全ての始まり
閲覧ありがとうございます。
この作品は小説を読むのが好きな私が『自分で書いたらどうなるんだろう』と思い書き始めた物です。
まだまだ読む側の目線に立てずに四苦八苦しながら書いてます。
読みにくかったり、物足りない所があると思いますがその時はコメントを頂けると嬉しいです。
何の変哲も無い夏休み。
どこの家庭にでも一人はいる勇者が今日も世界の運命を背負い画面の中で戦っていた。
部屋の中では世界の終わりを感じさせる音楽が響く。
「……よしっ! そのまま、そう! 」
悪戦苦闘しているのは画面の中の勇者だけではなかった。
世界の運命と一緒に握られたコントローラーからはカチャカチャと無機質な音が放たれる。
「……っよし! このまま覚醒システム発動! 」
画面の外にいる勇者からはクーラーに負けない程の熱気が溢れている……
……様に見える。
覚醒システムの発動と同時に画面からは光が溢れ、収束し、宿敵の討伐を告げた。
『グゥウウウウ……この私が、貴様らなんぞにぃぃぃぃ!』
スピーカーから聞こえる宿敵の断末魔と同時に画面の外にいる勇者も勝利の雄叫びを上げた。
「っしゃああああああ!やっと倒したぁぁあ!!」
二人の勇者は心身共に限界に達していた。
画面の中にいる傷付いた勇者は宿敵に向って投げつける様に叫ぶ。
「俺達は負けない! 例えまたお前達が現れたとしても必ず倒す!」
『……必ず、私は必ず復活してみせるぞぉぉぉぉぉ!』
そう言いながら宿敵は塵となり、そのまま画面は暗くなった。
スタッフロールと共にメインテーマが流れ達成感を味わう時間が始まる。
ここまで長かった……過去の名シーンが走馬灯の様に頭を駆け抜けてゆく。
……
……
〜♪〜♫
感傷に浸っているところを邪魔してきたのは使い慣れたスマホだった。
「……誰だよ。」
膝に手を突き立ち上がりスマホを拾い上げた。
自分が築いてきた名シーンを横目にパスコードを解除して確認。
メールを送ってきたのは知らないアドレスだった。
「ん? 迷惑メールか? …… 貴方のverb amplを選択して下さい? 何だこれ。」
画面をスクロールさせようと思い動かした親指は【選択する】に触れーー
ーー瞬間、目が眩む様な光が部屋を包んだ。
「うわっ! 何だよコレっ!見えな……」
強く閉じた瞼を開くと見たことが無い、辺り一面真っ白な空間が拡がっていた。
『ようこそ、verbの世界へ。』
突然耳に飛び込んできたのは電子的な女性の声。
声と同時に現れたのは映画等でよく見るホログラム映像だった。
ーーあぁ、これ夢か、ゲームの世界じゃん。
なんて事を考えていると続けて声が聞こえる。
それはつい先程、世界の運命を変えた勇者自身の運命を変える言葉だった。
『さぁ、貴方のVerb amplをお選び下さい。』