報告
おはようございます。昨日は詩織たちの一行と一緒に寝て今に至る。皆寝つきは良かったようだった、今も寝ている、俺はご飯支度だ。いつも通り早く起きてしまった。まあ、いいだろう、これも俺の役目だ。今日は何にしようか、味噌汁は決定だな。あとは、何がいいかな、明太子おにぎりに漬物、卵焼きだな。おし、作ろう、まず米といで浸して、その間に味噌汁だ。豆腐とわかめだな、あとネギ、豆腐を刻む。そして湯が沸いたら、ワカメ、豆腐、ネギを入れて味噌をとく、出来上がりだ。あと漬物切ってと。ここからご飯を炊く。水に浸していたのでちょうどいい具合になっているはずだ。はじめちょろちょろ中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな、で出来上がりだ。10人居るので一人3個づつおにぎりを作る。最近では人口甘味料なんかが入ってる明太子が多い、だが、貿易はそういうのが入っていない、純粋な物ばかりだった。これは良いと思い、思いっきり使いまくっている。そのあと、卵焼きも焼いた。
味噌汁の味噌をといたあたりで皆もぞもぞし始めていた。先に起きてきたのはマーリン爺さんとワーウルフのゲイツだった。そこからは、順番に起きてきた。ご飯が出来た頃に皆揃った。爺さんとゲイツは作ってるのを黙ってみていた。なんか緊張する拓郎であった。
テーブルの席を増設して、皆が座れるようにする。相席だ。まあ、みんな慣れてるだろう。
みんなに自分の分を取りに来てもらう、そして席に着く。
「さあ、じゃあ、いただきます。」
「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」
「うめぇ!」ゲイツ
「美味しいです!」ヨハン
「これは詩織様に勝るとも劣らない出来!おいしい!」アンナ
「ほんとだ、美味しい、ほっとする。」詩織
「相変わらず美味いな」グラン
皆にはスプーンを用意している。詩織には箸だ。
「うめぇ!」ロラン
「うむ、朝には、これがいいのう」マーリン
「そうですね、味噌汁が美味しいです。」サラ
「最高だな。美味い!」ガイル
「ふぅ、さて今日はどうしましょうか、ボスは倒さずに行くんですよね?」
「そうだな、しかし、倒していくのもありかも知れんな」グラン
「いいんですか?」
「おう、まあ、モンスター倒しても害にはならないって言ってたしな、それに、どんな魔物が出るか、どのくらいの強さか知ってたほうが報告もしやすいだろう。」グラン
「それは、そうですね。じゃあ、倒しましょう、ゴーレム興味あります。」
「なんだ?珍しいな。」グラン
「研究したいんです。魔法陣とか魔法回路とかを。」
「そうか、倒したら、存分に調べるといいだろう。じゃあ、食ったら行くか。」
「賛成です。魔法で片づけてしまっていいですか?サンダーボルトを胸に当てて一発で終わらせます、あまり傷を付けたくないので、いいですか?」
「ひと当てして見てからな?俺らが、剣を交えてから合図するからその時頼む。できるだけ傷はつけないから」グラン
「いいですよ、待ちます。早めにお願いしますね?」
「おう、わかってる、俺も早く帰りたいからな。」
言いながら、おにぎりを食べている。まあ、あとは食い終わってからでいいか・・・・・・。
「ごちそうさまでした」
「「「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」」」
「あ、トイレは、そこの角の建物ですから、もしよかったら使ってください。」
「うわ!!スライムがいる!!?なんで!!」詩織
「スライムが浄化してくれるので、においや汚れを出さないんです。便利ですよ?」
「そ、そう、森で取ってこようかな、ダンジョンマスタールームにもトイレあるし、」詩織
