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変身能力


「ルル……前よりも大きくなった」

「おおー! でけー!」


 バサァ! っと翼を大きく広げてルーフェが空高く舞い上がる。


「ルルーン!」


 試しの飛行を終えて、ルーフェはリーサの前に降り立ち、頭を下げる。


「チドリ、リーサ乗る? ルーフェ、チドリとリーサを乗せて飛んでみたい」

「乗せてくれるって言うなら乗っても良いけど……落ちたら怖いな。まあサンダーソードでどうにかなるか」


 高い所からでもサンダーソードで電気を放てばゆっくりと降りられるし。


「うん……ちょっと怖い……けど」

「リーサ」


 サレルがリーサに心配するように声を掛けるが、リーサは振り向いて首を横に振る。


「ルーフェが乗せたいみたいだから、応えたいの」

「何かあったら承知しないからな」

「ルル! ルーフェ、リーサを絶対に傷つけない!」


 バチバチとルーフェとサレルがにらみ合いを始める。

 何だか仲が良くなってるなぁ。

 ただ、そんなやり取りも長く続かず、リーサとルーフェは俺の方を見る。


「わかったよ。少しだけね」

「ルル!」

「じゃあチドリさん」

「ああ、リーサは俺の前に……ルーフェ、落ちないようにしてくれよ」

「うん!」


 俺はルーフェの乗ってほしい所……首の所にリーサを先に乗せ、その後ろに乗っかる。

 バサァっと先ほどと同じようにルーフェが飛び上がる。


 お、おお!

 地表が徐々に遠ざかり、前を向くと遠くまで見渡せるようになった。

 馬は前の異世界で乗り慣れていたけど、ワイバーンなんかはほとんど乗った事がない。

 ドラゴンの背に乗って飛ぶなんて夢みたいだ。

 こりゃあ凄いな。


「凄い……遠くまで見える」

「ルルーン!」

「ルーフェ、重くないか? 飛ぶのは維持できるのか?」

「だいじょーぶ! おもくなーい」


 それは何より。


「いいなー! いいなー! 俺達も後で乗せてもらおうぜ!」

「だな! ルーフェネット、すげー! あんな姿になるだなんて!」

「ヴィーヴルじゃなかったんだぞ。わかってんな?」

「うっせ、そんなの後だろ」


 妙な言い争いの声が聞こえる様な気がするが無視しよう。

 とにかく、俺はルーフェの背から周囲を見渡し、飛ぶ楽しみと言うのを存分に味わったのだった。




 一頻り飛んだ後、ルーフェは地面に着地して俺達を降ろした後、サンダーマジックジュエルドラゴンの姿へと戻った。


「あれ? 俺達は?」


 冒険者達が順番って感じで自らを指差す。


「後で。チドリ、確認大事。ルーフェを見てー」

「はいはい」


 ルーフェは冒険者達にそう答えた後、俺の足元に駆け寄ってきて電気マッサージを要請してきた。

 確認はある程度終わったもんな。

 こっちでも把握した方が良いのはわかる。

 俺はルーフェの背にサンダーソードを当てて電気マッサージを意識する。


「ルル、力が漲って来るールルルー」


 おや? もだえる様な感じではなく、凄くリラックスしたように全身を伸ばしているようだ。

 ただ……スタータス表示が前よりも時間が掛るな。



 ルーフェネット Lv62 メス 種族 サンダーマジックジュエルドラゴン □□□□□

 習得技能 力向上4 魔力向上6 知識向上6 生命力向上5 早さ向上8 視力向上7+1

 ドラゴンパワー6 クローマスタリー3 竜魔法4 魔力操作5 電磁飛翔 サバイバル技能5 品質鑑定5 家事技能5 料理技能2 掃除洗濯技能2 味覚 竜の鱗 翼の盾

 火耐性4 水耐性3 雷吸収 野生の力5 回避技能6 ファイアマスタリー4 ブレスマスタリー5 スカイライドドラゴン3

 人語理解4 四竜の想い 原初の力 貯蓄放電 魔宝石の煌き 魔石吸収向上 変身

 アンバーソードボア

 EX技能 プラズマドラゴンブラスト

 スキルポイント 7



 習得技能に大きく変動が掛っているようだ。 

 スキルポイントが少し増えている。

 変異によるボーナスって事で良いのかな?


