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プロローグ 決意
あひるによる、アヒルのための、家鴨的生活記。
私は家鴨を飼っている。
人の言葉を喋り、一人前に行動する、謎の家鴨を。
ちなみに私の名前はあひるで、家鴨の名前もアヒルである。
「もう、アヒルなんて飼うんじゃなかった……いや、家鴨は可愛いけど、アヒルは可愛くない」
今更ながら、私はそう思っている。
「こんな天才家鴨を紐で繋いでおいて、なんの不満がある?」
ほら喋った、アヒルが…………不満? ありすぎて困る。
「料理うまいくせにしないし、掃除やれるくせにやらないし、そのくせ散らかすし、人の言葉喋るし、生意気だし……いいっ? あんたはペット、私は飼い主! 少しくらい可愛くしたり手伝いをしたらどーなのっ!?」
アヒルは黙り込んだ。そして
「とりあえず飯、つくれよ」
私は決心した。こいつを愛玩動物に相応しい性格へ変えてやろう、と。
キュキュキュ=あひるによるアヒルのための家鴨的生活記=キュッ
ホワイトボードに書き殴り、キュポ、とマジックのキャップを閉める。
「一人でどうぞー」
「おい馬鹿アヒル、いっぺん死んで正しい家鴨になったら生まれ変わって来い」