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レナ 第五遊撃隊  作者: まんだ りん
30/43

029

 庭園のような場所を抜け、建物の表側に向かうと急に辺りが明るくなった。明かりの中心に室田がいて魔法陣を展開し始めている。


 その向こう側に風間が空中に浮かんだ状態で室田を見下ろしていた。


「風間さんが、飛んでる?」


 人間が飛翔する姿を西園寺は初めて見たのだろう。かなり驚いた様子で、目を見開きその姿を見ている。


「あなたのそんな力で私に勝てると思っているのですか?」


 風間が両手を大きく広げるとその身体が赤く光り出した。


 室田が、レナと戦った時と同じくらいの巨大な魔法陣を作り上げていた。


「これでもアイリス小隊一番の使い手なんだよ!」


 魔法陣から青い無数の光線が矢のようになって風間へ向かって飛び進む。その光線の後から室田が剣を構え風間に向かって空へ飛び上がった。


「甘いですよ」


 風間が両手を室田に向けた。真っ赤な光線が青い光線ごと室田を吹き飛ばした。


「くっ!」


 飛ばされながらも、空中で懸命に態勢を立て直して反撃に移ろうと室田はしている。信吾は今のうちにここから逃げだそうと西園寺の手を引っ張り駆け出そうとした。


「お嬢様も、囮の一人なのです。まだここにいて下さい」


 風間が軽く手を信吾達に向け振り下ろした。


(防御シールド緊急展開!)


 緑色のシールドが信吾と西園寺を包み込む。同時に真っ赤な光線の束がそのシールドを襲ってきた。


 過去に室田に襲われたとき以上の衝撃を感じる。かなりのパワーがこの光線にはあるようだ。


「レディバード、武器を!」


(はい、マスター!)


 シールド内に短剣が現れた。信吾はその短剣を手に取ると風間に向かって剣を振りかざした。


「大地を司る精霊達よ。我が名において命令する。あの敵、風間を叩き落とせ!」


 短剣から緑色の光線が真っ直ぐ風間に向かって突き進んでいく。しかし風間は片手で軽く吹き払うようにこの光りを払いのけた。


 風間が信吾達に意識を向けた時、それを待っていたかのように室田が剣を振りかざして風間に突き進む。


「死ねーっ!」


 大きく振りかぶった剣が、青く輝くように光り出した。眩しくて見ていられないほどに輝きを増す剣を、室田は風間に振り下ろした。


 風間が軽く右手をかざすとその場で剣の動きが止った。


「馬鹿な!」


 風間がそのまま手を振り払う。室田は剣ごと地面に叩きつけられた。


「まずはあなたから始末いたしましょう」


 風間が人差し指を立てた右手を真上に挙げる。指先から真っ赤な光りが夜空に向かって伸びていく。


「残念ですけれど死んでいただきます」


 地面に叩きつけられ倒れている室田に右手を向けると、手のひらから真っ赤な光りが室田に向かい突き進んだ。


「室田先輩!」


 信吾は室田に何か手助けが出来ないかと思った。レナを傷つけた室田は嫌いだが、今は何とかしなければと強く思った。


 地面を揺るがす音と共に、室田が倒れていた場所に大きな穴が出来ていた。もうもうと湯気のような煙が立ちこめる中、そこには室田の影すら無かった。


「次は、お嬢様の番ですね。和久井さんはお嬢様から離れて下さい」


 少し立ちくらみがした。それでも信吾は西園寺の前に立ちはだかり両手で短剣を握りしめた。


 室田がどうなったのか考える暇は無かった。西園寺を護るのは自分しかいないと信吾は確信していた。


「私の力は強すぎます。どかないと和久井さんまで怪我をするかも知れませんよ」


 風間が右手を天にかざした。真っ赤な光りが指先から伸びていく。


(防御シールドフルパワー!)


 信吾は短剣を風間に向ける。自分自身と西園寺のことを護らなければならない。この短剣を使えば少しでもあの光りの威力を落とすことが出来るかも知れない。今はそれしか思いつかなかった。


 風間が指先を信吾達のいる方へ向けた。真っ赤な光りがこちらに向かってくる。


 上空から青白い光りが矢のごとく目の前に飛び込んできたのはそれと同時だった。青白い魔法陣が信吾の目の前に急展開する。


「レナ!」


 両手をかざして風間の攻撃をレナが防いだ。


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