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「大公家の者ならば、嫌という程聞かされたであろう?」
「はい…母の死後、父が酒に酔う度に話しておりました」
「本来であれば、過ちを正し、黒を持つものを再び大神殿へと預けるのが筋だ。だが、気付いたときには、もう後戻りはできなかった」
「…と、言いますと?」
「有能すぎたのだ。皆、国防を担うものとして、非常に優秀な働きをしていたのだ。…まぁ、歴代の大公の中には、そなたの父のような例外もいるにはいたが…。南部のラグリス王国との関係が不安定なのは知っておろう?」
「はい。今までも幾度となく、きな臭い話を聞いております」
「大公家があの地に根付いてからも、、数年に1度は攻め込んで来よってな。その度に退けはしていたが、それでも大なり小なり被害は出る。やがて互いに疲弊し、和平交渉を行ったのだ。そして締結した結果、差し出したのが、我が国の王女であったリリア、余の叔母に当たる。対して差し出されたのが、当時ラグリスの王女であったサマンサ、つまり現第3皇妃オリビアの母親だった」
「で、では、オリビア皇妃はラグリス国王の…」
「あぁ、姪に当たる。サマンサの輿入れと、大公家の働きにより、そなたの父の代では1度も戦はなかったのだが…そうか、きな臭さは相変わらずか。オリビアを皇妃にしたことで、こちらとしても誠意を見せたつもりではあったが、あまり効果はなかったようだな」
「残念ながら、そのようですね」
「はぁ…今後、そなたには苦労を強いる事となってしまうが、この国を、そして民の安寧を、どうか守ってはもらえまいか。頼む」
そう言うと、陛下は深々と頭を垂れた。
「な!?陛下!お止め下さい、頭を上げて下さい!」
「この程度では到底足りぬ。この帝国の平和をそなた1人に背負わせてしまうのだ。必要な物があれば申せ。何なりと用意しよう」
「ありがたいお言葉、痛み入ります。今現在、特に不足はありませんが、近い将来、有事の際にはお願いするやもしません」
「近い…?あぁ、そうか。そうだな。分かった、待っているぞ」
この時は、自分でも何故「近い将来」などと言ったのかは
分からなかった。
陛下は、御自分なりに解釈をしていたようだったが
今思えば、俺自身、自分でも気付かぬうちに
何かを感じ取っていたのかもしれない。
その後は何事もなく、無事に大公領へ戻って来た。
正式な叙任を受けたのだから
これからは俺がこの大公領の領主として
やっていかなければならない。
父が抜け殻になってからこちら
周りのサポートを受けつつ、勉強しながらではあるが
大抵のことはやっていた。
だが今までとは、やはり気の持ちようが変わってくる。
今一度、襟を正して業務に当たろう。
「坊ちゃま、たまには新聞にも目をお通し下さい」
「目を通すどころか、きちんと読んでいるぞ。それこそ、隅から隅までな」
「それはこの大公領でのみ発行されている地方紙でしょう。そうではなくて、こちらの首都発行の全国版を…」
「それはいつの新聞だ?首都のものがこちらに来るまでに何日かかる?鮮度が命の情報が、型落ちしていてはなんの役にも立たん。それに、大公領以外のことは、正直どうでもいい。ここさえ落ちなければ、帝国は守られているも同然だろう」
「そうは仰いましても、知っておいたほうが良い事もございましょう。あ、ほら、この記事。皇女様が増えたそうで…」
「それはそれは。陛下もお元気なようで何よりだ」
「そうではございません。若かりし頃のご落胤が見つかったという話でございます」
「なるほど。詰まる所、陛下と言えどただの男であったということだな」
「坊ちゃま!言葉をお控え下さい!」
領主としての仕事を始めてから早半年。
執事長のセバスチャンが、お茶と新聞と苦言を持ってきた。
しかしこの男は一体いつまで俺を「坊ちゃま」と
呼ぶつもりだろうか。
セバスチャンは、彼の妻で侍女長であるドロシーと共に
父の代から当家に仕え、あの自堕落な父の代わりに
ほぼ全ての業務をこなしていた「家令」と呼んでも
差し支えのない、大変優秀な男である。
それが故に、セバスチャンから見れば
俺などまだまだケツの青いガキということなのだろう。
「しかし、そうなると…婚外子を正式に皇女として迎え入れるということか」
「えぇ、それにはどうやら事情があるようで…ハッ!これ以上は甘やかしませんぞ!後はご自分で確認なさいませ」
「やれやれ、そこまで言うなら仕方ない」
俺は観念して、新聞を手に取ろうと立ち上がった。
しかしその時、我が師でもある
大公家の騎士団長、ダンテが血相を変えて
執務室へ飛び込んできた。
「閣下!急報です!国境の砦から知らせがあり、ラグリスから我が領へ向けて、軍勢が進行中とのことです!」
「なんだと!?」
先程までののんびりムードが一瞬にして消え去った。
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