「快適になりますよ、トイレットペーパーもありますしね。」
「ほんとだ!!トイレットペーパーだ、これでお尻が痛くならなくて済む!!」詩織
「ははは、ですよね。現代日本から来たら、そうなりますよね。あ!温水便座作ろうかな」
「ぜひ!!お願い!!お尻のためにお願い!!」詩織
「いいですよ、じゃあ、ちょっと試作を、・・・・・・。魔石を用意して、便座を作って・・・・・・。魔法回路を付けて・・・・・・・・・。魔石をはめて出来上がりかな。」
「すごい!!ウォシュレッ〇だ!凄い凄い!!使ってみていい?」詩織
「はい、いいですよ、気を付けてくださいね今、取り付けますから。」
「はーい」詩織
「できました。どうぞ、ボタンに魔力を流してくださいね」
「はーい、わかった」詩織
「じゃあ、そろそろ準備しますか。」
「「「おう」」」
「はい」サラ
「うむ」マーリン
鎧を着ていく。まずは足袋をはいて、留める。そしてズボン型の鎧を履いて、アーマーを付ける、腕の装備を付けて、手甲付きのグローブをはめる。あとは鎧兜をしてっと、面を付けて完成だ。
「すごかった(照れ)」詩織
「良かったです」
「その鎧武者もすごいね、凄い再現度。カッコいい。」詩織
「このかっこよさをわかってくれるとは、さてはオタクだな?」
「ち、違うし!そんなことは・・・・ない。いえ、正直に言えば、オタクです・・・・。(ショボーン)」詩織
「別にいいじゃん、オタクだって。気にしないよ、俺も軽くオタクだったし。」
「拓郎さん・・・・。」詩織
「オタクってなんだ?」グラン
「物事に詳しい人のことですね、分野に分かれますが。」
「へー、じゃあ剣術オタクとかってことか?」グラン
「ええ、そういう使い方ですね。」
「詩織は何のオタクだったんだ?」グラン
「多分、異世界とかに行く物語や小説のオタクでしょう。」
「そんなのがあるんだな。異世界はわからんな。迷い人が多いのか?」グラン
「実際より多く描かれてますね」
「ほー、面白いな!」グラン
「結構流行ってましたからね。」
「なんだ、流行ってるのか!?そりゃあすげーな。」グラン
「異世界に行くのを夢見てる人が結構いましたからね。」
「すげー世界だなそりゃ。」グラン
「まあ、俺も詩織さんもその中の一人ってことですね。」
「なんだ、夢見てたのか?」グラン
「ええ、まあ、ファンタジーの世界なのでね。」
「ファンタジーってなんだ?」グラン
「異世界、の魔法やなんかを総称してそう呼んでました。」
「へー!ってことは、前の世界は魔法はなかったんだな?」グラン
「ええ、ありませんでした、」
「不思議な世界だな、タクロー達のいた世界は。」グラン
「ええ、まあ、そろそろ行きますか?」
「「「おう」」」
「はい」サラ
「うむ」マーリン
部屋を片付けて、出る準備をした。詩織たちも準備はいいようだった。一緒にボスの間にやってきた。どうやら一緒に入って戦ってる様子を見たいらしい。邪魔にはならなそうなのでオーケーを出す。部屋に入って扉を閉める。陣形は決めてある。前にロランとグラン、その後ろにガイルそしてその後ろにマーリン、サラ、俺の順番に並んでいた。軽く離れて並ぶ、範囲攻撃があった場合危ないからだ。そのまま、グランとロランが接近していく。間合いに入ると動きだした。その動きは素早い。グランに狙いを付けたようだった。接近し、槍を振りかぶる、そして横なぎにふった。それを盾で受け止め、剣を繰り出す。素早く引いた槍で受け止めた。そこに横合いから、ロランが短剣を突き刺す。すんでのところでかわし、身をひるがえす。そして構えなおした。構えにスキはない。
その構えにスキがないと見るや、二人は身体強化を使い攻め立てる。そうすると、本気の二人にはかなわないのか、ゴーレムが劣勢になる。そしてついに、コアに一撃を入れた。ただ、当てるだけの一撃だったようで、停止はしない。そこで合図が来る。
