婚約破棄された令嬢は無意識にざまぁする。~こちら、現場のモブです。~
「君との婚約を破棄させてもらう!!」
「はい、承知いたしました!」
◇◇◇◇◇◆
夜会の中心で、急に起こった出来事。婚約破棄、それを見ていた俺_トルマリン・ジェイダイト_は隣の婚約者ジルコニア・タンザナイトとこそこそ話す。
「え?アホなの?」
「そこまでいっては可哀想では?ただちょっと、未成熟で認識が甘いだけでしょう」
ジェリーもなかなかひどいことをいっているのに気づいているのだろうか。いや、気づいていた上で言っているな。
未成熟_いつ成熟するとはいってないが。
認識が甘い_いつ甘くなくなるとはいってないが。
まぁ、そういうことだろう。
「しかし、姉さんも大変ですね」
「まぁあの人に大変とかいう概念があるのか分からないがな」
ジェリーと婚約破棄された公爵令嬢、クンツァイト・モルガナイトとはいとこなのだ。
「な、え?」
「あ、殿下がやっと再起動終わりまししたね」
なんてクンツァイト譲はのんきにしているしな。
「ん、ん"ん、お前見たいな嫉妬にかられる様な奴は未来の王妃にふさわしくない!!!」
「俺は、お前じゃなくこのシトリス・トパーズと結婚する!!!」
「そうですか!」
あ、無理やり進めたな。しかし殿下_スピネル=ラ=アレキサンドリア、無駄に名前が長い_は周りから失笑が漏れているのに気付いているのだろうか、まぁ気付けるような人だったらこんなことしないか。
「にしても、あんなやつが姉さんを相手どろうなんて100年、いや1万年は早いのに…」
「同意だね。アイアン令嬢を相手にするなら熊を相手にする方がまだ勝率はあるよ」
クンツァイト譲はアイアン令嬢として名高いのだ。
その理由は
「えぇ、分かっていますよ?私とあなたでは、天と地ほどの差があるから自分から遠慮しようということでしょう?」
「だって、こんなに可愛いハイパーパーフェクトアルティメットスーパービューティー公爵令嬢の私にはかなわないですものね?」
とまぁ、こんなふうにどんな嫌味も跳ね返してしまうからだ。まぁ、公爵令嬢なため表立って言われることはあまりないが…
「姉さん、自分のことになると饒舌になるの変わってないね」
「あはは、まぁアイアンハートだからね」
「アイアンハートとは違う気がするけど…
まぁ、人気も高いからいいんだけど」
アイアン令嬢の元はアイアンハートからきているのだ。あ、クンツァイト譲のマシンガントークがまだ終わってない。
「私も婚約破棄には賛成ですよ?貴方みたいなバカはちょっと…」
「バカとはなんだバカとは!!!」
「ひどいですクンツァイト様!スピネルはとてもカッコいいんですよ!」
「あぁ、我が愛しのシトリス…」
「スピネル…」
「あ、貴方がいたの忘れてましたわ」
急に始まった茶番(笑)!
だがこの空気をぶったぎってくれるのが皆さんおなじみクンツァイト譲!
…うん、慣れないことをするのは止めておこう。
「しょうがないじゃないですか、貴方もそこそこだけれどそれよりも可愛い私と言うものがあるんですよ?」
「霞んでしまうのは当然!自然の理ですよ?」
心底わからないみたいな表情で言うものだから納得してしまいそうになる。可愛いのは本当だが。
「そろそろめんどくさくなってきたね」
「何もしないのもつまらないからね」
『つい、いたずらしても仕方ないよね?』
ジェリーとアイコンタクトをしそして、周りに聞こえるように腹話術で話す。こういうときに腹話術は便利だ。
「ふ、ははは。殿下は本当にバカなのか?」
「あはははは。もうこらえきれない」
「な!!いまの声は誰だ!!!」
「不敬だぞ!!!」
いたずら成功。ジェリーとニヤリと笑う。殿下は激昂しており、怒りと恥ずかしさで顔が赤く見える。
一方、クンツァイト譲はそれに同意という様にうなずいている。
と、夜会の扉が開かれる。
「お嬢様、お迎えに上がりました」
「じゃあ、帰りましょうか。
貴方たちも一緒にどう?」
「ジェリー、どうする?」
「帰りましょう。姉さんの話を聞きたいわ」
あら、じゃあこの完璧な私の話を聞かせてあげると笑いながら優雅な動作で扉の前に歩いていく。
「ま、まてっまだ話は…」
「それでは、ごきげんよう」
バタン。その日、一人の王子の未来は暗いものになった。
◇◇◇◇◇◆
「あはははははははは。お腹痛い!」
「ジェリーって本当に態度が変わるよね」
「この私に出来ないことなんてないのよ!私は完璧なのだから!」
夜道を走る馬車の中には混沌が広がっていた。
…あれ?誰か忘れてる?
はーい、初投稿です。
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