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あとがき

 本格的なホラー小説を書きたい。そう思って書き始めた猟闇師シリーズですが、とりあえず第二段を完成させることができました。前回に引き続き、主人公とヒロインが傍観者的な立場になってしまったのが、少々心残りではありますが……いずれはこの二人を中心に据えた話も書いてみようとは思います。


 さて、本作ですが、ホラーという割にはそこまで恐ろしい描写がないと思われる方もいるでしょう。動物の死骸を使ったグロテスクな嫌がらせや、終盤の霊能者バトルなどはあるものの、幽霊や妖怪の類が直接登場人物に危害を加えるような場面がほとんどありません。


 どちらかといえば推理ものに近く、しかも最後はヤンデレオチ……。シリーズ二作目にして早くも迷走している気がしますが、これにはちゃんと理由があります。


 私は自分の作品を作る際、同じジャンルの作品を読み漁って自分の頭を刺激する傾向があります。ホラーにしても、それはしかり。その結果、『ホラーってなんだろう?』という漠然とした疑問が、私の頭の中に浮かんでしまったわけです。


 幽霊や妖怪が出れば、それはホラーなのか。それとも、何かグロテスクな描写があれば、それはホラーなのか。確かに怖いことは怖いですが、あまりに安っぽい設定で幽霊や妖怪のお祭り状態にしたところで、かえってそれらの持つ神秘性を損ねることになりかねません。その上、私はどんなことであれ、何らかの理由をつけたがる悪い癖があるのです。それこそ、幽霊が現れて人を襲う理由まで、矛盾なく説明できねば納得しないような……。


 そういった諸々の事情が重なって、シリーズ二作目はホラー作品としてはかなり異質なものになってしまった感じは否めません。が、正直、この路線を大幅に変更しようとも思いません。



――――心病みし者が向こう側の世界にふれた時、病みは闇となり現実を侵食する。



 猟闇師のメインテーマとして、私が書いてゆきたい事はこれです。人の心が生んだ闇ほど怖いものはないってことで、これからも現世うつしよ常世とこよの狭間に現れる恐怖を書き続けていければよいと考えております。


 最後になりましたが、ここまで読んでいただいた方々に、この場を借りて改めてお礼の言葉を述べさせていただきます。このたびは、猟闇師 ~Jの祟り~ をお読みいただき、ありがとうございました。







2010年 7月5日(月)        雷紋寺 音弥

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