一気に魔力を放出する。
一条の光がゴーレムの胸に突き刺さった。
それで、機能を停止したゴーレムはガシャンと倒れた。
まだ、空中に電気が漂っていた。
かなり強力な魔法のようだった。
手加減を間違っているがしょうがない。
慣れないので、どのくらいがいいかはわからなかったのだった。
仰向けに倒れているゴーレムに寄って行き、コアを取り出す。これで動かないだろう。一応念のためだ。ゴーレムの身体に走る魔法回路に目を通す、鑑定も使い意味を調べていく。これはすごい物を手に入れたな。持ち帰ろう。これは有用だな、帰って研究しよう。という事で、アイテムボックスにしまい込む。詩織たちに終わったと伝えると、詩織は目をキラキラさせていて、他の三人は呆然とした様子だった。こうも簡単に仕留められるとは思ってなかったようだった。
「凄いですね、あの魔法は、凄すぎます。威力もさることながら、かっこよかったです。」アンナ
「そうそう、今度教えて!!」詩織
「姐さんの眷属をああも簡単に倒しちまうなんて、凄すぎるぜ。」ゲイツ
「さすがですね」ヨハン
「じゃあ、上りましょうか」
「転移陣で送りますよ?」詩織
「いいんですか?お願いします」
「集まってください、こっちです。」詩織
地面に魔法陣が浮かび光る、とっさに鑑定を使い解析する。ふむ、これなら再現できそうだな。
「どうしたんです?こっちにもう少し来て下さい」詩織
「ああ、ちょっと解析しててね、今乗るよ。」
「じゃあ、行きますね、はいっと」詩織
フッ
気づいたらダンジョンの入り口に立っていた。目の前にはギル達の後ろ姿がある。帰って来たんだと思うと感慨深い。ギル達が、後ろを振り向きびっくりしている。
「お、お帰り!兄貴!!」ギル
そう言ってみんな走ってきた。そのまま飛び込んでくる。身体強化し受け止める。
頭をなでてやる。
満足したようで、離れていった。
「兄貴、この人たちは?」ギル
「ああ、ダンジョンマスターとその眷属の人たちだ。この人がマスターで詩織さん」
紹介してると、みんな集まってきた。どうやら外で見張りをしていたようだった。バーバラも来た。
「初めまして、詩織です。こっちが眷属のアンナ、ゲイツ、ヨハンです。よろしくお願いします。」詩織
「俺は兄貴の弟のギルだ。よろしく。」
「弟のザシャです。よろしくお願いします。」
「ダルです。」
「サージです。」
「ガル」
「ロックだ、です。」
「ダリだ、です。」
「マリオです。」
「ガイです。」
「ルッツです。」
「ロイです。」
「私はバーバラ、冒険者よ。」
「ていう事で、帰ろうか。」
そのまま、歩いて帰り始める、と、その前にみんなは荷物をまとめる。俺も鍋なんかを片づける。みんなちゃんと飯作って食べたようだった。荷物をまとめ終わり、みんなで町に向かう。
「ねえ、あの家いいね、すんでいい?」詩織
「いいけどなんもないぞ?」
「やったー!トイレ付物件ゲット!!」詩織
「そういえば、眷属は、どのくらい戦えるんだ?」
「オークは楽勝だよ。」詩織
「そうか、じゃあ、オーガは?」
「オーガも余裕はあるね。」詩織
「じゃあ結構強いんだね、安心だ。」
「兄貴のほうが強いよ!!」ギル
「戦ってるところ見たことないだろ?」
「絶対強いもん、俺自信ある!いろんな魔法が使えて身体強化も得意だから絶対強い!!」ギル
「君の言う通りすごく強かったよ、ボスも一撃だったしね」詩織
「だろ?兄貴は強いんだ!!」ギル
「見たかったなぁ」ザシャ
「また今度な?」
「絶対だからね?」ザシャ
「お、おう、珍しいな(笑)」
「どんな攻撃したか興味あるし」ザシャ
「そうか、みんなは飯上手く作れたか?」
「うん!」ギル
「みんな手際が良くてびっくりしたわ。さすがタクロー君の弟たちだね、とても美味しかったわ。」バーバラ
