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転生したので貿易していこうと思う  作者: もちぞう
第一章
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始まり

 おはよう!俺こと吉田拓郎だ。自己紹介がまだだったので一応名乗っておく。昨日はよくわからないことが一杯だったけどよく眠れたぜ。今日は大事な話があるのでちゃんと起きてないとな。そろそろ呼びに来るだろう。

 

コンコン


「起きてますか?」

「はい、今起きたところです。」

「準備はよろしいですか?」

「はい」


ガチャ

 

「では行きましょうか」

「はい」


 女性に連れられて、部屋を出る。この部屋は普段冒険者が話をするのに使われる部屋らしい。そうこうしてるとギルドマスターの部屋につく。


コンコン


「連れてきました」

「入れ」

 

ガチャ


「失礼します」


挨拶はキチンとしておく。


「昨日の続きだな。まず、名乗ってなかったな俺はガルドだ。ギルドマスターをしている。」

「私は、拓郎と言います。」

「タクローか・・・。それでだな、今日はタクローを鑑定して凄いやつなのか確かめようと思っている。」

「鑑定というのがよくわからないのですが・・・。」

「まあ、なんだ受けてみたほうが早いと思うんだがな。」

「わかりました」


そうすると受付の女の人が水晶の玉を持って入ってきた。


「とりあえず、その玉に手を触れてみてくれ。」

「はい、っと」

 

すると玉が小さく光を発し紙が出てきた。


名前:吉田 拓郎

年齢:20歳

レベル:1

魔力:10050

スキル:鑑定 アイテムボックス 貿易



「魔力は結構あるな。スキルも役立つものばかりだ、しかし、貿易のスキルは初めて見るな。」

「はぁ・・・」


 これは、何とか生きていけるかも知れない。俺も本で読んだことがあるし、意外とこの状況についていけてる気がする。後は魔法か何かがあればもっと生きやすいのに、なんてことを考える。


