表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

神様、婚約者様と聖女様が不貞を働いたそうですが?

作者: ぐりた

一応ざまぁものです。

いただいた感想を拝見し、4/26に一部加筆しました。

「レイチェル……私はもしかしたら悪魔に憑かれていたのかもしれない。」


そういうのは、この国の王太子だ。いや、元、王太子だ。

彼はその地位に似つかわしくなく、貴族が入る牢屋の中にいた。

一見豪華な部屋だが、豪華な部屋には鉄格子が張られ、鍵も内側からはどうにもできないようになっている。


私は牢に入っていながらも、身なりがきちんとしているというなんともアンバランスな王太子を鉄格子越しに眺めていた。



「そうでなければおかしいと思うことばかりだ。普段の私なら絶対にあのようなことしなかったはずなんだ。私のことをよく知っている君なら分かるだろう?レイチェル。」



知らねえよ。


そう大声で叫んでやりたいくらい腹が立っていたが、私は令嬢だ。

ぐっと耐えた。





私、レイチェル・リンドールは元々リンドール侯爵家の長女として生まれ、生まれた時からこの国の王太子であるエドワード・ヴェンキ様の婚約者だった。


幼い頃から一緒に苦楽を共にしたエドワードとはまるで家族のような関係で心地よかったし、たしかにそこに愛があり、私はエドワードのことが好きだった。

ああ、この人と結婚してこの国を守っていけるなんてなんて光栄なんだろう、とさえ思っていた。


その関係にヒビが入ったのは、聖女が現れた頃からだった。

そして、その時に私に天啓とも言える、衝撃的な記憶も蘇ってきた。



「レイチェル、聞いてくれ!

なんと、聖女様が現れたんだ。奇跡だよ!」



そうエドワードから聞いた途端に、前世の記憶が蘇ってきたのだ。


アメリカで生まれ育った日本人。

父親の仕事の関係でアメリカ、その後イタリアのローマに転勤した後に日本に帰ってきた、いわゆる帰国子女というやつだった。


この世界は前の世界と大して違いはないのだが、唯一違いがあるのは魔界と天界が確実に存在していること。(残念ながら魔法というものはない。本当に残念。)

悪魔といわれるものも天使と呼ばれるものも実在しているが、直接人間に手出しをしてはいけないという絶対的なルールがある。


天界側はそれをいかなる場合でも破ったことは今まで一度もない。

ただ、魔界側は度々その禁忌を破って人間の魂を狩ることがあったと言われている。何度も消され、学習した悪魔たちは、とても狡賢いやり方で人間の魂を狩り出している。


それは、心が弱った人間の心の中に入り込み、身体も心も乗っ取った後にその人間の身の回りの人間を無差別に殺して魂を食べるというもの。


人間が自ら悪魔に心と身体を差し出すように仕向けるため、直接手を下したことにならない。なんとも狡賢いやり方だ。


それに対抗する術は残念ながら人間にはない。せいぜい乗っ取られる隙を与えないように心を強く持つ。ということくらいだ。


天界側は悪魔のこの悪趣味な魂狩りに対抗するために聖女様を遣わす。

聖女様は言わば、前世でいうエクソシストだ。


だからこの世界で、「聖女」が現れるということは悪魔に魂を狩られる心配がなくなるから、とてつもなくありがた~~~~いお話なのだ。



ありがたやありがたや。


そう思っていたら、エドワードに「レイチェル?」と聞かれ、慌てて「聞いているわ」と答えた。



「本当に光栄な話ね。それで、今聖女様は教会にいらっしゃるの?王宮にはいついらっしゃるのかしら。」



この世界での「聖女」は、何も異世界から来るわけではない。

成人を迎えると、貴族平民関係なく全員が教会で洗礼を受け、神様からミドルネームのようなものを頂くのだが、その時に聖女のミドルネームである「アグネス」が付けられて、聖女だと発覚する。


聖女と発覚したあとは、悪魔を退ける方法を教会で学ぶ。

悪魔憑きと言われる人はみんな教会で保護されるから当然なんだけどね。

でもその前に、国民だけでなく各国にも「聖女が出たよ~」と知らせるためにパレードやパーティに参加してもらう。


その前に挨拶のために王宮にいらっしゃるのだが、もちろん準王族である私もその場に同席ができる。ラッキーだ!



