正義の存在理由 声劇台本
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登場人物表
ヒーロー♂:
ヴィラン♂♀:
ヒーロー「とうとう追い詰めたぞ!ヴィラン!さあ、俺がお前の悪を止めてやる!」
ヴィラン「ははは、僕がそう単純に終わるやつだとでも思うのかい?」
ヒーロー「まだ策があるって言うのか?」
ヴィラン「いや、正直もう限界だ。僕はもうすぐ死ぬだろう」
ヒーロー「……珍しく素直だな?」
ヴィラン「だけど、ただで死ぬのは惜しいからね、最期に君に愛の告白とでも思ってね」
ヒーロー「なんだ、気持ち悪い」
ヴィラン「君は、自分の始まりを覚えているかい?」
ヒーロー「はじまり?」
ヴィラン「ヒーローとして活動をはじめた理由だよ」
ヒーロー「そりゃあ、お前たち悪の組織が活動をはじめて」
ヴィラン「違う」
ヒーロー「は?」
ヴィラン「お前は、物心ついた時から正義感が強く、悪いやつが許せない。そうじゃなかったか?」
ヒーロー「それは、そうだな」
ヴィラン「だがな、世界は思ったより平和で複雑で、派手な悪なんて存在しない。そうだろ?」
ヒーロー「派手な悪代表が言えたセリフか?」
ヴィラン「僕は君をずっと見てきた」
ヒーロー「何の話だ。命乞いならもっと分かりやすく」
ヴィラン「違う!むしろ僕こそ、君とこの世界の延命措置だ!」
ヒーロー「はあ?」
ヴィラン「君がただの正義感の強い青年ならこんな事にはならなかった。だが、君は持っているエネルギーが強すぎた」
ヒーロー「なんの、話だ?……」
ヴィラン「本当は分かってるんだろ?ヒーロー。そのままのエネルギーで一般的な悪に対応してたら、人を殺すか自分を殺す」
ヒーロー「まさか、そんな」
ヴィラン「そう、まさかのまさか。僕は……君のために生まれたんだ」
ヒーロー「嘘だ!嘘だ!」
ヴィラン「そう信じるなら僕にトドメをさしてみな。君は、何度もそれを繰り返す」
ヒーロー「うわぁ!!」
ヴィラン「うっ!……それでいい。君の正義感は、僕しか受け止められない」
ヒーロー「死ね!悪が!」
ヴィラン「……愛してるよ。ヒーロー」
ヒーロー「そんな、そんなはずは無いんだ……あれ、なんだこれ?俺から剣につたって、何だこの気持ち悪い光……ヴィラン?」
ヴィラン「……はは、随分分かりやすい愛し方だね、ヒーロー」
ヒーロー「復活、した!?……姿も微妙に違うような」
ヴィラン「これが君の望みさ!より強くなって僕が帰ってくる。……こんなに早いとは思わなかったけどね」
ヒーロー「……これが、俺の、望み?」
ヴィラン「……どうしてだろうな、こんな事、世界の迷惑でしかないのに……さあこい、ヒーロー!」
ヒーロー「なるほど、そうか、俺は……人を救いたいんじゃない。お前を倒したいんだな……ヴィラン!」