「おい、大丈夫か?しっかりしろよ、大事なことだからな。」

「はい、初めて見るもので、つい」

「なら仕方ないか。貿易は初めて見るから使ってみんことにはわからないが他のことであれば、何でも聞いてくれ。」

「はい、このステータスでとりあえず、生きていけますかね?」

「まあ仕事には困らないだろう。鑑定とアイテムボックスがあるからな」


自分でも想像してみたが何とか生きていける気がする。ただ金がないのが困り者だ。


「何か、仕事ありませんかね?」

「鑑定屋とか運び屋なんてのがあるぞ」

「良さそうですね」

「まあ安全だしな、運び屋は場所によるが大丈夫だろう。」

「そうですか、安心しました。それで、貿易はどうやって使えばいいんですか?鑑定とアイテムボックスもわからないです」

「そのスキルを使おうと思えば大丈夫なはずだぞ。」


じゃあ鑑定を使ってみよう。


名前:ガルド

年齢:46

レベル:73

魔力:1090

スキル:剣技 威圧


おおーできた。俺の魔力が多いのは何となくわかるが、レベルが高いな。


「できました、それにしてもレベル高くなると何かいいことありますか?」

「それはな、筋力や魔力が上がるといわれてるんだ。」

「筋力ですか?」

「ああ、ステータスにはないが、そうだろうって言われてるんだ。」

「そういう事ですか・・」

「なあ、貿易っていうスキル試しに使ってみてくれないか?」

「なんです?急に」


ギルドマスターが急に話を振ってきた


「いやな、聞いたことのないスキルだから見てみたくてな」

「わかりました」


っと、貿易っと  メニュー画面のようなものが現れる


 物または現金または魔力をチャージしてください。

メニュー画面にはいろいろな物が載っている野菜・果物・肉・魚・日用品から電動工具などが載っている。


「なんかお金や物や魔力と物が交換できるみたいです。」

「そうか・・・なんでもあるのか?」

「ええ、大体の物は揃ってますよ。」

「酒もあるか?」

「えーと、ありますね」

「いくらだ?」

「350円です」

「円っていうのはなんなんだ?」

「元居た世界の通貨です」

「そんな物ないぞ、銀貨ならあるが」

「お借りしてもいいですか?」


 懐から取り出しながらそう言う。それを見せてもらい、試しにチャージできないかやってみる。おおー出来た、1万円になった。


「10000になりました。これで買えます」

「おおーじゃあ頼む」

「購入っと」


 メニュー画面の購入ボタンを押すと目の前が光り瓶ビールが現れた。ビールはちゃんと目の前の机に現れたので割れる心配はなかった。


「きれいな瓶だな」


そう言いながら瓶に触れた。


「っ、冷たいな、それにしても美味そうだな」


 味を想像しているのかのどをゴクリとならしてる。それを見て栓抜きを買ってなかったことに思い立って買う事にする。もう一度目の前が光り物体が現れる。


「なんだこれは?」

「瓶を開けるものです」

「そ、そうか」

「飲まないんですか?」

「い、いや晩飯に取っておこうと思ってな」

「晩にもう一度買えばいいんじゃないですか?」

「それもそうだな、飲むとしようか。開けてくれるか?」


立って瓶を開けてやる。


「そうやって開けるのか」


瓶を手渡すと、おもむろに口をつけた。


「う、美味い こんなに美味いとは・・・晩が楽しみだな。」


何気に、ラッパ飲みしてるがいいか。


「これで仕事が増えたじゃないか」

「ええ、まあそうですね」


 言われた通り有用なスキルであった。仕事が増えた事は素直に嬉しいのだが、この世界のことがよくわかってないからか、いまいち実感がわかない。どうしたものか・・・・


「これからどうしたらいいでしょうか?」

「ん?さっき言った職業に就くのがいいんじゃないか?」

「そうなんですが、住むところもお金もなくてですね・・・」

「そういえば、昨日もギルドに泊ったんだったな。ギルドで雇う場合は寝床と賃金も出るぞ。」

「そうなんですか、それは良かった、ならギルドで雇ってもらう方向でお願いしようかと思います。」

「そうか、それでいいんなら手続きしとくぜ。」

「ありがとうございます。昨日の寝床の件も」

「ああ、いいってことさ」


これで何とか生活していけそうだな。


「それとさっき使わせてもらった銀貨残ってるんですが、どうしたらいいですか?」

「それなら就職祝いに取っといてくれ」

「ありがとうございます。いろいろと・・・」

「いいからいいから、気にすんなよこれからの未来に期待を込めて先行投資しただけだぜ。」

「それでも、ありがとうございます。」

「ああ、まあきにすんな」


 本当にここに来てよかったぜ。ここに来ただけでいろいろ話が進んでどうにかいい方向に話がまとまった。後は仕事に慣れて、暮らしに慣れてって感じかな。先が見えてきて少し余裕が出てきたな。魔法の使い方でも、今のうちに教わっておいたほうがいいかもしれんな。


