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いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
「総員準備を!直ちに出征する。セバスチャン、首都に伝令を送ってくれ。領内の警備隊にもだ。援軍が必要と判断した時は狼煙で知らせる。隼を用意しておいてくれ」
「かしこまりました。ご武運をお祈り致します。どうか、お気を付け下さいませ。大公閣下」
「!…フッ、あぁ、行ってくる。留守を頼んだぞ」
「はい、いってらっしゃいませ」
ダンテによりもたらされた急報を受け
事態は慌ただしく動き出した。
長い廊下を足早に歩きながら、ダンテに詳細を聞く。
「今の状況は?」
「軍勢の規模は、未だはっきりとは致しませんが、おおよそ一個大隊程度だと思われます」
「何とも言えぬ規模だな。本気で戦を仕掛けて来ているとは思えん。目的が分からないな。和平条約を反故にしてまで、攻め入ることにメリットがあるのか?」
「こちらも、はっきりとしたことは分かりませんが…可能性があるとしたら2つ。1つは少数精鋭。数はそこまで多くなくとも、本気でこちらを落としに来ている」
「もう1つは?」
「現在の大公領の、閣下の力量を推し量るための偵察部隊です。しかし、それにしては数が多い気が致しますが、タイミング的にはこちらの可能性が高いかと」
「なるほど、新しく大公になった俺の力量を把握し、あわよくばそのまま潰しにかかる算段か」
「恐らくは」
「舐められたものだな。前線には俺が出る。領内の陣頭指揮は任せたぞ」
「御意」
ダンテに城と領内の守りを任せ、大公家の騎士団の
3分の2程を率いて、砦に向かう。
道中、伝書鳩が飛び回っており、セバスチャンとダンテが
迅速な対応を見せてくれたことに安心を覚えた。
砦に到着すると、出迎えてくれたのは
長年この砦を守護してくれている、ベテランの隊長だった。
俺達の到着を知るやいなや、状況を説明してくれた。
「閣下、お待ちしておりました。早速ですが現在の状況です。12時の方向より一個大隊規模の軍勢が接近中。大半が騎馬隊で構成されており、弓隊などはいないようです。このままですと、半日後には砦に到着するかと思われます」
「迎え撃つか籠城か。…向こうに援軍の気配は?」
「今のところありません」
「そうか。それなら…」
俺は打って出ることにした。
砦から騎士団を率いて、敵が攻めてきているであろう
12時の方向に向かって進軍した。
程なくして両軍衝突。
有無も言わさず、開戦となった。
以前、ダンテから「大将が先陣を切ってはいけない」
と教わってはいたが、今回ばかりは士気を高めるべく
俺が先陣を切り、敵軍に突っ込んでいった。
狙い通り、騎士達の士気は高く、闘志に溢れおり
目の前の敵を、次々と屠っていった。
順調に攻略していると思っていた矢先
思わぬ事態に見舞われた。
突如、左腕に走った激痛。
驚いて腕を見やれば、そこには小型のボウガンのものと
思しき矢が刺さっていた。
今、この戦場では、飛び道具は使われていない。
しかも、この角度は後方からのものだ。
父の代の甘い管理体制が
間者の侵入を許してしまっていた。
俺の代になり体制を見直したので、これ以上はなくとも
既に入り込まれた間者を排除するまでには至らなかった。
どうやら、鏃には毒が塗られていたようで
激しい目眩と吐き気に襲われた。
まさか、最初からこれが目的だったのか。
俺を戦場に引きずり出し、毒矢で暗殺しようと…?
クソッ!
可動性を重視して、腕の装備を肘当てのみにしたのが
裏目に出た。
矢を引き抜き、辺りを見回せば、小型のボウガンを
隠そうとしている奴を発見した。
前線をその場の隊長格に任せ
一直線にその男の元に向かい
躊躇うことなく腕を切り落とした。
これ以上の被害は出ないだろうが
間者がこいつ1人とは限らない。
今すぐに拘束しなければならないが
毒が回り、意識が朦朧として
ろれつも回らなくなってきた。
俺の異変に気付いた何人かが駆け寄ってくるのが見えた。
だめだ…持ち場を離れるな。
そう言いたくても、声にならない。
薄れゆく意識の中で、頭の中に声が響いてきた。
『ようやっとか。待ちわびたぞ。ほれ、体の力を抜け。俺に委ねろ。案ずるな、悪いようにはしねぇよ。後は任せて、休んでいろ』
その声が聞こえたのを最後に、俺の意識は途切れた。
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