表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!


早速のブクマ登録、評価及びリアクション

ありがとうございます!(^O^)

「大公家の者ならば、嫌という程聞かされたであろう?」

「はい…母の死後、父が酒に酔う度に話しておりました」

「本来であれば、過ちを正し、黒を持つものを再び大神殿へと預けるのが筋だ。だが、気付いたときには、もう後戻りはできなかった」

「…と、言いますと?」

「有能すぎたのだ。皆、国防を担うものとして、非常に優秀な働きをしていたのだ。…まぁ、歴代の大公の中には、そなたの父のような例外もいるにはいたが…。南部のラグリス王国との関係が不安定なのは知っておろう?」

「はい。今までも幾度となく、きな臭い話を聞いております」

「大公家があの地に根付いてからも、、数年に1度は攻め込んで来よってな。その度に退けはしていたが、それでも大なり小なり被害は出る。やがて互いに疲弊し、和平交渉を行ったのだ。そして締結した結果、差し出したのが、我が国の王女であったリリア、余の叔母に当たる。対して差し出されたのが、当時ラグリスの王女であったサマンサ、つまり現第3皇妃オリビアの母親だった」

「で、では、オリビア皇妃はラグリス国王の…」

「あぁ、姪に当たる。サマンサの輿入れと、大公家の働きにより、そなたの父の代では1度も(いくさ)はなかったのだが…そうか、きな臭さは相変わらずか。オリビアを皇妃にしたことで、こちらとしても誠意を見せたつもりではあったが、あまり効果はなかったようだな」

「残念ながら、そのようですね」

「はぁ…今後、そなたには苦労を強いる事となってしまうが、この国を、そして民の安寧を、どうか守ってはもらえまいか。頼む」


そう言うと、陛下は深々と頭を垂れた。


「な!?陛下!お止め下さい、頭を上げて下さい!」

「この程度では到底足りぬ。この帝国の平和をそなた1人に背負わせてしまうのだ。必要な物があれば申せ。何なりと用意しよう」

「ありがたいお言葉、痛み入ります。今現在、特に不足はありませんが、近い将来、有事の際にはお願いするやもしません」

「近い…?あぁ、そうか。そうだな。分かった、待っているぞ」


この時は、自分でも何故「近い将来」などと言ったのかは

分からなかった。

陛下は、御自分なりに解釈をしていたようだったが

今思えば、俺自身、自分でも気付かぬうちに

何かを感じ取っていたのかもしれない。


その後は何事もなく、無事に大公領へ戻って来た。

正式な叙任を受けたのだから

これからは俺がこの大公領の領主として

やっていかなければならない。


父が抜け殻になってからこちら

周りのサポートを受けつつ、勉強しながらではあるが

大抵のことはやっていた。

だが今までとは、やはり気の持ちようが変わってくる。

今一度、襟を正して業務に当たろう。


「坊ちゃま、たまには新聞にも目をお通し下さい」

「目を通すどころか、きちんと読んでいるぞ。それこそ、隅から隅までな」

「それはこの大公領でのみ発行されている地方紙でしょう。そうではなくて、こちらの首都発行の全国版を…」

「それはいつの新聞だ?首都のものがこちらに来るまでに何日かかる?鮮度が命の情報が、型落ちしていてはなんの役にも立たん。それに、大公領以外のことは、正直どうでもいい。ここさえ落ちなければ、帝国は守られているも同然だろう」

「そうは仰いましても、知っておいたほうが良い事もございましょう。あ、ほら、この記事。皇女様が増えたそうで…」

「それはそれは。陛下もお元気なようで何よりだ」

「そうではございません。若かりし頃のご落胤(らくいん)が見つかったという話でございます」

「なるほど。詰まる所、陛下と言えどただの男であったということだな」

「坊ちゃま!言葉をお控え下さい!」


領主としての仕事を始めてから早半年。

執事長のセバスチャンが、お茶と新聞と苦言を持ってきた。

しかしこの男は一体いつまで俺を「坊ちゃま」と

呼ぶつもりだろうか。


セバスチャンは、彼の妻で侍女長であるドロシーと共に

父の代から当家に仕え、あの自堕落な父の代わりに

ほぼ全ての業務をこなしていた「家令」と呼んでも

差し支えのない、大変優秀な男である。

それが故に、セバスチャンから見れば

俺などまだまだケツの青いガキということなのだろう。


「しかし、そうなると…婚外子を正式に皇女として迎え入れるということか」

「えぇ、それにはどうやら事情があるようで…ハッ!これ以上は甘やかしませんぞ!後はご自分で確認なさいませ」

「やれやれ、そこまで言うなら仕方ない」


俺は観念して、新聞を手に取ろうと立ち上がった。

しかしその時、我が師でもある

大公家の騎士団長、ダンテが血相を変えて

執務室へ飛び込んできた。


「閣下!急報です!国境の砦から知らせがあり、ラグリスから我が領へ向けて、軍勢が進行中とのことです!」

「なんだと!?」


先程までののんびりムードが一瞬にして消え去った。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


続きが気になる!

もうちょっと読んでみないとなんともな〜

と思った方は、ページ下部から

リアクションや評価、ブクマ登録など

して頂けると、筆者頑張れます!


よろしくお願い致しますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