 能力値は……うん。

 力と体力が下がって魔力と知性、それと早さが上がっている。

 なんとなく見た目通りな感じだ。

 サンダーマジックジュエルドラゴンの種族項目を確認。



  ○ー○┐

 ○┘  ○┐

      ○ー◎



 まだ変異先がある様でよかった。

 ただ……どの魔石が必要なのか確認してもその全てが名前すら分からない。

 ヒントすらないのはお手上げだとしか言いようがない。

 もしくは何かしら努力することでヒントが開放されて行くのだろうか?


「ルルー……パリパリ……美味しい」


 おそらくルーフェが電気マッサージで悶絶せずにリラックスしているのは雷吸収の技能が宿った所為かな?

 ちょっと出力を上げてみよう。分かるようになるかもしれないし。


「ル……ルルゥウウウ」


 お? 少し眉を寄せて尻尾を噛み始めた。

 どうやら限界がありそうな雰囲気だ。

 項目の変化も無いし、出力を元に戻す。


 変身の項目は……どうやら別種のドラゴンに姿を変える事が出来る技能の様だぞ。だからドラゴンウォーリアーの姿にも、飛ぶドラゴンの大きなドラゴン姿に成れたって事で良さそう。

 どこまで制限があるのか項目を見てもわからないな。

 実験をするしかなさそうだ。


 EX技能ってなんだ?

 項目を確認……貯めた雷を解き放って放つ必殺技みたいだ。

 なんていうか俺がサンダーソードを愛しているからルーフェも俺の為に雷に特化した姿を得たともいえる構成になったようだ。


「よし、こんな所だな」

「何がこんな所なのかわからねえけど、やったなルーフェネット!」

「ルルン!」

「さて……じゃあイストラの街に帰るか」

「ルルン! 近くまで送る! みんなルーフェの背に乗るルー!」

「よっしゃー!」

「飛ぶドラゴンの背に乗って移動なんてロマンだぜ!」


 ここでサレルが眉を寄せていたが、特に問題も無く俺達はルーフェの背に乗り、イストラの街近くまであっという間に移動する事が出来たのだった。

 ちなみになんで近くだったかと言うとルーフェが街に降りると騒ぎになるからと、なんか周囲への配慮を考えての事だった。


 こう……ルーフェも俺達との生活をしている内に学んでいるんだなと、変異による大幅な変化を抜きにして、理解する出来事になったのだった。

 ああ、もちろんルーフェが持っていた斧や付けていた首輪は持って帰っているぞ。


 今のルーフェに首輪は……サンダーマジックジュエルドラゴン姿だと、タスキみたいになってしまっているけどさ。

 アクセントとしては可愛いんじゃないか?

 見たことも無い小型のドラゴンに街の人達の興味の目が気にはなったけどさ。




「こりゃあ世紀の大発見じゃのう!」


 シュタイナー氏が騒ぎを聞き付けてやって来るなり、サンダーマジックジュエルドラゴン姿のルーフェをマジマジと観察を始めた。

 俺達は今、家の庭で集まっている。

 これから出発の準備をする為だ。

 ちなみにレナさんやアルフレッド、孤児達も騒ぎに駆けつけてくれた。


「ルル……」


 研究者肌の人間に対してルーフェは苦手意識を持っているので、怖がるように俺に引っ付いている。

 巨体が売りのドラゴンウォーリアーが今や怯える子竜としか言いようがない状況だ。

 もちろんルーフェはシュタイナー氏が悪人ではない事は理解しているので、露骨に嫌がる素振りはしないのだけどさ。


「おお、すまんのう。怖がらせてしまったかの」

「ルル! 大丈夫! でもルーフェの体を弄られるのはイヤ」

「それは非常に残念じゃのう……学園の者も見たら目の色を変える変化じゃぞい」


 それは間違いないだろうな。

 希少な種族という事で狙われたりは……ルーフェ自身がそれなりに強いので簡単にやられたりはしないだろう。


「サンダーマジックジュエルドラゴンと言う名前だけはわかったのですが……」

「ふむ……何かの伝承で見た覚えがある名前じゃが……ただ、目撃例が無い等しい所を見るに、もはや幻想と呼べる種になるのう」

「なんでそんなに? もしや姿を変える事が出来るのが原因ですか?」

「変身能力を持つドラゴンなのかの?」

「ええ……ドラゴンウォーリアーや大きな飛ぶドラゴンの姿にもなれます」

「そうなると擬態能力から人々の目に入らず生息しているという可能性もある」


 ああ、なるほど。

 別種のドラゴンに変身し続ける事で本当の姿を知られずに済んでいる……なんて可能性もあるのか。

 それならより一層発見は困難となる。


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