「二月後の予定だよ。そうだ、聖女様だが君と同じ年齢の平民の女性だそうだよ。」


「まあ!それはお会いできるのがますます楽しみだわ。もう教会にいらっしゃるのかしら?」


「そうみたいだね。私たちだけでなく、各国の王族にも会うから今は礼儀作法を習っていると聞いたよ。」


「そうなの。」



聖女に選ばれることはとても名誉なことだが、教会で暮らすようになるし(別に帰宅してもいいが)、純潔であることが望ましいと言われているので、結婚もできない。

そして何より、悪魔と戦うようになる。どんな方法かは知らないが怖すぎる。


世界の人の幸せのために頑張ってもらうのだからと、聖女に選ばれた人の家には多額のお金が世界各国から納められる。

そして聖女自身にもお給金が出るので、一気に億万長者並みの生活になるが、その代償が大きすぎる。


私なら聖女になるのは絶対いや。



「私たちにとっては聖女様は大変ありがたい存在だけど、聖女様にも聖女になってよかったと思える日々を送ってほしいわね。」


「ああそうだね。本当にその通りだ。」



ニコニコ笑っているエドワードは本当に嬉しそうだった。





月日は経ち、ついに顔合わせの時ーー



「はじめまして。聖女の名・アグネスを賜りました、レナと申します。」



私の心配をよそにハキハキと話す、どちらかといえば妖艶な姿の彼女ーーレナは、一瞬でエドワードの心を掻っ攫っていった。



聖女様のパレードは他国にも宣伝するためでもあるので、かなり大規模なものになり、国全体が大盛り上がりだった。


本来ならば国王陛下と王妃様と聖女様の3名のみが参加するのだが、今回はなぜかエドワードがレナのそばに寄り添っている。


「エドワード様にそばにいてほしいです」と、レナ本人が熱望したからだ。


エドワードは顔を赤くさせて二つ返事で了承しており、国王陛下と王妃様に気遣わし気な目線を向けられた。


私は空気が読めるので、にこりと笑って頷いてみせた。



「あっ、申し訳ありません!婚約者でいらっしゃるレイチェル様がいらっしゃるのに!」



私たちのやりとりを見ていたらしいレナがすぐ謝ってきた。

前世の記憶も取り戻した私は、もちろん空気を読んで笑顔のまま答えた。



「レナ様、私をお気遣いいただきありがとうございます。お優しいのですね。レナ様がパレードで不安になるのは当然のことですわ。レナ様がしたいようになさっていいのですよ。」



そう言うと安堵してエドワードを見て顔を赤くしたレナ。


ああ、そういうこと。

レナもエドワードに惚れたのか。


そう気付いてまた哀れに思ってしまった。



そうか。聖女になったらもう結婚はできないんだ。

もちろんエドワードはこの国の唯一の王子なので、王政であるが故に子を設けなければならないし、この国は側室制度はない。

即ち、エドワードに恋をしてもそれは叶うことはない。悲恋になる。


……………えっ、私気まずくない?

エドワードもレナに惚れたよね?レナもエドワードに惚れたよね?二人とも相思相愛だよね?

でもレナは結婚できないし…。


えっ、気まず!

レナを想っているエドワードと結婚?

気まず!!!



すんっ、と表情をなくしたのはパレード、パーティも終わって家に戻った時。

さすが妃教育。表情の徹底も長年の教育の賜物だ。


パーティ中も二人は度々目を合わせて顔を赤らめていた。



ーー中学生かっ!!

そう何度も何度も心の中で思った。


しかも大勢の人がいるのに。

私もいるのに。

そっちのけで二人だけの世界に入っていたお二人。


気遣わしげな王様と王妃様と教会関係者たちに他国の要人たち。

この空気本当に気まずいんですけど。とエドワードに言いそうになったのを何度も何度も我慢した。



「本当に、何を考えているのかしらあの王子は。婚約者である娘がいるのに!」

「同感だな。配慮が足りない。何のためにあの聖女は教会でマナー教育を受けたのだ!」


とまあこんな感じで両親もカンカンに怒っていた。

当然だ。至極当たり前の感情だ。

しばらく教会にいたのはマナー教育もあったためだったのにも関わらず、あれだ。


聖女様はさ、もっと空気読んでこうよ。

そして、どう頑張ってもエドワードと結婚はできないってことに早く気付いて。傷つくよほんとに。


そして何よりエドワード。

私という婚約者がいる前で堂々と何やってんの?信じられない。そういうの前世ではバカとかアホとかクズとかいうんだよ。あら嫌だお口が悪すぎたわ。

もしかして聖女様と結婚できないの知らないのかしら?私は妃教育で知ってるけど。えっ、もしかして王太子教育では習わない、なんてことはないか。え?じゃあ純粋にバカ…?えぇ、大丈夫ぅ?



