プロローグ(始まりの日)
下手な文章ですが、楽しんで頂けると嬉しいです!
「貴女…私の執事になりなさい…」
「え…?」
桜が咲き誇る季節のある日、黄金色の髪をした少女からそんな言葉を掛けられた。
「あの、意味が…」
「二度は言わないわ。」
急な誘いに戸惑いながらも言葉の意味を確認しようとしたが、遮られてしまった。
結局、そのままずるずると引っ張られ、白のリムジンに乗せられる。
ボクに、選択肢を与えてください…お嬢様…(ToT)
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やっと見つけたわ…桜木桜花
私の目に狂いは無い、特別なんだから。
「貴女…私の執事になりなさい。」
絶対に貴女を…幸せにしてあげるから
そんな意味を込めて言ってはみたが、彼女は慌てながら何かを言おうとした。
「あの、意味が…」
「二度は言わないわ。」
言おうとしたが、ばっさり切ってあげた。
時間もあまりないので、桜花を引っ張りじぃやの乗っているリムジンへと連れていった。
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「あ、あの…ボク女なんですけど…」
「分かってるわよ?」
「じゃあなんで…」
、、、、、
「貴女だからよ」
「ボク…だから?」
「特別の私に特別で可愛らしい執事、最高じゃない?」
「か、かわいいって…」
ただでさえ美人であるお嬢様に可愛いと言われ照れてしまう。
奏聖奏お嬢様、世界でトップレベルのゲーム会社、奏聖堂のご令嬢だ。
現在、お嬢様の家に居るんだけど…
大きな門(真ん中にバラの紋章)、綺麗な庭園、フロントに噴水と、自分がここにいて良いのだろうか、と思わせるような物ばかり。
「あ、あの…」
「あら?お茶のお代わりが欲しいの?」
「い、いえ…その…」
「ふふ、何で貴女を執事にしたのか、気になってるんでしょ?」
「は、はい……」
優雅に微笑みながらアップルティーを飲むお嬢様。本当に綺麗だと思う。
「実は、貴女の話を聞いてね…?」
「ぼ、ボクの…?」
「えぇ、家事全般に友人の世話など完璧で、加えて成績優秀で、スポーツ万能、聞けば日本の記録を塗り替えたそうじゃない。」
「え、えぇ!?」
確かに家事もお世話も好きだし、成績はいいけど…記録を塗り替えたって…
「ほら」
あれれ?と悩んでいるとお嬢様がタブレットを操作し、ボクの写真と記事を見せてきた。
『Y市の美少女、日本の100m記録を塗り替える!』
「ほら、貴女は気づかないうちに凄いことをしてるのよ?」
「いやいやいやいや、ありえませんよ!」
「そんな謙遜しなくてもいいのに」
「してませんよ!!」
そうツッコミをいれると急にお嬢様がキレ始めた。
「あーもう!なんやかんや理由を付けて貴女を雇いたいの!!」
「分かってます!だからなんやかんや理由を付けて断ってるんです!!」
そう伝えると、お嬢様はどこか悲しげな表情になり
「そう…私と居たくないのね…」
と呟き始めた。
「ち、違いますよ…」
「じゃあ…どうして?」
慌てて答えると、半泣きの目でこちらを見てきた。
「人を探しているんです…10年前に、助けてくれた人を…」
そう、あの日…ボクは…
「ふーん、あ、回想長いなら次回に回すわね?」
「ちょっ、お嬢様!?」
こんなボクですが…よろしくお願い致します。
次回は、お嬢様と執事の日常、をお送りいたします!
お楽しみに!