表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

同窓会SS

作者: 高月嶺花

とある青年がふと見たカレンダーから、同窓会のことを思い出す。

 ふと卓上のカレンダーが目に留まった。

 独身アラサーのサラリーマンである私が休日出勤から帰り、床につく前のことだった。

 今日からちょうど一週間後の日曜日、高校の同窓会がある。これまで何回もやって来たが、今回は、確か6年ぶりだったろうか。そうだ、卒業してから、4回目だったはずだ。厳密に覚えているのも変だとは思われるだろうが、それもそのはず。そもそも全部私が幹事を拝命しているのだから。

 全く、あいつらも毎回幹事を押し付けるとは。高校時代、学級委員長でも生徒会長でもなかった一般生徒に、お前以外に適任者いないんだから、って。まあ、何だかんだ言いながらも、快く引き受けてしまっている私も私であるが。

 さて、感慨に耽っている時間でもなかったか。明日も仕事がある。いくら一ヶ月前に休暇を申請しているとはいえ、平時の出勤サイクルを乱すことになっているわけだし。まともに休暇をとりにくいうちの会社が、世間では準ブラック企業と言われている理由も頷ける。

 寝よう寝よう。

 同窓会のことを考えていた為か、その日は高校の時の修学旅行の夢を見た。懐かしい記憶だ。

 宿泊先のホテルで、いくらバイキングだからといって、蟹ばっかり取ってたあいつら。自重と言う言葉を知らないのか、そこのテーブルだけ蟹のからの山が出来ていたな。さすがにホテル側の従業員の顔は見てなかったが、予想はできる。

 夜遅くにベッドを抜け出して、逢い引きしてたリア充のせいで、担任の先生に全員叩き起こされて、理不尽な説教貰ったこともあったな。寝起きのせいで、何言われているか解らなかったが、普段怒らない先生だった分、新鮮だった。

 そういえば、たしかそのリア充の片割れが、大寝坊したせいで、うちのクラスだけ出発遅れたんじゃなかったっけ。全くもって、爆発しろよ。

 おかげさまで、前に追い付こうとスピード超過したバスは、案の定警察のお世話に。あのとき初めて間近でサイレンを聞いた。いい経験だったが、二度と経験したくない。

 そんな最高の思い出は、突然なった携帯のアラームによって叩き割られた。この世に目覚ましほど空気を読まない物はない。

 今日も一日が始まる。週末に同窓会があるが、幹事である分だけ気が重い。ただ、開催前の事務仕事は、仕事のせいで慣れている為か、完璧に済んでいると自負できるのが救いか。

 いつものスーツを着る。その隣にかかっているのは、同窓会に来ていく用の、黒の一張羅。この一張羅とも、長い付き合いか。

 いつも変わらない日常業務が過ぎていく。

 そして日曜日。その一張羅を着て向かう、同窓会の会場 。今回も、出席者は全員。勿論、全員笑顔だ。十二年前と変わらない顔で。

 次は、四年後か。あいつらまた私に幹事を押し付けるのだろうな。

 お前しか生き残ってないんだから、当然やってくれるよな、と。


勢いで一気に書き上げたショートショートなので、稚拙な文章になっていると思います。

実話成分1割強で残りは妄想です。どことは言いませんが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