「それは良かった、教えた甲斐がありますね。」
「それに、オークも簡単に倒せるしびっくりしたわ。かなり優秀ね。」バーバラ
「だいぶ鍛えましたからね。そのくらいは余裕がありますよ。」
「私も戦い方を教えて貰おうかしら。」バーバラ
「冒険者相手には少し気が引けますよ。」
「強そうなのに、さっきも、詩織さんが強かったって言ってたし、私も鍛えてもらいたいわ。」バーバラ
「暇があれば、教えますよ、できる限りですが。」
「それでいいわ、楽しみね。まだランクを上げられそうね。」バーバラ
「(笑)、そこまでかわかりませんよ?」
「いいえ、自信があるわ。私の目に狂いはないから。」バーバラ
「はははは。まあ、とりあえず帰りましょう。」
「言われなくても帰っているわ、話をそらさないで。私の目は狂って無いでしょうみんな?」
「「「「「ああ、(はい)(うむ)」」」」」宵闇の光+ガイル
「狂って無いぜ!!!」ギル
「ま、まあ、それは置いといて、報告はどうしますか?俺たちに害を為す存在ではなかったので、これからは友好的にやっていけますかね?」
「もちろんです」詩織
「なら大丈夫だろう。俺たちが保証する。」グラン
「短い間だったが人となりは知れたからな」ロラン
「ギルドマスターも納得してくれるでしょうか?」
「そうだな。迷い人だし大丈夫だろ」グラン
「そうですよね、ギルマスもそこら辺は考えてくれますよね。」
「そうそう、そこは任せな、ギルマスもわかってくれるさ。」グラン
そう言って、オークを片づけていく。回収も忘れない。肉は大事だからな。そういえば、オークは豚のような味がする。雑食なのだが、肉はあまり食べないようで、オーク肉は独特の匂いがあり、市民からも人気のお肉だ。ジュルリ、いかんいかん。オーク肉のことを考えていたらよだれが出てきてしまった。危ない危ない。それでも、日本人がとらえられるようなことにならなくてよかった。何より、そう思うのであった。まだ確実に決まったわけではないが、少し安心している自分がいた。
そこからは、道中何事もなく進んでいった、昼飯にとばを皆でくわえながら歩いて行った。すると、しばらくして、南の門が見えてきた。帰って来たんだと実感があり、何とも言えない、実感が沸き起こる。今回の調査は成功したんだと、改めて思う。まだ報告はしていないが、それは皆が思う所だった。それだけ成功は確実なものだったのである。皆上機嫌に門をくぐる、詩織と、眷属たちは少し、色々聞かれたが、無事に通過出来た。
そのままの足で冒険者ギルドに向かい、ギルマスに通してもらう。すぐに呼ばれたので、グランと俺と詩織たち4人でギルドマスターの部屋に向かった、他のみんなは、酒場で宴会の準備をしている、あ、ギル達は、帰ったことをサーシャ達に伝えに行った。今は、ギルマス、ガルドと対峙していた。
「どうやら、表情を見るに成功したようだな、報告を聞かせて貰おう、その前にその人らを紹介してもらえるか。」ガルド
「はい、簡潔に説明しますと、ダンジョンマスターの詩織と最下層で会い、ここまでついてきてもらったと言う訳です。こちらの三人は眷属で右から順にアンナ、ゲイツ、ヨハンです。」グラン
「そうか、ギルドマスターのガルドだ、これが今回の調査結果か、予想外だな。ダンジョンマスターが存在していたとはな。ここに来てもらっているという事は協力してもらえるという事でいいのか?」
「ええ、できることは協力したいと思っています。」詩織
「そうか、それは良かった、ほんとによかった、お前らに何かあるんじゃないかと心配していたんだ。杞憂に終わったのならいいんだ。ほんとによく帰ってきてくれた。」
「あのくらい何でもないですよ、ギルマス」グラン
「頼もしいな、今度Aランクにあげるように言っておくからな、それで中はどうなっていた?」