「あの~、元居た世界では魔法がなくてですね、使い方が全く分からないのですが、教えて貰えたりしませんか?」

「んあ?そうだったな。俺が教えてもいいんだが、ちゃんとした講師がギルド内にいてな、そいつから教わったほうがいいかもな。」

「教わるのにお金かかったりしませんか?」

「タクローはギルドで働くんだろう?だったらお金はいらないぞ。職員の研修という事にしといてやるよ。」

「ありがとうございます、なにからなにまで」

「いいさ、それより魔法の講義受けたいんだろ、今日は朝から魔法の講義受けるやつがいたから一緒に受けて来いよ。」

「はい、わかりました」


俺の意志を確認すると、受付の女の人を呼んだ。


「おい、いるか?」

「はい、なんでしょうか?」

「タクローに魔法の講義を受けさせてやりたいんだ、たのめるか?」

「はい、かしこまりました」


女の人が向き直り俺に話しかけてきた。


「準備はよろしいですか?」

「はい」

「それでは、ついてきてください」

「はい」


出ていこうとするので、その前にギルドマスターに挨拶をしておく。


「ありがとうございました」

「おう、がんばれよ」


 頭を下げて、部屋を出ていく。女の人について歩いていくと、外のギルドのすぐ隣にある広場に出てきた。すると、そこに若い子供たちが三人とおじさんがひとり立っていた。会釈しながら近づいて行く。そうしたら、女の人が軽く事情説明してくれたみたいで、おじさんも理解を示す。


「そうか、じゃあ予定より一人増えたが、魔法の講義を始めるぞ。」


話し始めると、女の人は戻っていった。







 ようするに魔法とは魔力を使って世界に干渉することによって起こる現象のことをいうのだけれど、それを火・水・風・土の四属性と空間魔法の無属性魔法の五つに分けたものを魔法と呼んでいる。そしてこの魔法を使うときに重要なのが、魔力操作である。魔力操作ができていないと一つの魔法にかかる魔力が10倍にも20倍にもなる。そのため魔力操作が重要になってくるので、この場では魔力操作の訓練をすることになっている。


「ってことだ何か質問あるか?」


みんな首を振る。なので、ここからは魔力操作の時間になる。


「すみません、魔力がわからないのですが」

「よしじゃあ手を貸してみろ」


 そう言われたので、手を貸してみる。そうすると、おじさんの手から何かが流れ込んでくる感覚がわかった。なにか、温かいもののような何かがそこにあった。そうすると自分の中にも同じようなものが有るのに気づく。心臓の近くに温かい塊のようなものがある。それを動かそうと試みると案外それはスムーズに動いた。


「何となく、つかめました」

「おお、早いな初心者はもう少し時間がかかる物だが物覚えがいいな。」

「もう少しやってみます」

「わかった」


 そう言うと手を放してこちらを見守ってくれる。そうしたら、さっきの続きを始める。まずはかたまりを薄く体全体に纏わせるようにする。均等にしたら、今度は偏らせてみる、そして体の中を循環させる、そんなことをしてると、声をかけられた。


「ずいぶん安定しているな」

「そうですか?自分ではどの程度なのかわからないのですが・・・」

「上出来だと思うぞ。仕方がないから、次も教えとくか。」

「次ですか?」

「ああ、次はイメージを固めて具現化する事が重要だ。まずは、水がいいだろうな。」


 まず、言われた通りにする。水といえば、どんなだろうか。まずは、液体で冷たくて透き通っていてって感じかな。イメージして手に魔力を流していく。すると、手から水が溢れ出てくる。


「っお!?いきなり無詠唱かよ!?すげーな!?」

「?」


俺が何のことだかわからないという顔をしていたのか、説明してくれた。


「魔法を使うには、詠唱っていうもんが必要でな、それがないと発動しないのが普通なんだよ。」

「でも、できちゃいましたよ?」

「熟練の魔法使いは、詠唱破棄なんてこともできるからできないわけじゃないんだが、素人がいきなりできることではないんだよ。」

「それはすごいですね?」

「全然すごさをわかってないだろ・・・。」


手が濡れてしまったので、服で手を拭いておく。他に方法がないので、行儀は悪いが仕方ない。


「これは、本当にすごいことなんだぞ、さっきも言ったが素人が思い付きでできることじゃない。」


そんなことを言われてもな・・・


「本当は、どこかで習ったことがあるんじゃないか?」

「いえ、それはないです。」

「そうか、見事な無詠唱だったものでついな」

「それよりも攻撃の魔法もあるんですよね?」

「ああ、あるぞ。じゃあさっきの延長でウォーターボールやってみようか。」

「はい」


 今度は広場に立てられている木製の人形に向かって手を差し向け魔法を使ってみる。水で出来たボールを固くして的に打ち出す。


ボゴン


勢いよく発射された魔法が的に当たって音が鳴る。


「氷になってるじゃねーか!?」

「なんか固くなるようにってイメージしたらそうなりました」

「お、おう、そうか・・・」

「もう一度やってみていいですか?」

「ああ、いいぞ」


 今度は威力を出せるように工夫をしよう。玉に回転をかけてそして玉を更に固くして魔力で何重にも覆い、あとは腕を振るのに合わせてスピードを上げて打ち出す。虹色の玉が打ち出される。


