事後
読んで字の如く、事後トーク。
可愛い子にはかなわないの子達です。
「ろっかぁ」
事後、裸のままで転がっているとそのまま後ろからのしかかられた。
耳元で名前を呼ばれる。くすぐったくて笑った。
「なに」
「呼んだだけー」
「なにそれ」
背後の頭を手探りで掻き撫でる。含むような笑い声が聞こえて、肩に口付けられた。
女同士の情事なんて考えたこともなかったけど、今となっては自然なことだ。
慣れって怖い。この環境にも関係にももう慣れている。
「ねえ六花ちゃん」
また呼びかけられて肩越しに振り向く。近いせいでよく見えないけど、梓の顔が近くにあるのはわかった。
「あずね、男みたいな格好してても別に男になりたいわけじゃなかったんだ。でもね、最近男にもなりたいって思うときある」
「ふうん?」
顔が見える程度に距離を取る。梓の長めの前髪を指先で払ってやりながら続きを待つ。
梓はきちんと目が合うとふんわりと微笑んだ。
「えっちのとき、男ならもっと深く繋がれるのになあって」
すり、と懐くように額を合わせる。
「男なら、もっと底まで六花ちゃんを汚せるのに」
「…へんたい」
「知ってるー」
啄むように口付けられて、同じように口付けを返す。
それだけで心底嬉しそうに笑う梓は、今まで見たどんな女の子よりも可愛くて。
「…私はそのままの梓が好きだから、そのままでいてよ」
それに、と続ける。
「それこそ梓のママに殺されるから、そのままでいて」
そういうと、梓は吹き出してけらけらと笑った。
恋の変化でちらりと出てましたが、梓ママは梓を女の子らしい女の子にしたかったのです。
今でも親子デートと称して、その日だけはめちゃくちゃ女の子らしい格好で親子で出かけるイベントがあったり。