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いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

俺の色が変わってからというもの

父はあからさまに俺を嫌悪するようになった。

自分と母の特徴を併せ持っているのに

雰囲気は母に似た俺を直視できなくなっていた。

と後に知った。


使用人達の中には、俺の変化を気味悪がって

距離を置く者も少なからずいたが

幸いなことに、幾人かの使用人と騎士団は

変わらずに俺を受け入れてくれた。

俺は団長を師と仰ぎ、父のように慕い

勉強の時間以外は、常に騎士団に入り浸ってた。

お陰で俺の居場所は、自室ではなく

すっかり騎士団の寮や練武場になっていた。


騎士達と共に汗を流し、研鑽を重ね

世間のことなど目もくれず

ただひたすら己が領地を守るため

母の願いを叶えるために、武の高みを目指し続けた。

城下へ下り、警備隊と共に市井を見守り

領民の生活の安寧に、心を砕き続ける日々。

母の願い通り、領内は平和を維持し

また領民も俺の顔を覚え、見かければ気さくに

声をかけてくれるようになった。


不思議と領民たちは、俺の容貌が変わったことに

疑問を持たなかった。

なぜかと問えば、平民の間では、子どもの容貌が

成長とともに変化することは

特段、珍しいことでもないのだという。


そんな風に領内での引き籠もり生活を続けること早8年。

いよいよ成人の年になった。

この頃になると、父は若い頃からの不摂生が祟ってか

体を壊し、領内にある別荘に、実質隠居という形で

療養していた。


そして俺は、大変、非常に、ほんっとーに気が進まないが

成人の儀を執り行うべく、首都へ向かわなければならない。

この国では、侯爵家以下の令息令嬢は

各領地にある神殿で成人の儀を行うのが通例なのだが

公爵家以上の者になると

首都にある大神殿で行うことになる。


父はこのタイミングで

大公の座を俺に譲るつもりのようだ。

前もって皇帝陛下に書状を送っていたらしく

首都へ向かう前に、俺にも話をされた。


「もっと早く、こうしていれば良かったな。…すまなかった…俺のせいで…お前の人生に、影を落とすことになってしまって…」

「…気にしていない、と言えば嘘になりますが、父上を恨みはしておりません。確かに、当時はもっと話をしたかったし、もっと…愛して欲しかった。しかし今となっては、それも父上にとっては難しいことだったのだと理解できます。幸い、家庭教師や、アストンを始めとする幾人かの使用人、それに騎士団の皆には良くしてもらいました。俺のここまでの人生は、決して不幸なものばかりではありませんでしたよ」

「そうか…そうか…。そう言ってくれるのか…ありがとう…本当に、すまなかった」


本音を言えば、幼少期は俺を見なくなった父に対して

寂しさを感じたし、母が亡くなってから耳に入ってきた

父の若かりし頃の行いを恨みもした。

だが、当時の過ちを悔いて、当主の座を譲ると話す

今の父に、そんな過去の思いを

ぶつける気にはなれなかった。


今、目の前にいる弱り果てた男に

恨み節をぶつけても、母が蘇るわけでもなければ

過去の俺が癒やされるわけでもない。

実年齢よりも遥かに老け込んだ父を見て

ただ、余生を穏やかに過ごしてほしいと願うばかりだった。


そして首都へ出発する日、父が見送りに来てくれた。

改めて、皇帝陛下に届ける正式な書状を預かり

旅の無事を祈ってくれた。


「では、行って参ります」

「あぁ、道中気をつけて。陛下に、くれぐれもよろしくな」

「はい」


そうして、首都に向かい出発した。

道中休憩を挟みつつ、進み続けること4日間

ようやく首都に入った。

大公領とはまた少し違う喧騒と、気位の高そうな雰囲気は

どうにも慣れそうになかった。


そのまま大神殿へ向かう。

俺のために用意された部屋へ通されると

一通り荷解きを行う。

その後、風呂に入り着替えを済ませたら

皇帝陛下への謁見だ。

…さて、どうしたものか…。

悩む俺を見て、アストンが声をかけてきた。


()()()()、陛下にはお知らせした方が良いのでは?」

「うーん…やはり、そうだよなぁ…面倒なことにならないといいが…」


皇位の継承争いに巻き込まれるなど、ないとは思うが…

絶対に御免被りたい。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


続きが気になる!

もうちょっと読んでみないとなんともな〜

と思った方は、ページ下部から

リアクションや評価、ブクマ登録など

して頂けると、筆者頑張れます!


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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