EP4 ロリコン
現世から異世界に召喚され、そのまま帰れなくなったコトハは、女騎士に連れられ、彼女が泊まっている宿屋の一室へと案内された。
「ここが私の部屋よ。
女同士だし、あんまり
気にしなくて大丈夫だから。」
「は、はい……。えっと……。」
「あ、そうだ……。
自己紹介がまだだったわね。」
「私の名前はローリエ。
ローリエ・コンスターチ。」
「ろ、ローリエさん……。
よ、よろしくお願いします……。」
コトハは人見知りだ。まだローリエに慣れておらず、かなり緊張した様子を見せている。
「うーん……。コトハちゃん。
親睦を深めるためにも、
一緒にお風呂入りましょ?」
「……えっ!?」
突然の提案に、普段大人しいコトハもさすがに大きな声を出して困惑していた。
「あ、あの……。え、えっと……。」
ただでさえ人見知りなのに見知らぬ女性とお風呂に入る。想像しただけで恥ずかしくなり、コトハは顔を真っ赤にしながら慌てている。
「そんな恥ずかしがらなくても
大丈夫だから……!温かいお風呂で
ゆっくりリラックスすれば、きっと
気持ちも落ち着いて、おうちにすぐ
帰れるようになるから……。」
「じゃ、じゃあ私ひとりで入ります……。」
「駄目ッ!!」
「えぇっ……!?」
ひとりで入るというコトハを即止めるローリエ。コトハは何が何やら分からず混乱していた。
「え、えっとぉ……。ほら、
この世界はあなたの世界と
違うから……。お風呂もきっと
あなたの知ってる物と違って
困るかもと思って……。」
「そ、そうですね……。」
コトハはようやく納得し、渋々ローリエと入浴することに決めた。
ならばさっそくと脱衣所に移動し、衣服を脱ぎ始めるローリエ。コトハはもちろん、母親と全く違うローリエの若々しくハリのある、はっきりとした凹凸の女性らしい身体付きに、恥ずかしさは倍増していた…。
「じゃあコトハちゃんも。」
コトハはローリエに服を脱がされ、すっぽんぽんにされてしまった。相手の裸も自分の裸も恥ずかしく、コトハは真っ赤な顔を覆いながら、浴室へと入っていった。
シャワーがあり、湯船がある。拍子抜けするほど、コトハの世界と何も変わらない設備がそこには備え付けられていた。
「じゃあコトハちゃん。背中
流してあげるからそこに座ってね?」
「は、はい……。」
「はぁ……はぁ……。」
荒い息遣い。まるで発情した獣のような声が浴室の一角から聞こえ始める。ここにいるのは幼女のコトハと女騎士のローリエだけ。そんな声が聞こえる訳がなかった。
「はぁ……はぁ……。
うひ、うひひひ……。
じゅるる……。」
そんな訳はないのに、さらに不気味な笑い声とヨダレを啜る音まで聞こえ始めた。一体何者がこの浴室に侵入しているのか。
(こ、コトハちゃん髪綺麗……。
肩ちっちゃい……。背中すべすべ……。
お、お尻かわ、可愛い……。)
ローリエだった。なんとコトハに欲情しているのは騎士で同性のローリエだったのである…。
(こんな極上の幼女が
ゲット出来るなんて
超ラッキーだったわ……。)
(でも私は雇われの騎士……。
こんなところで問題を
起こす訳にはいかない……。)
(コトハちゃんにバレない程度に、
ほんの少しいやらしいことを
して、本当に少し、ちょっとだけ
た、楽しみたい……。)
ローリエは騎士であることに変わりないのだが、超が付くほどのロリコンだった…。完全にコトハのことを異性のような対象として認識し、犯罪スレスレのことをしでかすつもりだった…。
「じゃ、じゃあコトハちゃん。
お、お背中洗いますよ〜。」
「は、はい……。」
コトハの背中を、石鹸で泡立てた柔らかいたわしのような物で洗い始めるローリエ。コトハはその少し硬くも柔らかい感触に気持ち良くなっていた。
(すべすべだ……。凄い……。
石鹸の方が負けてるレベルに
すべすべだわこれは……。)
あまりにも綺麗なコトハの背中を、鼻息を荒くしながら洗い続けるローリエ。そして、ついに…。
「じゃ、じゃあ次は前の方、
し、失礼しや〜す……。」
「ひゃうっ!?」
ローリエに胸を触られ、くすぐったさと恥ずかしさでコトハは飛び上がった。コトハの胸はほんの少しだけ発育し始めていた。その僅かな膨らみにローリエの興奮はさらに高まっていた。
(こ、これはヤバイ……。
何この微かな膨らみ……。
い、いやらしいにも
程があるわ……。)
「うぅ……あっ……。」
コトハの口からも少女らしからぬ声が漏れ始めてしまった。ローリエはこれ以上はマズいと思いながら手が止まらなくなる。
「こ、コトハちゃん……。
だ、大丈夫……。大丈夫だから……。
うへ、うへへへへ……。」
「はぁ……んんっ……!」
その時、コトハの“絶対禁忌”が発動した…!コトハのスキルはもう、ローリエのことをコトハに害を成す“敵”と認識していた!