前までの私ならこんなことを思う前にきっと泣いていたに違いない。メンタルの部分では、前世を思い出して本当に良かった。





パレード、並びにエドワードと聖女様に不愉快な思いをさせられてから三ヶ月。


相変わらず不愉快、そして不穏な時が流れていた。


恒例ではパレード後は教会預かりになるはずの聖女様が、なぜか王宮にずっといる。

そのため、教会側が何度も何度も国に抗議をしているがなぜか国王は聖女様を教会に戻さない。



「エドワード、すぐに聖女様を教会に戻すべきだわ。どうして王宮に留まらせているの?もう三ヶ月よ。」


「レイチェル、何度も言わせないでくれ。レナは王宮にいたいと言っているんだ。それに、聖女としての役割もちゃんと本人は自覚している。

悪魔憑きが現れたら王宮にだって知らせが来るだろう?知らせが来たら行けばいい話なんだから問題ないよ。」


「でも、悪魔祓いの修行は積まなくていいの?それも王宮でできるの?誰も悪魔祓いの方法を知らないのに?」


「大丈夫さ。だってレナには聖なる力があるんだよ?悪魔だってレナを見たらすぐに逃げ出すに決まっている。それに、なんだかんだ悪魔なんて現れないよ。」


「何を言っているのよ。悪魔が出るかもしれないから神がレナ様をお選びになったのよ?」


「そんなものは所詮おとぎ話でしかないよ。君は本当に純粋だなぁレイチェル。

もしかしてレナに嫉妬しているのかい?」


「はあ………もう、本当に何を言っているのよ……。(殴りたい)」



教会の代表である教皇様が直訴しても話にならないということで、私にもどうにかできないかと相談があり、もちろん協力したのだがこんな感じで話にならない。

何度手が出そうになったか分からない程イライラさせられた。

一体どうしたというのか。


おかしなことは他にもあった。

レナに会いたいと言っても絶対会わせてもらえないのはもちろん、何より不審だったのは、王と王妃にも会えなくなったことだ。


元よりそんなに簡単にお会いできるお二人ではなかったが、アポイントさえとれないというのは異常としか言いようがない。



「リンドール侯爵令嬢でもエドワード殿下は動かないか…本当にどうしたものか。」



そう私の目の前で嘆いているのは、現教皇であり王弟であるフィリップ様。

御年30歳と教皇の地位に就くにはなかなか年若い年齢なのだが、それも成人の時に神から賜る名前で決まる。

教皇になる人の名前は3つあって、3つの中で一番位が高いのは「ペトロ」で、フィリップ様はこのペトロを賜っている。



「レナ様は一体何をしていらっしゃるのでしょうね。毎日毎日何もせず王宮に篭ってるなんて暇でしょうに。」



お茶を飲みながらの私の言葉を聞いたフィリップ様は、ため息をついたあと顔を上げて笑った。



「リンドール侯爵令嬢と話すとなんだか気が軽くなるよ。申し訳なかったね、協力を仰いだのはこちらなのにこのような弱音ばかり吐いてしまった。

これではどちらが教皇か分かったものではないな。」


「私との会話で少しでも気が晴れたのなら光栄です。」



絶対に今気苦労が絶えない人ナンバーワンはこの方だろう。

聖女に悪魔払いをしてもらいたい教会と、聖女をなぜか戻さない家族。

その間に挟まれているのだ。考えただけでも疲れる。



「ところで、私少々気になっていたのですが、悪魔祓いはどのようになさるのですか?図書館でも調べてみたのですが、やはり記録や記述はなくて。」


「ああ、では教会に来るといい。君は王太子の婚約者だからね。知っていても問題ないだろう。」



話題を変えるべく、前々から気になって調べていた悪魔祓いについて聞いてみると、意外にも簡単にOKが出た。



「ありがとうございます。」



やった!どうやるのか気になっていたのだ。教会に行く日が楽しみだなあ。

そうのほほんと思っていると、急に屋敷内が騒がしくなった。



「し、失礼いたします。王宮と教会からそれぞれ急ぎの連絡が…!」



と、私付きの侍女の一人が部屋に入って話しているのを遮り、それぞれの使者が部屋に転がり込むように入ってきた。



「失礼をお許しください!教皇様!お助けください!」


「教皇様!悪魔です!悪魔が王宮に!」


「なんだと!?」



穏やかでなさすぎる報告にフィリップ様とともに私も思わず立ち上がってしまった。



「フィリップ様!我が家の馬をお使いください。」


「それはありがたい!急ぎ王宮へ向かう!王宮付近にいる神父たちにも伝令を!」


「承知しました!」


「フィリップ様、私もご一緒いたしますわ。我が家の馬ですし、私が行かねばいらぬ誤解を招きます。」



誰も何も思わないだろうが。

デマカセを言うが、これまた意外にもさらりとOKが出た。

この方絶対疲れていて頭が回ってないのだわ。


とにもかくにも急いで4人で王宮へ向かうこととなった。

私はフィリップ様に乗せていただきその間に悪魔憑きには段階があることを教えてもらった。


第一段階は、本人に悪魔に憑かれている自覚がない状態で、悪魔が部屋のものを動かしたりするくらい。

第二段階で、悪魔はポルターガイストなどを起こして周りに自分の存在を知らせ始める。

