表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罪と罰のクロノス・ノワール~高層階の密室で愛は罪となるか~  作者: MCdragon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

第六章:盗まれたファイルと真のイニシャル

数日後、雅史の仕事場で、以前にも増して重要なセキュリティ・プロジェクトのファイルが消えた。

今回は、外部からのアクセスではなく、内部の人間による、完全なデータ消去だった。

雅史は、すぐに栞を疑った。

彼女は、雅史が寝静まった後、仕事場のドアの前で立ち止まることがあった。


「栞さん、君は俺の仕事場に…」

「入っていません」


栞は、雅史の目をまっすぐ見つめた。


「でも、雅史さん。あなたの周りに、あなたを陥れようとしている人間がいることを、あなたは気づいているはずです」


栞は、自分の机の上にあった古びた文庫本を雅史に差し出した。


「私はこの本をずっと読んでいました。そして、父の筆跡を分析したんです。父が最後に書き残したイニシャルは、M.A.。そして、その意味を調べました」


栞は、雅史の目の前で、一つの名前を口にした。


「真犯人は、美奈子(Minako Asano)です。母の旧姓です」


雅史は、激しく動揺した。


「まさか…美奈子さんが? なぜ?」

「私の母は、父が亡くなった後、すぐに再婚し、地方へ行きました。それは、父の死から逃げるためだった。そして、父の死に雅史さんが関わっていると疑っている。…父の遺言には、『美奈子を信じるな。彼女は、愛する人を奪ったお前を絶対に許さない』とあったんです」


栞は、さらに続けた。


「母は、雅史さんを父の死の間接的な原因だと考え、復讐するために私をあなたの元に送り込んだ。私に、あなたの機密情報を盗ませ、社会的に抹殺しようとしたんです」


雅史の頭の中で、大逆転の物語の構造が明確になった。

彼は、恩人の娘である栞を守るべき対象だと思っていた。

しかし、彼女の母親は、雅史の恩人殺しを疑い、娘を使って雪辱を果たそうとしていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