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いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

初めて剣を握ったのはいつだったか。

記憶にも残らない程幼い頃。

物心がついた頃には、もう既に短剣を腰に下げていた。

2つ年上のスコーピオンとモルガを相手に

対人戦闘の訓練を続ける日々。


ここまでは、アスター族としてこの世に生を受けたなら

常であるのだが、私の場合は少し特殊だった。

神子として心身を鍛え上げ、神の力に耐え得るだけの

強さを身に付けなければならないと

母様と(じじ)様は、私に普通ではやらないような修練を課した。


熊や狼が跋扈(ばっこ)する山の中に放置されたり

野盗が根城にしている森に放り込まれたり

目隠しをして多対一の戦闘訓練etc…

ありとあらゆる方法で鍛え上げられた。


またある日の修練。

その日は精神と自我を保つという名目で

音も光も届かない洞穴に、水を持たされ閉じ込められた。

時間の経過も、いつ出られるかも分からない暗闇の中で

恐怖と孤独と植えに耐え、正気を保て。というものだった。


最初の頃は、泣き叫び、出してくれと懇願した。

初めは1日、次は2日…と回数を重ねる度に

日数は増やされていった。


そんな修練をしていたある時。

状況にもかなり慣れ、僅かながらも食料も持たされ

その時の期間は1週間のはずだった。

不意に、ガタガタと出入り口の方から音がした。


…おかしい。

こんなに短いはずがない。

一族の誰かではないという確信と

何者か分からないことへの警戒。

穴の奥へ行き、息を潜めた。


「うおっ!マジで真っ暗じゃねえかよ」

「何も見えねぇ。本当にこんなところにガキがいんのか?」

「…間違いない。昨夜この穴に、ガキが入るのを確認した。どこかにいるはずだ」

「そもそも、アスター族だか何だかしらねーけど、ガキ1匹拉致るのになんでこんな大所帯なんだよ」


話し声と足音から察するに、侵入者は4人。

目的は、私の誘拐のようだ。


後に聞いた話だが、昔は神の力を我が物にしようと

神殿から神子を拉致し、薬物などで洗脳しようとする輩が

後を絶たなかったのだそうだ。


私は焦った。

目隠しでの戦闘訓練を受けていたとはいえ

動きが制限される洞穴の中。

1人は入口で見張りをしているようだから

中に入ってきたのは3人。

足音や息遣い、そして夜間の侵入に灯りを使わない。

恐らくはこのような仕事や戦闘に慣れているであろう

大の男3人。

対してこっちは、丸腰の子ども。

この修練の時は、錯乱して自傷するのを防ぐため

武器は持たされていなかった。


音を立てるわけにはいかない。

私は靴を脱いだ。

そして、侵入者の気配と足音から遠ざかるように

息を潜めて逃げ回った。

だが、その時…


ピイィィィィーーーー!!


夜の闇に、甲高い笛の音が響き渡った。

緊急事態を知らせる笛の音だ。

元々1人1つこの笛を携帯しているが

音を立てられない今の状況では、私には使えなかった。

一族の誰かが、異常を察知し駆けつけてくれたのだ。


「クソッ!気付かれた!撤退だ!」

「逃すか!」

「ぐおっ!」


その声を聞いて、瞬時に母様の声だと分かった。

そしてその後の自分の行動を

私はこの先、一生後悔し続けることになる。


「母様!」

「いたぞ!ガキだ!」

「!!キャロライナ!」


出入り口付近まで来ていた私は

聞こえた母様の声に反応し

母様を呼び駆け出してしまった。

すぐ後ろに迫る脅威に気付かずに。


母様は私を抱き寄せると、そのまま体の向きを反転させ

誘拐犯が突き出したナイフを、その背で受け止めた。


「あ"ぁ゙っ!」

「母様!」

「急げ!こっちだ!」

「チッ!仲間が来やがった。撤退だ、そいつも回収しろ」


残りの3人は、母様が倒した見張り役を担ぎ上げ

逃げ去っていった。

目撃者を殺し、仲間の死体も回収していくような

プロの犯行。

そんな奴が、急所を外すわけがなかった。

母様の体からは、あっという間に血が抜けて

顔色が死人のそれになっていく。


「母様!母様!しっかりして!母様!」


私は動転して、ただ見ていることしかできなかった。


「キャロライナ…ごめんね…ちゃんと、愛して、あげられなくて…こ、これを…あなたに…父様の…」


ヒュウヒュウと弱々しい呼吸の中

母様の口から出た最後の言葉だった。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


続きが気になる!

もうちょっと読んでみないとなんともな〜

と思った方は、ページ下部から

リアクションや評価、ブクマ登録など

して頂けると、筆者頑張れます!


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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