第三段階で、ほぼ体を乗っ取り、元の人格でない状態が多くなる。

第四段階で、周り、もしくは本人に死をもたらす。


第三段階まで来ると、もうほぼ毎日祈りを聞かせて、第四段階への移行を遅らせることしかできないそうだ。


――そうしなけば、対象者が自害するか周りを殺害してしまうから。

しかし、ペトロクラスの神官様でさえも悪魔を完全に祓えないため、結局は自害をさせてしまうという。

悪魔を完全に祓えるのは本当に聖女様だけなのだと。



「絶対に私からは離れないように。」


「はい、わかりました。」



王宮に着いて一緒に報告を受けると、兵士の一人が悪魔に憑かれ、あっという間に何人もの兵士を殺害してしまったばかりか、聖女様のいる部屋へ向かっていたので王太子たちが防いでいるところだそうだ。

攻防戦を続け、王太子が大けがを負いながらも兵士を取り押さえ、現在鎖でぐるぐる巻きになっていると。


ちなみに聖女レナ様がいる部屋というのを聞けば、本来であれば王太子妃――私が数か月後に入り、生活するはずだった部屋にいると。



――いよいよ頭おかしいな。エドワードが。



そう思っていると、フィリップ様が他の神父様が持っていた聖水と聖書を持たせてくれた。

これで悪魔に乗り移られることはないそうだが、怖すぎる。


現場へ駆けつけると――


ぐるる、るるるるる………


そう唸り声をあげる、鎖でぐるぐる巻きになった兵士。

その周囲は血の海。その近くで応急処置を受けるのはエドワード。その傍らにいるのは聖女レナ様。

そのレナに神父様たちが「どうぞ悪魔をお祓いください!」と懇願していたが、レナ様は震えながら泣いてエドワードにくっついているだけだった。



使えねええええええ



「腹を括るしかないな……。神父全員で祈るぞ!もうすでに他者の命を奪っているところからすでに第四段階だ!取り囲め!」



きっと私と同じことを思ったフィリップ様がそう神父様たちに言うと、レナ様の近くにいた神父様たちや、他の兵士たちを守っていた神父様たちも悪魔に憑かれた兵士を取り囲み、聖書を開いて祈りを始めた。

フィリップ様も大声で祈りを続けるが、全く効いておらず、兵士は低い野太い声で笑った。



「祈りなど無駄だ。この国はもうすぐ我々のものになる!はははは!聖女に少し囁いてやっただけでこれだ!なんと簡単なものだ!」



"少し囁いた"ってなんだろう。



「そうだ、聖女だけでなくその王子にも礼を言わねばなるまい!聖女に手を出してくれて感謝するぞ、王子。聖女に力がなくなったおかげで、我々悪魔が自由に動けるようになった!」



その瞬間。

神父様たちの祈りの言葉が止まった。


だって、王太子が聖女に手を出したって言ったんだもの。

聖女は"純潔"であることが望ましい、とは本当だったようだ。

その聖女の大事な純潔が奪われている。

ということは、悪魔に対抗する術がなくなったということだ。


そんな絶望感が漂う中、フィリップ様だけが祈りを再開した。



「う、嘘だ!その悪魔は嘘をついている!皆、惑わされるんじゃない!!」



王太子が叫ぶが、悪魔というか兵士?は笑う。



「ハハハ!あんなに楽しんでいたのに、今更何を言っているのだ王子。言ってしまえば良い。聖女の純潔を散らしてしまったと!」


「やっていない!やっていないぞ!!」


「あの」



エドワードがみっともなく叫ぶ中、私は冷静に悪魔に話しかけた。



「あなたは物知りなようだけれど、それが本当の話だとしてどうしてそれを知っているの?」


「ふん。お前はなかなか聡いな。もう気付いているのだろう。」


「聖女様を操っていた、でしょうか?」



そう言うと悪魔は高々に笑った。



「操るなどと!己の欲望のままに動けばいいと囁いてやっただけだ!人間の欲望とは本当に愚かなものだ。そして脆い!」


「もう一つ。王様と王妃様にお会いできなかったのは?あなたが何かされたのですか?」


「聖女と同じく囁いただけだ。唯一我ら悪魔に対抗できる聖女を使い物にならなくしたのが、お前たちの息子だとな。」



ハッとして、私はそばにいた神父様に「急ぎお二人の安否を確認してください」と言うと、神父様も同じことを考えていたのか、すぐに兵士たちを動かしてくれた。


逃亡か、もしくは自害してなければいいが。

――責任をとってもらわないと。こちらにしわ寄せが来るのは勘弁被りたい。


その様子を見ながら悪魔はまた笑うのだ。



「代々の聖女はお前のように我らが入り込むような隙が一ミリもない女だったが、神も生ぬるい奴を聖女に選んだものだ。」



そう言われてまたハッとした。

気づいたら、私の体はもう動いていた。


先ほど兵士を動かした神父様が手に持っていた少し大きい十字架を取り、聖水に浸す。

悪魔に近寄ってその十字架で顔を殴った。



「あ゛あああああああああああああああ!!!!!!」



その瞬間、声にならない汚い声で兵士、いや、悪魔が叫んだ。

頬が火傷を負っている。


ーーき、効いたわ!前世の私、エクソシスト系の映画をちゃんと観ていてありがとう!そして神父様にも「これマジでやるの?」てくだらない質問してくれてありがとう!!!