「まず5階層あり、1階層目がゴブリン2階層目がウルフ3階層目がコボルト4階層目がオーク5階層がオーガだった、最後のボス部屋に土のゴーレムがいました、それらを倒し、帰ってきました。今回はタクローの援護が常に光ってました。いなかったら、もっと時間がかかったでしょう、それだけ助けられました。」グラン
「そうか、褒賞を考えよう。」ガルド
受付嬢のノラが筆を走らせ今回の詳細を書き留めた。
「今回、何よりも、荷物を持たなくて済んだのが大きかった、時間も短縮され疲労もほとんどなかった。これだけは言える、タクローが凄すぎた。どうやら、ギル達もすごかったようだが、それは、バーバラに聞いてくれ。以上だ。」グラン
「わかった、2人はもういいぞ、下で存分に飲んで来い。あとは、こちらで話を進めとくからな。」ガルド
「ああ、いえ、まだ話は終わってなくてですね、詩織は迷い人なんです。俺と同郷の人間なんですよ。」
「そ、それはほんとか!?な、ならばこの事態も頷けるな。そ、そうだったのか・・・。分かった、タクローもいてくれ。グランはもういいぞ。」ガルド
「了解、では先に失礼。」グラン
そういうと、出ていった。とりあえずソファに座る。詩織たちも促し座ってもらう。ギルマスも対面に座った。
「とりあえず、こちらに害意はない、話を聞いてもらえるか?」ガルド
「はい、大丈夫です。」詩織
「じゃあ、聞くがそちらも害意はないんだよな?」
「ええ、ありません、」
「それなら、協力体制をとらないか?」
「?どういう意味ですか?」
「ん、ああ、ダンジョンを冒険者ギルドに貸し出してくれないかと思ってな、迷宮が勝手に成長するのは知っているんだ、だから、その攻略をさせてもらいたいんだ、冒険者に経験を積ませることができるからな。だから、頼みたい。」
「いいですけど、どうすれば?」
「ただ貸してくれればいいさ、あとは自己責任でやらせる。」
「それは、なんだか、気が引けるので安全にしておきましょう。」
「それはありがたいが、できるのか?」
「ええ、殺しはしないようにできますよ、あと、宝箱を出しましょう。そういうの考えていたんで。」
「それはいいな、やる気が出るだろう。助かる。」
「その代わり、この町に家が欲しいです。だめですか?」
「いいさそのくらい、まあでも、それはタクローに頼んだほうが速いがな(笑)」
「拓郎さんですか?お願いします拓郎さん私たちに住む家を与えてください。」詩織
「いいけどどこに住むんだ?」
「拓郎さんちの隣がいいです!!」
「わかった、向かいにしよう、隣はまだ店を拡張するかもしれないからな。」
「お店ですか?!!行ってみたいです!!」
「まあ、いいか、この後、案内するよ。妹も紹介しないとな、」
「妹さんですか!!会いたいです!!」
「まあ、もう話も終わったようだし店に帰らしてもらいます。いいですよねギルマス?」
「おう、いいぞ。報酬は受付で貰ってくれ、色付けといたからな。じゃあな、お疲れさん、」ガルド
「失礼しました。」詩織
「「「失礼しました」」」
「じゃあ、お邪魔しました、また店に遊びに来てください。待ってますよ。」
「おう」ガルド
そう言って部屋を出る。下に向かうと、宵闇の光とガイル、バーバラが飲んでいた。声をかけると、皆、ホーク工房についてくるようだった。まあ、もう工房って感じじゃないけどな。
「あ、タクローさん、私たちも行きます!!」サラ
「わかりました、ノラさんありがとうございます、ギルドカードです」
「あら、結構稼いだじゃない?奢ってくれるの?」ノラ
「あははははは、まあ、いいですよ、うちの店にいらしてください、歓迎しますよ、」
「じゃあ、お呼ばれしちゃおうかしら。ありがとう、絶対に行くわ、はいギルドカード、返すわ。」ノラ
「じゃあ、お店で待ってますんで。」
