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いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

「ねぇ、あの方って…」

「まさか、こんな所に…」

「でも新聞には…」

「確か当時のお相手はアスター族だったと…」


城を目指し、城下に入りゆっくり歩を進めていると

なにやら騒いでいる者達がいる。

その声が耳に入ったのか

キャロライナ嬢がその騒がしい者達に向かい

笑いかけ手を振った。

すると、皆が頬を紅潮させ笑顔になった。

心なしか、彼女を見る目がキラキラしている。


先程は疑問に思ったものだが、今なら分かる。

彼女のあの笑顔には、人を惹き付ける不思議な魅力がある。


「やっぱりそうだ!」

「あの方だよ!」


何のことかは分からないが、領民がアスター族を

歓迎してくれているようで安心した。

帰路は問題なく、大公城まで帰り着くと

使用人達が総出で迎えてくれた。


「お帰りなさいませ閣下。お疲れ様でございました」

「あぁ、今帰った。留守中、問題はなかったか?」

「はい、特に変わりなく。お客様をおもてなしする準備も整っております」

「そうか。紹介しよう。アスター族の方達だ。今回は命を救われた。丁重にもてなしてくれ。そして皆さん、こちらが当家の執事長セバスチャンと、侍女長のドロシー、あちらにいるのが、大公家騎士団長のダンテだ。馬はここで騎士団に預けてもらいたい」


使用人を紹介すると、セバスチャン達は深々と頭を下げた。

…が、頭を上げた瞬間、使用人一同の表情が固まった。


ん?なんだ?

俺が困惑していると、セバスチャンがツカツカと歩み寄り

小声で詰めてきた。


「ぼ、坊ちゃま!どうしてこのような大事なことをお知らせ下さらないのです!?」

「な、何だ?アスター族から助力を得たことは、ハヤブサで知らせただろう?」

「そこではございません!だから新聞をお読み下さいとあれ程…!あの方は…」


「じゃあ、この子達をお願いしますね」

「はい!お預かり致します!」

「では皆様、お部屋をご用意しておりますのでご案内致します。どうぞこちらへ」


「ま、まぁ、俺達も中に入ろう。騎士団員も労ってやらねばならないし、間者の件もあるしな。細々としたことは食事をしながらでもいいだろう」

「ぐぬぬぬぬ…はぁ…まったくもう」


一体何が問題なのだ?さっぱり分からん。

セバスチャンが何か言いたげだったが

皆のやり取りの声に遮られて

最後まで聞くことはできなかった。


「食事の準備が整ったら迎えに行くので、それまでゆっくり休んでほしい」

「えぇ、ありがとうございます」


城内に用意した客間に向かってもらい、俺も自室に戻った。

入浴して汚れを落とし、着替えたら

今回の戦いについての報告書、間者に対する調査

騎士団、及び砦の騎士達に対する労い…。

考えること、やることに流されて

気付けば、食事の時間が迫っていた。


「閣下、そろそろお時間です」

「そうだな。招待しておいて、客人をお待たせするわけにはいかないからな」


長い廊下を進み、ダイニングに到着すると

既にアスター族一同は揃っていた。

その光景に見惚れることしばし。


母上もそうであったが、なぜアスター族というのは

これ程に美男美女揃いなのか。

持っている特徴は皆同じなのに、それぞれ違うタイプの

美男美女になるのはどういうことか?


「閣下?どうかしました?」

「あ、いや、すまない。待たせてしまっただろうか?」

「いえ、私達もつい先程揃ったばかりですよ」


そんな中で、一際目を引く「黒」の彼女。

座っている場所から察するに

やはり、彼女がこのグループのトップのようだ。


俺も席に着くと、食事が運ばれてくる。

食べ始めると、驚く程皆カトラリーの扱いに慣れていた。

馬鹿にしていたわけではないが

「戦いを生業とするジプシー」というのが

俺の中にある、アスター族に対するイメージだった。

かくいう母上も、大公家に嫁いできてから

諸々を覚えたと言っていた。


「口に合うだろうか?」

「えぇ、とっても美味しいです」

「それは良かった。料理人達も喜ぶだろう。…皆、所作が美しいのだな」

「フフッ。ありがとうございます。以前はずっと、全国各地を旅するだけでしたが、今は他にもいろいろやっておりまして…テーブルマナーを学ぶ必要もあるんですよ」

「そ、そうなのか…」


少し探りを入れてみるだけのつもりだったが

あっさりとその意図を見透かされ

実に的を射た答えを返された。

己の浅はかさを少し恥じたのだった。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


続きが気になる!

もうちょっと読んでみないとなんともな〜

と思った方は、ページ下部から

リアクションや評価、ブクマ登録など

して頂けると、筆者頑張れます!


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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