「私、とても大切な使命を賜ったことに気付きましたわ。

お礼を申し上げます、悪魔。

ところで名前がないと何かと不便ですね。名前を言いなさい悪魔。」


「お、おのれぇええ!!!」



怒り、向かってくる悪魔に私は容赦なくまた聖水を浴びせるとまた叫び、のたうち回った。

近くにいた神父様が私を庇おうとしたのも、私が手で制してしまった。



「聖水をもっと浴びせられたくなければ名前を言いなさい。」


「名前など、なぜ知りたがる!!」



今度は十字架を見せてみると、明らかに怯えて顔を手で隠した。



「名前を言いなさい。」


「っあ゛ああああ!!!」



次は聖書で頭をぼかっと殴ると、髪の毛が抜け落ちた。

あら聖書も効くのね。



「……バアル!私は、バアルだ!」


「では。(えっと、たしか)

"バアル、父と子と聖霊の御名において命ずる、地獄へ帰り、二度と出てくるな"。」



名前が分かると悪魔に命令ができるから、名前を以て地獄に帰ることを命じるんだよ。と前世の神父様が言っていたので、その教えの通りに命令してみた。


うあ゛あぁああああ


そうしたら、悪魔はまた叫んだ。

兵士が両ひざをついて、天井を見て白目を剥きながら叫んでいる。


そしてついにはバタリ、と倒れて動かなくなった。

近づく勇気がないので、試しに自分が持っていた最後の聖水をかけてみるが――火傷にならない。

それを見て周りの神父様たちも兵士に近寄った。



「………令嬢…あなた、どこで悪魔祓いを……?

――いや、それより先に兵士を救護室へ!医者を手配してくれ!悪魔は去った!」



フィリップ様がこの場を先導して声を張ると、全員がバタバタと動き始める。さすがだ。


悪魔に憑かれていた兵士に近寄ると、兵士の火傷はそのままなのを見て焦った。

ごめんよ、髪の毛まで抜けちゃった……



「火傷は治るのでしょうか…。」


「前例はない。第四段階で生きていた者はいないからね。時間が解決するだろう。」


「そうなのですね。」



ということは自然治癒。

髪の毛はどうなのか。もう丸坊主にするしかないのだろうか。若いのに大変申し訳ないことをした。


ああ、主よ。私の罪をお許しください。今度教会に懺悔しにいこう。



「それよりも、リンドール侯爵令嬢。どこで悪魔祓いの方法を?というよりもあのような悪魔祓いははじめてだ…一体どこで……あぁ、いや、それよりも悪魔に話しかけるなど無謀だ!悪魔に身体を乗っ取られる可能性だってあったんだ!」