ノラは返事に手を振ってこたえた。さて帰ろう。詩織たちの家の目星もつけてるし大丈夫だろう。店の向かい側が空いてたはずだなどと考えながら、歩いてると、店についた。
カランカラン
「ただいまー。」
「「「おかえり兄さん!!」」」
そういうと、抱き着いてきた。三方囲まれた状態だった。するとシエルがあとからトテトテやってきて、後ろからひしっと抱き着いた(笑)、どさくさに紛れてたのでつい笑ってしまった。三人をなだめる、そして新たな住人を紹介する。と、その前にサーシャ達を紹介する。
「妹のサーシャ、ルエル、ナタリーだ。あと、うちのちびっこ達な。」
「「「「「「「「よろしくお願いします」」」」」」」」
「こちらこそ、よろしくね、詩織と言います、こっちが、アンナ、ゲイツ、ヨハンです。」
「「「よろしくお願いします」」」
「よーし、飯にしよう、少し早いが、晩酌しながらノラさんたちを待ってようか。その間に詩織さんたちの家建てちゃいましょうか。」
「はーい」詩織
ちびっこ達の頭をなでながら話す。ああーとかおおーとかいってる(笑)。よほど恋しかったらしい、しばらく構ってたら、詩織がソワソワしてる、ちょいちょいと手招きして、呼び寄せる。なでたそうにしてるのでなでさせてやる。ちびこもやがらない。されるがままだった。抱き着いたりしてる。おいおいほどほどにしてくれよと、心の中で言い、任せる。伝わったのか、正気に戻りなでていた。サーシャ達もなでて欲しそうにしていたので、”ありがとうな”と伝えて、なでる。そこからはなでなでタイムだった。ギル達も着替えてきて、俺らも褒めてくれよと言われ、なでたのだった。みんな可愛いな、みんな褒めて置く。ちびこなんかは、居ない間店を手伝っていたらしい。これは褒めねば。ロックやダリも素直じゃないが嬉しそうだった。
なぜかその輪の中に詩織が入っているのだった。シエルもなでて欲しいと並んでいた(笑)。もちろんなでた、ありがとうと伝えて。アイルさんにも、お礼を言った。みんな俺がいなかった間に心配をかけたから、労っていく。そしてひと段落したところで、家を作りに行く。
「サーシャちゃんお隣さんだね、よろしくね」詩織
「はい、お姉さん、よろしくです。」サーシャ
「じゃあ、行きますか。」
「はーい」詩織
店を出て向かいに行く。残ってるみんなのために飲み物を大量に出してきた。これで宴会気分に浸れるだろう。
「どんな家にしたいですか?」
「えーとねぇ和室があって、リビングがあって、ソファがあって、台所があって、トイレがあって、お風呂があって、それと、ちゃんとした寝室があって、あとは~・・・・。お任せっ!!何かあるアンナたちは?」詩織
「寝室は別々にしていただけたらと思います。」アンナ
「一緒に寝たくないのね!(ガーン)」詩織
「ち、違います、朝など起こしてはいけないので、それでですね・・・。」アンナ
「わかったわ、そうする、寂しいけど・・・。」詩織
「一緒の部屋でいいです。もちろん男は別です。」アンナ
「了解、あとは何かあるかな、」
「あ!、冷蔵庫ある?」詩織
「ありますよ。作れば、」
「やったー!!いろんなものが作れる!!!」詩織
「では作っていきますね」
空き地に手を向けて土魔法を使う。一気に作り上げる。下から徐々に土が盛り上がってくるように、家を形作る、一階に、玄関、上がりかまち、そこで靴を脱いで、リビング通路を挟んでトイレ、風呂場、リビングの方に和室も作る。貿易産の畳を敷いて、ちゃぶ台を置き、リビングにテーブル、椅子、照明各種、キッチン、コンロに換気扇、もちろん魔道具だ。トイレにウォシュレ〇ト、トイレットペーパー、風呂沸かす魔道具、脱衣所、洗濯魔道具、キッチンの給湯設備、二階の寝室、大きめの二部屋にして、ベットを置けるだけ置いておく。眷属が増えた時のためだ。そして全室に窓ガラスをはめる。強化窓ガラス。カーテンを引き、そして、布団を出す。冷蔵庫を忘れずに置き、完成だ。一緒に荷物を置きながら見て回ったので、作りながら、お宅拝見といった感じだった。
