するだけで貿易できてもうけが出てくるので、商人としてもやっていけそうだ。それでも相場は覚えないとならないだろうけど。
夢は広がっていくな。
おし寝よう。
おやすみなさーい。