「そうですとも!危険極まりない行為なのは間違いありませんでした。

しかし……教皇様、!悪魔が!悪魔が祓われました!!!」



神父様の一人が怒られる私に駆け寄って、しかし笑顔で言うと、周りもわっと歓喜の声を上げ始めた。



「悪魔を完全に退けられたなんて初めてだ!!」

「聖女様なくしてこれは素晴らしい!」

「しかも兵士は死んでいない!!」


うおおおおお!と場が最高潮に盛り上がったところで、「レイチェル」という王太子の声が変に響いた。



「君はすごいな!悪魔を祓ったなんて!」



しかし、私は顔さえ向けずにフィリップ様に気になっていたことを尋ねた。



「それで、今後はどうしましょう。とにかく早急に各国に聖女様が純潔を散らしてしまったことを伝えねばなりません。」


「レイチェル、それは違うんだっ……」


「そうだね。あとは――君の悪魔祓いについて詳しく聞きたい。聖女がいない今、君のその悪魔祓いが我々の希望だ。協力してくれるだろうか。」


「レイチェル、話を聞いてくれ!」


「もちろん協力は惜しみません。実は、聖女様が現れたと聞いた時に前世の記憶を思い出しまして。前世で私悪魔祓いの方法を見聞きしたことがあったのです。」



そう言うと神父様や周りにいた兵士、侍女たちもまた安堵の声、そして歓喜の声をあげた。



「気になることがもう一つあるのですが…。

フィリップ様から聞いた話で考えると、今回あの兵士が悪魔に乗っ取られる段階がとても早く進んだように感じます。」


「私もそれは感じました。」



そう声をあげたのは、兵士を救護していた神父様。この方は王宮に勤めている方だ。



「兵士の異変を聞いたのは今日の昼、駆けつけた時にはもうすでに第四段階でした。」


「ということは、悪魔がかなり活発になっている証拠だ。

君の悪魔祓いの方法についても早急に広めないと悪魔に国を乗っ取られる国が出るかもしれない。大変なことになる前に動かねば…。

まずは私もリンドール侯爵令嬢の悪魔祓いをものにしないといけないな。」


「レイチェル!!!!!」



先ほどからずっとそばで何かをごちゃごちゃと言っていたエドワードだったが、ついに大声を張り上げた。



「何か?」


「何かって…!わ、私は王太子で、君の婚約者だぞ、レイチェル。」


「ええ、そうですわね。そして、悪魔にどこかの国が乗っ取られるかもしれない事態を招いている愚か者ですわ。」


「お、おろか………っ………あ、あんな悪魔の言うことを信じるのかい?はは…君は本当に…純粋だなぁ…ハハハ……」



ずいぶん引き攣った笑顔で青い顔で笑うエドワード。

私は手を頬に添えて「まあ!」と驚いてみせた。



「そうですわよね!悪魔の言葉をそのまま信じてしまうなんて。

――では急ぎレナ様の純潔を確認いたしましょう。」



その瞬間、エドワードの顔から色が抜けて真っ白になった気がした。

聖女のレナ様も絶望の表情でこちらの様子を見ている。



「そうだったね、まずは聖女様の純潔の確認が先だった。聖女様なくして悪魔祓いができたことに興奮していたようだ。ありがとうエドワード殿下。」


「あ、っ、いや……その、」



フィリップ様も周りも、エドワードやレナ様の雰囲気から純潔ではないことを察しているし、侍女たちの中にも慌てている者もいる。

しかし、王太子が「悪魔の言うことを信じるな」というのだから、確認しなければならない。

嘘をつくにしても、本当に浅はかだ。



「いやっ、いやよ!触らないで!」



そう抵抗するレナ様だが、抵抗空しく連れていかれ、後日処女ではないことを確認されたばかりか、妊娠していることが分かった。

聖女として選ばれた際に純潔を確認されているので、相手は言わずもがなエドワードだ。


レナ様は自分は王子に強姦されたのだと主張していたが、そもそも聖女でありながら悪魔の囁きに惑わされ、純潔を散らしてしまった張本人だ。問答無用で牢屋入りだが、聖女であることを考えて貴族牢に入れたことだけでも感謝してほしい。