付き添った4人は開いた口が塞がらないと言った様子で、見ていた。魔道具の数々はどう扱っていいかわからないだろうから、説明していく。基本的に簡単な物ばかりだった。魔道具ドラム洗濯機は乾燥もできる優れもので、詩織が理解してくれたので、早かった、排水設備もしっかりして、スライムを入れる場所を作っている。スライムは、この町に家を建てたいといったので、帰り道に沢山確保していた。それをトイレ、浄化槽に入れて完成だ。
特別価格で、今回は、アダマンタイトの剣を2本分で作った。詩織たちはもう、大変喜んでくれた、引っ越し祝いにパーティをしようと言ったら、更に喜んでくれた。その喜びようったらなかった。とりあえず、店に帰った。そういえば、ギルドに討伐したものを置いてきてなかったと思い戻る。そして、解体倉庫に行き、オークやウルフコボルトを出していく。
「こ、こんなにたくさんかい?すげーな、見積もりは明日までにやっとくから、明日また来てくれ。」解体担当
「良かったら仕事終わりにうちの店に来てください、奢りますから。」
「おう、あんがとな、気使ってもらってわりぃな。行かせてもらうぜ、ここにいるみんなでな!」
「「「「ありがとうございます!!」」」」
解体職員が礼を言ってくる。手を上げてあいさつし、その場を任せて店に帰る。
帰ってきた、今日のパーティの内容はどうしようか、詩織もいるし、すき焼きにしようか!!。そうと決まれば準備だな!!。詩織にも手伝ってもらう、まず、土なべを用意する、テーブルの分だけ用意する。そうした後、鍋に醤油を入れて牛肉に火を通していく、サーシャ達も総動員だ。肉に味が染み、火が通ったら、野菜にも火を通していく、白菜に人参、玉ねぎ、ネギ、豆腐にしらたき、それらを醤油で煮ていく、全部に味が染みたらそこに砂糖、酒を入れて甘くする。全部に火が通ったら完成だ。本当はさしすせその順番に入れていくんだがな、今回は味を染みさせたいのでこの順番にした。全部のテーブルに置いたら皆が席について食べ始める。味が濃いので、卵も用意してる
説明すると、皆が納得し、食べ始める。ご飯も、もちろん炊いてある。でっかい羽釜を作り一気に100人前くらい炊いた。それも二つ。味が濃いのでご飯が進むだろう、最近は箸の良さに気づいたもの達が使い始めている。ハフハフと美味そうに食べている。
「うめー!!こんなんはじめてだぜ。今日は祭りみてーだな、店の奢りって言うし、サイコーだぜ、ホークに来ててよかったぜ。これにありつけただけで儲けもんだな。」冒険者
「くぅー!うめぇ!まだこんな隠し玉持ってたなんてな!!最高だ!酒もうめぇ!!」グラン
「最高!!仕事終わりに染みるぜ!!」ロラン
「ふぅーー!最高です!こんな仕事上がりなんて最高すぎます!!」サラ
「美味い酒が飲めるのう、くぅ~最高じゃ!!」マーリン
「味の濃い肉に卵のまろやかさ、たまらんご飯が進むぜ!!」ガイル
「味の染みた豆腐が最高に美味しい!野菜も最高!!」バーバラ
「これぞ、日本の味!!帰ってきた日本!涙が止まらない」詩織
「本当に不思議な味ですね、こんなにおいしい物があるとは、詩織様家で作りましょう?」アンナ
「うん(涙)」
「こりゃ美味いぜ、姐さんの故郷の味最高だ!!」ゲイツ
「最高です!!」ヨハン
「サーシャ達もギル達も食べちゃってくれ、まだ追加で作らなきゃなんないから。」
「「「「「「「はーい」」」」」」」
「うめぇ!!さすが兄貴!!」ギル
「兄貴の故郷の味好きだ!!」ザシャ
「醤油がうまうま!!!」ロック
「ご飯が進む!!」ダリ
「味の濃さが絶妙」ジーク
「そうそう、この濃さがいい!!」サージ
「そう」ダル
「美味い」ガル
「尾を引く甘さがいいね」ロイ
