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晴れの日も雨の日も  作者: 遠藤 敦子
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 そんな僕にも街コンで転機が訪れる。誰にも興味なんて持てないと思っていたのに、女友達と来ていた中田(なかた)望子(もちこ)に僕は猛烈に惹かれてしまっていた。望子は他の女性参加者ほどガツガツした感じがなかったので、訊いてみると

「友達に連れてこられただけなので」

 とのことだ。僕と同じ仲間がいたこともあり、嬉しい気持ちになった。別に彼女なんて作る気もなかったのに、その場で望子と連絡先を交換する。もちろん連絡先交換を持ちかけたのは僕だ。

 翌週末、僕と望子は2人で飲みにいった。お酒が入っていたのもあり、お互いの連れの前では話せないような個人的な話もする。望子は僕と同じ25歳で、3ヶ月前に元彼氏と別れたらしい。僕は福岡にいた頃には彼女がいたけれど、京都に転勤になり、彼女が福岡から離れたくないとのことで別れを切り出された。それからは転勤族なこともあり、仕事人間として生きてきたというわけだ。

 次の日曜日に僕と望子は2回目のデートをする。2回目のデートでは京都のマンガミュージアムとカフェに行った。カフェから出て散歩し、鴨川で望子に告白する。こうして僕と望子はとんとん拍子に交際に発展し、結婚前提で付き合うことになった。


 結婚前提の交際ということもあり、付き合って1ヶ月半経った頃に僕は望子を実家の家族に紹介する。結婚報告というわけではないけれど、結婚前提に付き合っている彼女として望子を紹介したかったのだ。両親は望子を気に入っていたようだけれど、美紀だけはどこか訝しげな顔をしていた。美紀は子どもはいないけれど、昨年離婚し実家に戻ってきた。離婚経験者としての勘なのか女の勘なのかはわからないけれど、僕たちが帰ってからLINEで

「悠斗の彼女にこんなこと言いたくないけど……望子さん、何か隠し事とかしてない?」

 と美紀から送られてくる。美紀の言う「隠し事」が何なのかは僕にはいまいちわからなかった。望子に借金がある様子はなさそうだし、精神疾患があるようにも見えない。家族構成はご両親と望子の3人なので、身内に精神疾患者や犯罪者や介護が必要な人がいるという話も聞いたことがない。僕は美紀が言っていることについて疑うような気持ちだった。というか僕は街コンで初めて会った時から望子に一目惚れしたので、盲目的になっていたのもあるかと思う。いや、見て見ぬふりをしていたのかもしれない。


 その頃、僕は3ヶ月間アメリカ・テネシー州のナッシュビルに出張することになる。もちろん望子にも報告済みで、

「寂しくなるけど頑張ってね」

 と送り出してくれた。帰国後に同棲する家を見に行こうという話もしており、僕は望子との将来を思い描いていた。

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