次にエドワード。

傷の手当を済ませたあと、当然だが貴族牢へ入れられた。


王様と王妃様は、逃亡を図っていたのだが取り押さえられ、こちらも貴族牢に入れられた。

そして、次の国王となる公爵へ、仕事のすべてを引継ぎ次第、全員処刑される。


事態は急速に進んでいった。





そこから目まぐるしい日々が待っていた。


まず、私の悪魔祓い方法を身に付けるため、各国の教皇がやってきた。

神様から教皇になる最上位の名前、「ペトロ」を賜った教皇だけがいち早く悪魔祓いを習得し、その後に自分の国で広めていくこととなった。

ペトロを賜っている教皇は多くない。主要都市各国で5人だ。しかし今世の教皇は皆等しく年若い。


私が前世を思い出したことも併せ、これもまた神のお導きだったのだろう。


そしてもちろん、私が教えるので朝から晩まで教会に入りびたり悪魔祓いを繰り返している。

おかげで世間では私が"聖女様"だ。

しかしやっていることは、血なまぐさい悪魔との攻防戦で、一ミリも輝かしくない。



「レイチェル様。あの、エドワード様がレイチェル様にお会いしたいと…」



そんな中、貴族牢にいるエドワードから何度も何度も「会いたい」と言われている。



「今日は会わないと死ぬとおっしゃってるそうですが、いかがいたしますか?」


「はあ…」



エドワードに会っている時間さえ惜しいくらい忙しいというのに、あいつは暇でいいよな。

心の中で盛大な悪口を言いながら大きなため息をつくと、隣にいたフィリップ様に笑われた。



「まあ、明後日が最期だ。最後に話してきたらどうだい。好きだったんだろう?」



そう言ったのは、隣国のペトロを賜っている教皇様。

なんとまあ、集まった教皇たちはフィリップ様を筆頭にみんな美男子だ。



「産まれたときからの婚約者です。刷り込みのようなものでしょう。」



お茶を飲みながらそう言うと、教皇様イケメンたちが笑った。

前世ならここから乙女ゲームが始まるんだろうね。


――とはいえ、全員婚姻ができない立場なので、どうこうなることはないんだけれど。

でも言わせてほしい。――眼福である。


ただ、前世の乙女ゲームが始まろうものなら私は悪役令嬢確定だ。

こんなに体を張って頑張っているのに、断罪なんてされた日にはその国呪ってやる。



「はあ……行くと伝えてください。」


「承知いたしました。」



もう一生分働いてる気がする。いや、確実に働いている。

もう休みたい。そして一生遊んで暮らしたい。


神様、お願いだから洗礼で改めて誰かを"聖女"に任命してください。

そして、私にいい縁談を。聖女に婚約者を寝取られた上、誰とも結婚できずに一生を終えるなんていやすぎる。


とまあ色々考えてはいたものの、教皇イケメンの一人に会っておいでと言われたら……行くよね。


重い重い腰を上げて、私はエドワードがいる貴族牢へと足を運んだ。





「レイチェル!ああ、やっと会えたね。ずっと悪魔祓いをさせられているんだろう?かわいそうに。」


「……」



あんたが原因だよ



「レイチェル……私はもしかしたら悪魔に憑かれていたのかもしれない。そうでなければおかしいと思うことばかりだ。普段の私なら絶対にあのようなことしなかったはずなんだ。私のことをよく知っている君なら分かるだろう?レイチェル。」



知らねえよ



「私に悪魔祓いをしてくれないか?きっと悪魔がいるはずなんだ。」



無言のまま、私は服の中に隠れていた十字架が彫られた銀のペンダントを出すと、左右にゆっくりと動かした。

悪魔がついているのなら、目を動かしたときに目の白い部分にその瞳が見える。

これは教会の記録で読んだ。


――が、エドワードにはそれが見られなかった。



「…ああ、!十字架を見ると……!胸が苦しくなるんだっ、レイチェル!」



ペンダントを戻しながら、私はエドワードを見た。



「エドワード、悪魔が憑いていようと憑いてなかろうと、あなたは世界に大混乱を招いた張本人なのだから責任をとらないと。」


「だから!それはレナ(悪魔)のせいだ!!」


「そうだとしても、行為をしようと決めて実行したのはエドワードでしょう?」


「っ…………」



黙ったエドワードを見て、これ以上言葉を交わす必要もないと判断して踵を返すと、エドワードが不意に呟いた。



「どうして、私がこんな目に……」



その瞬間、プチン、と私の中の何かがキレた。



「神様!どうして私がこんな目に遭わないといけないのですか!?」



突然大声をあげた私に、看守の兵士たちやエドワードは体をびくつかせた。

そしてレナ様や王、王妃様も小窓から顔を覗かせてきたが、私はお構いなくエドワードに向かって怒鳴った。



「悪いのはエドワードなのに!明後日エドワードは処刑されて死んでおしまいなのに!私は生き地獄です!私だって誰かと結婚して子供を産み育てて、その子供の子供の顔まで見て死にたかった!普通の人生を送りたかった!これから死ぬまで死と隣り合わせの悪魔祓いをしなくてはいけない人生なんてあんまりだわ!私だって幸せになりたい!!誰か助けて!!!」



そこまで叫んでから、私はすんっと元の令嬢の顔に戻ってエドワードに微笑んだ。



「ちなみに、本物の聖女は悪魔憑きの人の前で祈るだけで祓えていたそうよ。

私のこれからの人生は命がけであなたの尻ぬぐい。素敵な人生をくれてどうもありがとう。」


「………っぁ、」



何かを言おうとしたが、何を言えばいいか分からないのだろうエドワードはへなへなとその場に座り込んでしまった。

それを気にも留めず、今度こそその場を去ろうと足を進めていると、王妃様の「ごめんなさい……」という小さな声が聞こえたが、聞こえないふりをして出た。


フィリップ様がその場にいたことは知らなかったが、大きな声を出したことで日頃のうっ憤が晴れた私はかなり気分が良く、午後からの悪魔祓いも難なくこなした。




そして処刑の日―――


私はもちろん立ち会わなかった。

市民から石を投げられる中、王家の3人はずっと私への謝罪を口にしていたそうだ。

元聖女様のレナは子供には罪はないということで、出産後に処刑、子供は教会に預けられた。





その数年後――――

やっと神から"アグネス"を賜る聖女が現れ、私はようやくお役御免となった。


この国にいては一生聖女でしかない私は家族に別れを告げて国を出た。

まだ25歳と前世ではピチピチだがこの世界においては結婚適齢期が過ぎているので、結婚は諦めた。

お金だけはたくさんあるので、これからの人生は私の好きに生きようと色んな国を見て回ることにしたのだ。


神様ありがとう。

これからの人生、私楽しく生きるね!



