そんな、人生がいい。
珍しくポエムです。
例えば、正義のヒーローみたいな。
困っている人を見かけたら、すぐにそっちへ飛んでいく。自分を犠牲にしてまで誰かの生き方に影響を及ぼせる、そんな心の強さがほしい。
だけど、悪いものを悪いとだけ決めつけて押し潰す、そんなヒーロにはなりたくないな。
例えば、魔法使いみたいな。
魔法を使って、何でもなりたいものになれる。
自由に羽ばたきたくて鳥とか、のびのびと形や考え方を変えながら過ごしたくて雲とか。
色々な体験が出来て、濃い人生になりそうだ。
だけど、その魔法を、誰かの幸せを願って使えるような、そんな魔法使いになりたいな。
例えば、勇者みたいな。
誰かを守る強い意志と勇気があって、どんな困難にも立ち向かえる。
だけどその勇者は、一体どこでそんな強さを手に入れることが出来たのだろう。どうせなら、それが明確な、本当に強い勇者になりたいな。
例えば、天才みたいな。
何でも自分の頭で閃いて、色々なものを発明する。それは時に、人を幸せにするものだったり、はたまた、命を奪うものだったり。
その頭を使って自分で判断し、上へのぼるための階段を作りたい。そしていつか、世界を平和にしてみせたいな。
結局僕がなりたいと願うものは、皆何かのために行動できる人だ。
他人のためか、自分のため、もしくはその両方。それぞれ、実現するための力を持っている。
だけど僕にはそんな力なんてなくて、だから僕は、本当は、
何かのために行動できる人に手を差し伸べて貰えるような、そんな弱くて守りがいのある人になれたらいいと思う。
自分のために、ずっと傍に寄り添って生きてくれる、そんな人が欲しい。
願えど、僕を助けてくれる人なんていなかった。
正義のヒーローも魔法使いも勇者も天才も、守りたいものしか守らない。僕のことは守らない。
もしかしたら、芯の強い人なんて本当はいないのかもしれないな。
皆、弱い芯を分厚い外面で覆って、そうやって、生きていくんだろう。
皆がそうなら僕もきっと、
そんな、人生がいい。
珍しくポエムでした。