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晴れの日も雨の日も  作者: 遠藤 敦子
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ずっと会いたかった。忘れられなかった。

でも私には悠斗がいる。

そう思って、元彼と会うのはこれっきりにするつもりだった。

お互いのLINEやインスタもブロックした。

でもこれだけでは終わらなかった……。

お腹が痛くて、熱っぽい。生理も遅れてる。

もしかしてって思って検査したら、妊娠してた。

悠斗がナッシュビルに行っていた頃に妊娠がわかったから、絶対に元彼との子だって思った。

LINEのブロックを解除して「妊娠してた」って連絡したら、「責任とる。結婚しよう」って言ってくれて……。

それでもう、悠斗とは付き合い続けられなくなってしまった。

最後まで自分勝手だよね。

悠斗のことを深く傷つけてしまってごめんなさい。

悠斗を裏切って、幸せにできなくてごめんなさい。

謝っても許されることじゃないと思う。こんな彼女でごめんね。


 望子の手紙にはこう綴られていた。本当に最後まで自分勝手だよ、なんて思ってしまう。元彼氏と浮気して妊娠もしておきながら、僕には自分の口で直接話してくれなかったから。全てを理解した僕は、こんなことは友達に言えないと考えてしまった。そこで福盛家のグループLINEに「今から帰っていい? ちょっと話を聞いてほしい」と送る。美紀から

「もしかして望子さんのこと?」

 と来たので、「詳しくは帰ってから言う」と返信した。僕は望子の手紙と貴重品だけを持ち、京都から大阪の実家に向かう。


「悠斗どうしたの、いきなり帰って来て良いかって言うなんて」

 出迎えてくれた母にそう言われ、僕は玄関で泣き崩れる。家族の顔を見ると涙が止まらなくなった。25歳の大の大人がこんなに泣くなんてどうかしてるよなと思いつつも、抑えられなかったのだ。騒ぎを聞きつけ、陸斗と美紀も駆けつける。

「いったい何があったんだ?」

 陸斗に訊かれ、「これ見て」と僕は陸斗に望子の手紙を渡した。陸斗と美紀はその内容を読み、呆れている。

「……は? 元彼と浮気して子どもできたから悠斗とは別れるってこと? ずいぶん自分勝手な」

 陸斗は絶句しながら震えており、美紀も

「とんでもないクソ女だな……。元彼と浮気なんてそんな爆弾、せめて墓場まで持って行けよ。なんでも暴露すれば良いってわけじゃないから」

 と怒りを滲ませていた。怒りを滲ませていたのは母親もだ。

 一連のやりとりを見ていた福盛家の2代目のビーグルのレオもやってきた。レオは子どもみたいに泣く僕の顔を舐める。

「悠斗くん泣かないで。僕がいるよ」

 とでも言いたそうに。それはまるで、小学生の時にからかわれて泣いて帰ってきた僕を慰めるルークの仕草にそっくりだった。

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