「甘じょっぱいの最高」マリオ
「兄貴の味」ガイ
「最高の仕事に、最高の味」ルッツ
「豆腐に焼目があって味が染みてる」サーシャ
「こんにゃくにも味が染みてる!」ルエル
「この濃さを卵が中和してます」ナタリー
「「「「「おいしい!!」」」」」ちびこ
この後、皆お代わりをして、次々に材料を足して火を通していった。魔法で味を染みさせる、裏技を使った。うん、美味い!。そのあとくらいに、冒険者ギルドの皆さんが訪れた、食った人がみんなカウンターに避けてくれて第二段が始まる、嬉しい悲鳴がそこかしこから聞こえてくる。美味しい悲鳴かな?(笑)。ギルマスも来ていた、酒を中心に飲んで騒いでいる。楽しそうだ、そんな楽しい空間を見ながら作業する、まだ、お客が入りそうなので店の中を拡張する。テーブル席を2列増やした。これでかなり入るだろう。ワイワイと鍋をつついている。今日はただだと聞いて結構なお客が来る。子供連れから、お年寄りまで、相席で楽しんでいる。仕事終わりの門番も来ている。席はまだまだ増える。作る鍋を増やし、回転率で補う。喧騒はまだまだ続く。
仕事終わりの人が、多くを占める。噂は人を呼び沢山押し寄せてくる。もう店舗全部が食事のスペースになってしまった。それでも足りないので、店を拡張する。商品や他の物たちはしまっておいた。今ではギル達が手伝ってくれている。みんなで回すと、段々落ち着いてきた。町のみんなが来てるんじゃないかと思うくらい沢山来ていた。それも、夜が深まると段々人が減っていった。今日来れなかった人たちに不満が出るかもなと思いながら、こうやってパーティするのもいいかもなと思うのであった。年末にそういう行事をしないかと、今度、領主様に言ってみようかな。
いい案だな、他の宿屋や屋台の関係者に頼んで、料理をたくさん出してもらうのがいいだろう。それぞれに個性が出るしみんなの宣伝になるしで万々歳だな、この時、領主様持ちでお金が使えれば、言う事なしだろう。様子を見に執事さんが来ていたのでそのことを伝えた。すると、主人もお喜びになるでしょうと言って喜んで帰っていった。もちろん事情説明も行っている。この騒動に発展する前の出来事をかいつまんで説明したら納得してくれた。今日はパーティで遅くなったのでシエルとアイルさんを帰すのが遅れたので、急いで送っていく。今日のボーナスも出しておいた。二人とも嬉しそうに帰っていった。すき焼きの残りも持って行った、残りと言ってもみんな綺麗に食べていったので、新しく残りの材料で作ったものを持って帰ってもらった。嬉しそうにしていたのだった。
帰ってきたら、晩酌してるところにお酒を届ける、先にサーシャ達には風呂に入ってもらった。月見風呂はなかなか評判が良かった。酒は自腹で払ってもらっている。そのあと、カイル、ジンク、サムとお風呂に入る、ギル達も降りてきた、この三人はちびこである。ちびこは5人居て、三人が男、二人が女の子だった。女の子はアイシャ、ルルだ。ちなみに詩織にはちゃんと自己紹介している。眷属の三人もちゃんと把握している。抜かりはない。
ちびこと戯れた後、風呂を上がり、酒を出す。今日は遅くまでやる、特別サービスだった。飯代浮いたお金で酒を飲んでいっていた。それも段々少なくなりお店を閉める、このあと飲む人は、泊りの客になってもらった。二階の大部屋の和室で飲んでもらった。詩織たちも帰っていった。また明日と言って帰っていった。新しい我が家だからウキウキだろうな。楽しそうだ。俺らも、自宅に帰る。まだみんな起きていて、ちびこは眠そうだった、みんなで寝たいと言って起きていたようだった。寝室を繋げ布団を地面に敷き俺を囲んで寝る、ちびっこが一番近くだ、その外にみんながいる感じだった。相当寂しかったのだろう、一緒に寝ることにして、おやすみをした。
おやすみなさい・・・。