表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レナ 第五遊撃隊  作者: まんだ りん
11/43

010

  放課後、信吾は西園寺に呼ばれた。


「生徒会長がお会いするそうです」


 信吾は教室内を見回した。レナは掃除当番らしく他の女子達と机を片付けている。その側に相川がいてレナに何か話しかけているが特に心配はないだろう。


 信吾は西園寺と教室を出て生徒会室へ向かった。


 校舎内は部活動へ向かう者や家へ帰ろうとしている者、まだ教室で遊んでいる者達で賑やかだった。


「生徒会長が俺に何の話なんだ?」


「私にもわかりません。和久井君が何かしたのではないですか?」


 先を歩く西園寺は、振り返ることなく歩き続ける。長いストレートの髪が歩くたびに左右に揺れる。美人だが何だか冷たい人なんだなと信吾は思った。


 生徒会室は旧校舎の現在授業に使われていない教室を利用している。机や椅子が会議室のようにコの字型に並べられていて、その一番奥中央に生徒会長の宮寺麻衣が座っていた。


 さすがにミス桜田高校と言われるだけあって、西園寺に引けを取らないくらいの超が付く美人であり、何処かのモデルじゃないかと思うくらいにスタイルも良かった。


「大事な話なの、クラス委員は席を外してくれないかしら?」


「わかりました」


 宮寺に言われ、西園寺は生徒会室を出て行った。変わりに違う女子が入ってきて、その女子を見て信吾は愕然とした。


(スタンバイモードから緊急起動します!)


 信吾のストーンが反応する。生徒会室に入ってきたのは一昨日雑木林で剣を持ちレナを襲い、別れ際に信吾に敬礼をした女子だった。


「俺に何の話ですか?」


 信吾は生徒会長の宮寺麻衣に聞いた。状況によってはここから逃げ出さないといけないと信吾はいつでも逃げ出せるように身構えた。


「室田真琴軍曹、彼に間違いないかしら?」


 宮寺に聞かれて室田と呼ばれた女子が答える。


「はい。ダークホワイトを連行しようとしたときに現れたのは、この方で間違いありません」


「要監視対象人物ですか」


 宮寺が溜息をつく。


「何のことですか?」


 信吾には二人の会話の意味が何一つわからなかった。


「殿下、ここは帝国宇宙軍第八十二師団所属、アイリス小隊の作戦本部です」


 真面目な顔をして宮寺が立ち上がり答える。なんだそれは?レナが言っていた命令系統が違う帝国正規軍の関係する部隊なのか?何で桜田高校のそれも生徒会室にその部隊の作戦本部があるんだ?


「ここは、生徒会室だろう?」


「それは、仮の姿です。ここに本部が置かれたのはあなたがこの学校に通っているからです」


「俺は何もしていないぞ!」


「あなたが要監視対象人物だからです。あなたのストーンが神前レナのストーンとデータをリンクさせたおかげで、私達はあなたが第五皇子であることを知りました」


「問題は、そんなことじゃないんだ!」


 室田が一歩前に進み出てきた。彼女が青く光り出した。


(防御シールド展開します!)


 信吾の周りが緑色に光り出す。信吾を中心に緑に光る球体が形成された。


「神前レナは私達の肉親を殺したんだ!罪もない人達をたくさん殺した、あいつは裏切り者のダークホワイトなんだ!」


「室田軍曹、殿下には関係ないことです!」


 宮寺も立ち上がり室田を静止させようとする。


「こいつを人質にすれば、あいつを誘き寄せることが出来ます。私は両親や弟の仇をとりたいんです」


 室田が右手を信吾に向けた。手のひらの先に小さな幾何学模様が魔法陣のように広がり青い光線が信吾に向かって飛んでくる。信吾は反射的に逃げようとしたが間に合わない。しかし、信吾を包んでいる緑色の光りがその攻撃をはじき飛ばした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