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いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

馬から降りて敵軍の前に立ちはだかった彼らは

お互いに距離を取ると、敵軍に向かって走り出した。

何をするのかと思えば、どうやらそれは助走だったようで

彼らは思い切り飛翔した。

その跳躍力たるや、とても人間のものとは思えなかった。

そしてそのまま彼らが着地した先は、敵兵の頭や肩

馬の尻などだった。


着地というよりは、蹴り飛ばして次へ行く。

結果どうなるかと言えば、騎馬隊が次々と落馬し

尻を蹴られて驚いた馬達により、踏まれたり蹴られたり

それはそれは散々な有り様になっていた。


彼らは武器も携行していたようだったが

未だそれを手に取る様子はない。

ただひたすら、人とは思えぬ動きで

騎馬隊を蹴落としていった。


そして、隊の前方でそのようなことが起きれば

当然ながら後ろは進行が滞り、陣形が崩れてしまう。

歩兵隊よりも小回りの利かない騎馬隊では

陣形の立て直しに時間がかかる。

だが、その時間を許す彼らではなかった。


ここにきて、ようやく武器を手に取った。

各々、違う武器を使うようだ。

騎馬隊の上を、間を、絶え間なく飛び回りながら

武器を振るうその姿は、激しくも美しく

まるで舞っているかのようだった。


そんな地獄の踊り子達の足元に広がるのは

まさに、地獄と呼ぶに相応しい光景。

腕や頭が血しぶきと共に舞い散り

怒号と悲鳴が響き渡っていた。


「あ、あれは…先程の閣下と同じ…」


誰が呟いたか、共に地獄の踊り子達を眺めていた者が

ポツリとこぼした。

彼らの中心人物と思われる者の体が

赤い光に覆われていた。


先程の俺と同じ…ということは、意識を飛ばしている間

俺はあんな動きをしていたということか?

…そりゃ、体も動かなくなるわけだ。

だがしかし、毒は?

俺は確かに毒矢に打たれ、体を蝕まれていたはず。

それなのに、今はその形跡すらなかった。


それにしても、アレは何だ?

まるで炎に包まれているようだ。

そこでまた、あの声を思い出した。


『よく見とけ。本物の神子の戦いを』


本物の神子?あの者達のことだろうか?

とんでもない動きを見せる踊り子達に

気付けはすっかり魅了されていた。


どれくらいそうしていただろうか。

あれだけの規模で迫っていた騎馬隊が

いつの間にか半数近く戦闘不能に陥っていた。


そしてここまでの状況になって

ようやく敵将が撤退命令を下したようで

大幅にその数を減らした騎馬隊が

逃げるように撤退していった。

歩兵の分隊に大敗を喫したとあっては

あの敵将、二度と戦場には出られぬだろう。


敵の背中を見送ると

地獄の踊り子達はこちらに向かって来た。

一瞬警戒もしたが、そういえば馬を預かっていた。

それを思い出し、彼らの到着を待った。


眼前まで来た彼らを見て驚いた。

なんと、半数が女性だったのだ。

しかも彼らの持つ色、容貌、それら全てに見覚えがあった。


「ま、まさか、貴方がたはアスター族か?」

「そう、大公閣下のお母様と同じ。私はお会いしたことないけど、私の母様とは幼馴染だったそうですよ」


ニカッと人懐こい笑みを見せる先頭の彼女に

非常に親近感を覚えた。

なぜなら、彼女もまた…


「と、いうことは、あなたもアスター族なのだな」

「正確には半分だけね。あなたと一緒」


()の持ち主だった。

不思議な雰囲気を持つその女性は

自らを「キャロライナ」と名乗った。

そしてなんと、挨拶もそこそこに

やることは終わったとばかりに

そそくさと帰ろうとするではないか!

命の恩人をこのまま帰すなど、とんでもない!

俺自身も納得できないし

間違いなくセバスチャンにどやされる。

聞きたいこともあるし、どうにかして喰い下がった。


「せめて!せめて、その汚れを落として食事だけでもっ!」

「ふふふっ…あっはははは!そんなに必死にならなくてもいいのに。分かりました。それじゃ、ちょっとご厄介になろうかな」


どうにかして喰い下がり、引き留めることに成功した。

実際、彼女達は土埃と返り血で酷い有様だった。

招待に応えてくれたことに胸を撫で下ろし

急ぎ、大公城へ知らせを飛ばした。

後は、セバスチャンとドロシーが

首尾よくやってくれるだろう。


砦の皆をしっかりと労い、軽く汚れを落とした後

大公城へ向けて出発した。

城下に入ると、母上と同じ特徴を持つアスター族一同は

領民からとても好意的に受け入れられていた。

特に、キャロライナ嬢は一瞬にして

領民からの支持を得たようだった。

…なぜだ?

ここまでお読み頂きありがとうございました。


続きが気になる!

もうちょっと読んでみないとなんともな〜

と思った方は、ページ下部から

リアクションや評価、ブクマ登録など

して頂けると、筆者頑張れます!


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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