ドゴンッ


 魔法が的を破壊し後ろの土手に突き刺さって止まった。


「なんて破壊力だ!!もはや普通のウォーターボールじゃないな!色も虹色になっていたしな。」

「魔力で覆ったらきれいになりましたね。」

「そんなこともしていたのか、色々工夫されすぎてわからなかった。」

「これくらいの威力があれば、森の中も歩けますかね?」

「十分すぎると思うぞ」


子供たちもこちらを見て固まっていた。おじさん先生が話し始めると口々に、スゲーとつぶやいていた。


 こんなものかな。威力はまだ上げれそうだったし、森の中でも魔獣とかいそうだけど、大丈夫って言われたしな。もう、これ以上は講義しないみたいだし、お暇(いとま)するか。


 お礼を言って驚いている子供たちをおいて、ギルドに入って行く。腹減ったな、貿易試してみるか。魔力もチャージできるみたいだし、やってみよう。まず鑑定でいくつ魔力があるか見てっと。10035か余裕そうだな、5000くらいチャージしよう。チャージすると50000プラスされていた。10倍になるのか、結構使えそうだな、自分の食い扶持は稼げそうだな。物でのチャージは後で検証だな。


 とりあえず飯っと、何がいいかな~そうだ、この画面はほかの人には見えないようだ、あとアイテムボックスに直接買ったものを送ることもできるようだ。まあ無難にサンドイッチかな。アイテムボックスに送ってから取り出す。そのまま、空いてる席を探して座る。今の時間は、依頼を受ける冒険者がたくさんいて列を作っている。並んでないやつもいるが。とりあえず食ってしまおう、相変わらずサンドイッチはパンが柔らかく美味いな~なんて考えていると、結構な人たちに見られていた。


「兄ちゃん何食ってんだ?」


手のすいている冒険者に声をかけられた。


「ん?サンドイッチ」

「そんな白いパンがあるんだな、美味そうだな?」

「一個いるか?」

「おう、朝からなんも食ってないんだ、ありがとよ」


一つ分けてやる。手渡すとおもむろに口をつけた。


「柔らかっ!?美味いっ!?」


 勢いそのまま全部食べてしまう。ほぼ一口で食べてしまったw。もうあげられないぜw。食べている俺にむっちゃ視線を送ってくる。だがそれを華麗にスルーして食べきる。ああーと声を上げる男。すごく残念そうだ。


「もうないのかっ?」

「ああ、これで最後だ」


周りで見ていた奴らも残念そうにする。みんな、飯食ってないのかな。なんてことを考えながら、目の前の男から離れようとする。


「ま、まてよ、どこであんな美味いもの手に入れた?」

「ん?個人的なつてでな」

「俺も買いたいんだが、場所を教えてくれないか?」

「自分で作ったから量はないぞ。」


適当な嘘を教えておく。


「そうか、凄腕の料理人のだったか・・・」

「違うぞ」

「どういうことだ?」

「俺のスキルだよ」

「?そんなスキルがあるのか?」


嘘をついたせいで、ややこしくなってきた。


「まあ細かいことは教えられないよ。」

「そうか、美味かったのに、残念だぜ。」

「また機会があればな」

「おう、期待してるぜ」


 やっと解放してくれるみたいだ。この後は、女の人も忙しそうだしでも街でも見て回ろうか。


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