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掌編小説集9 (401話~450話)

罪人

作者: 蹴沢缶九郎

閻魔の(もと)にやってきた罪人を前に、閻魔は開いた閻魔帳から目線を移動させる事なく、事務的な口調で語りかけた。


「生前、お前は仕事熱心で周囲からの信頼もあり、真面目な性格であった。しかし、その反面、お前が行った残虐な行いは目に余るものがある」


罪人は下をうつむき、ただ黙って閻魔の言葉を聞いている。閻魔は構わず続けた。


「よって、釜茹で千年の刑に処す。最後に何か言いたい事はあるか?」


閻魔の問いかけに、罪人は今にも消え入りそうな声で、「…いえ」と答えると、何処からともなく現れた屈強な鬼に両脇を抱えられた。

罪人の去り際、閻魔は罪人の背中に向かい、「…すまない」と、それまでとは違う、何か感情のこもった言葉を投げ掛けた。

元釜茹での刑の担当である罪人の青鬼は、力なく首を左右に振ると、見慣れた釜茹での刑場へと連れて行かれた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あは(^^♪鬼も死ぬのね。命令したのは誰や?ってとこ。w [一言] シリアスに考えると、映画「私は貝になりたい」のテーマになりますね・・。上から命令されてやった。やらなければ処罰されるから…
[良い点] ザ・理不尽! これは良い落ちですねー ありがとうございましたー
[良い点] おもしろかったです。ああ、こんな風に終わるんだとしみじみ。 職務に忠実だからこその、罪なんですね。執行人の辛さみたいなものを感じます。
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