「う、うわあああああっ!?」
ローリエは吹き飛ばされ浴室の壁に叩き付けられた。
「な、何……?」
「あ、あの……!
だ、大丈夫ですか……!?」
裸のままとんでもない格好ですっ転んでいるローリエ。コトハに心配され、咳払いをひとつするとローリエは平静を装った。
「ちょ、ちょっと石鹸で
転んでしまったわ……。
いやぁ、危ない危ない……。」
(い、今のはなんなのかしら……。
コトハちゃんが使った力の
ようだったけど……。)
ローリエは変態的なプレイは一旦ここでやめ、紳士、いや淑女的にコトハの身体を洗い終え、体に付いた泡を洗い流した。
それから自身の身体も洗い終え、先に湯船に入れていたコトハと一緒に入ろうとする。
「あ、あのっ……。狭いですし、
私、もう出ますっ……!」
散々身体をいじくり回され、ローリエに微かに警戒心を抱き始めているコトハは、そそくさと入浴をやめ、一人で浴室から出て行ってしまった。
「あっ!コ、コトハちゃん……。
私の夢の一緒にお風呂計画が……!!」
「……ごくり。コトハちゃんの残り湯。」
そう言いつつ、コトハが浸かった残り湯に気が付いたローリエは、そのまま一人で入浴を楽しむのであった。いろんな意味で…。
コトハは身体、髪をタオルで拭き、ローリエが何故か持っていた子供服に着替えていた。ドライヤーがないので、もう一枚あったタオルで髪を纏めた。ひとっ風呂浴びたコトハはなんだかんだ心地よくなり、ベッドに横になり目を瞑りながらひと息付いていた。
眠るつもりはなかったが、心身ともに疲れ果てていたコトハは、そのまま吸い込まれるように眠りに落ちた。
「コトハちゃん。上がったわよ。」
ローリエが入浴を終え、着替えて脱衣所から出て来た。そして、眠っているコトハに気が付いた。
「Oh……。」
コトハを起こさないようにそーっと近付くローリエ。そして、匂いを嗅いだり舐め回すようにコトハの全身を観察していた。
「起きなそうなので、また
ちょっとだけイタズラ
しちゃいま〜す……。」
コトハの服のボタンをひとつずつ外していき、胸の辺りの肌がどんどん露出していく。背徳感にローリエの興奮は最高潮に達していた…。
「げへ、げへへへへ……。
こ、コトハちゃん……。
げへへへへへ……!!」
その時、この部屋に設置されている窓が割られた…!ガラスが割れる音が辺りに響き渡る…!
「な、何……!?」
「少し気になって様子を見に来たら、
あんた一体コトハちゃんを
どうするつもりだぁっ!?」
そこにいたのはドヘターレだった。コトハが結局心配になり、実はふたりが宿屋に入るのをこっそり見ていたドヘターレは、そのままふたりの部屋が見える場所で張り込み続けていたのだった。
「チッ!!」
ローリエは見られてはマズい物を見られ、そのまま宿屋から逃走した。
「な、なんなんだあの
変態女は……。」
恐ろしい物を見たドヘターレは激しく動揺していた。だが、なんとか幼い少女の貞操を守ることが出来、ひと安心していた…。