平行宇宙編AMラジオ「Amikana & Mika」:第21回「好みもコピーされる?」
<次のお便りです。『アミカナさん、ミカさん、こんばんは』>
<「こんばんは!」>
<『二人とも同じ男性を好きになる可能性はあると思いますか?』とのことですが……>
「あー。まずですね、皆さんが私達に抱くイメージは、美人双子姉妹だと思うんですが……」
<『美人』は要らないけどね>
「ラジオを聞いてると分かると思うんですけど、そもそも、性格が違いまして」
<まあ、そうだね>
「これ、不思議だよね。私はミカのコピーのはずなのに。しかも、遺伝子とかじゃないんだよ。何ていうか、生物学的な不確実性なんてなくて、純粋に機械的に複製されてるのに」
<まあ、言いたいことは分かるけど。量子頭脳だと別なんじゃない?>
「量子だから?」
<……意味分かって言ってる?……>
「……」
<ね? やっぱり性格違うでしょう? あ、性格じゃなくて知能レベルか>
「うるさい!……まあ、複製された後は、別々の人生を歩んでいますので、違いはそこから来るのかな?」
<そうかもね。実際、アミカナ3もアミカナ5も性格違ったしね>
「ああ……前回の衝撃がまだ残っている……」
<まあまあ。で?>
「なので、性格が違うと、当然、好みのタイプも違ってくるわけで……」
<同じ男性を好きになる可能性は低い、ということですね?>
「そうですね。……あ……今、ディレクターから突っ込みが入りまして、『お前ら、同じ男と付き合ってるじゃないか』と」
<あー、そう来ますか>
「えーとですね、本編を知らない人のために説明しますと、まず、私アミカナは、人間であるミカを複製したアンドロイドになっております」
<はいはい>
「で、以前ゲストで来た片仮名シオン、彼は人間なんですが……あ、正確には強化人間?」
<あー、それ言うと話がややこしくなる!>
「そうね。で、人間である片仮名シオンを複製したアンドロイドもいまして、名前を、『こころざし』に『おと』で『志音』と言います。これが紛らわしい! 漢字志音って呼びますね」
<で、私ミカは片仮名シオンと>
「私アミカナは漢字志音と……まあ、お付き合いさせてもらっております」
<要は、人間同士と、アンドロイド同士のカップルなんです>
「はい。なので、さっきのディレクターの、『お前ら、同じ男と付き合ってる』ってことになるんですが……。これが……」
<いいよ。アミカナの方が声を大にして言いたいんでしょ?>
「いいの? じゃあ言いますけど。これが、ぜんっぜん違う性格で!」
<まあ、正反対だよね>
「そう! 何を複製したんだって感じなんです。マジで失敗してるんじゃない?」
<……それだと、志音君が失敗作ってことになるよ>
「え?! それは可哀想!」
<まあ、どうしてそうなったかは置いといて……>
「はい。つまり、彼氏サイドも一緒なのは顔だけで、性格は全然違うから、同じ男ではありません!」
<ねえ、一度志音君も呼んだら?>
「え? やだ! 彼、一般人だし」
<アミカナ3も一般人じゃん>
「いや……彼女ほどの個性は全くないから。呼んでもつまんないよ」
<ひどい言い方>
「なので、同じ男性を好きになる可能性は、かなり低いと思います」
<でも、私、志音君、結構好きだけど>
「……え?……」
<何か、健気な感じがして……>
「待って待って! もうまとめるところだから、急に変なこと言わないで!」
<焦ってる? かわいい!>
「私、ミカが志音と話してる時、いっつもドキドキしてるの、心臓ないけど」
<なんで?>
「だって……アンドロイドの負い目があるから……機械より生身の方がいいかも知れないと思って……」
<うん。その言い方は、色々と誤解を招きそうだけどね>
「だって! 生身の方が、温かくて、柔らかくて、しっとりしてるでしょ!」
<うん。三つ目が完全におかしいね>
「とにかく! うちの彼に色目使うんじゃねぇ! この泥棒猫がぁ!」
<……ええと、ちょっとアミカナがラジオであることを忘れそうなので、そろそろ締めますね>
「……」
<取り敢えず、我々の顔の好み『だけ』は一緒だったってことかな?>
「……え……私は、志音の顔、別に好みじゃないけど……」
<え?……彼に言ってやろ>
「ああ! やめて! 普通に凹むから。彼、結構繊細なの」
<はい、アミカナの、彼に優しい一面が見られたところで、以上! 『AMラジオ>
「……アミカナ・アンド」
<ミカ』でした>
<バイバ~イ!>
「ねえ、ほんとに取らないで……」