「お嬢さん、一人ですか?」



これから今世では初めての寝台列車に乗って次の国まで行こうと、列車を待っていると不意に声をかけられた。

―――フィリップ様だった。



「ど、どうしてここにフィリップ様が?」


「聖女様が現れたあとに新しく"ペトロ"を賜った青年がいてね。彼に引継ぎをして出てきたんだよ。」



なんと。ペトロも代替わりがあったのか。



「君の自由気ままな旅に、私も同行させてもらえないか?」


「それはもちろんいいですけど。よく私の居場所が分かりましたね?」


「なんとなく、だけど確信を持って君がここにいると思った。」


「まさに神様の思し召しってやつですね。さすが元ペトロ様です。」



ふふふと笑うと、フィリップ様は目を細めて笑う。



「数年前、エドワードに普通の人生を送りたかったと叫んでいたよね。」



と言われ、次の瞬間私は穴を掘ってその中に隠れたい程の羞恥心に苛まれた。



「聞いていたのですか…」


「様子を見に行っただけだったんだけど…君には本当に申し訳なかったよ。この数年間本当にありがとう。」


「もういいですよ。それはもう何百回と聞きました。一生分は聞いています。」



大げさではない。本当に一生分は聞いた。

今の聖女様にも言われた。神父様たちにも言われたし、新しい国王になった元公爵一家にも言われたし、各国の王家や教会関係者からも何百通と感謝のお手紙をいただいた。


部屋が手紙に埋まったのを思い出して苦笑すると、フィリップ様がふいに私の髪をすくった。



「私はペトロだったし、年齢も君よりはるかに上だったし、この気持ちは一生気付かないようにしようと思っていたんだ。」


「………ん?」


「私は君のことが好きだよ。」


「え」


「君、気付いていたでしょ?」



まあ、なんとなくは。

だって私、鈍くないし前世の記憶ありますからね!


でもこういう時になんて答えたらいいかは分からず、目を泳がせているとフィリップ様は笑った。



「なのに君は教会どころか国から出て行ってしまうし。出ていくと聞いた私の気持ち、分かるかい?」


「わ、分かりませんよ!だって、フィリップ様はペトロだったし!」



そうとも。分かるわけがない。

だってペトロは聖女と同じく生涯結婚できない人だ。だから、私も気持ちが芽生えそうになるのを「イケメンは困るなあ」という考えで押しのけていたのだ。


だってイケメンだものフィリップ様。

顔が良くて優しくて頼りがいがあって、何度も危ないところを助けてもらっていたら――



誰だって好きになるよ!!!!!!!!!



と、心の中で叫んだ。



「ペトロのままだと君を逃してしまうからどうにかしてくれと必死に神に祈ったよ。」


「教皇様が何やってるんですか……」


「それくらい君に対して真剣だと捉えてほしいね。願いが叶って今はただの男になれた。結婚もできるし、君の言っていた子供を作って孫の顔まで見ることもできるようになったよ。」


「!!」



かあっと顔が赤くなるのが自分でも分かった。

フィリップ様は私の頬を片手で包み込んで笑った。



「君の伴侶にしてくれないか?君のためにすべてを捨ててきた。」



その笑顔が死ぬほど格好良くて、私は困った。でも嬉しくて困った顔で笑うという難しいことができてしまった。



「仕方ないですね、私、お金だけはたくさんあるので養ってさしあげますよ。フィリップ様。」


「おや奇遇ですね。私もお金だけはたくさんあります。でも、君への愛もありますよ。」


「…私もありますよ。」



そう言って私たちはキスをした。

なんだか長年の苦労が報われた――そんな気さえした。



数年後、質素な結婚式を。と町の教会で二人だけの結婚式をしていたら、各国の教皇ペトロ様たちが大集合していて、イケメンみんなに祝福していただくという豪華な人生の門出を迎えた。

その後子宝にも恵まれ、私もフィリップ様も今までずっと忙しくしていたのがウソのように死ぬまでずっとのんびり楽しく平和に過ごした。





この世界の伝記では、神に選ばれ特別な記憶を持った娘が悪魔に魅入られた聖女と国を救ったと記された。救世主メシアと呼ばれた娘の名前はレイチェル。

聖女がたった一人で担っていた責任を分散させたことで、聖女の負担が一気に減少。

純潔が重んじられた歴史を覆し、その後聖女も婚姻が可能となる。

彼女は聖女にとっても救世主メシアとなったのだった。


そのレイチェルはその世界に生まれた女児に付ける名前としては最もポピュラーな名前となったそうだ。

はじめてのざまぁものに挑戦してみました。

誤字脱字報告、感想、ご意見いただけること、大変ありがたく思っております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
スピード感があって読みやすかったです ところで結局、その後の国は誰が治めたので?(見落としならすみませんが、気になりました)
バアル「聖女が堕落したんで乗り込んでいったらただの女にボコボコにされたあげく周りから余計なこと(聖女以外でも祓える)しやがって!とボコボコにされてつらい件」 のちにバカアルと呼ばれた悪魔である
コミカライズからお邪魔しましたが、元の作品がいいですね!スピード感もあって楽しく読ませていただきました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