精神疾患と関係? 「風呂キャンセル界隈」を解説するよ!
◇「風呂キャンセル界隈」とは何か?
筆者:
今回は「風呂キャンセル界隈」と「入浴方法」について語っていこうと思います。
最初に「風呂キャンセル界隈」という用語についてご存じないかもしれませんので解説させてもらいます。
「お風呂に入るのが面倒くさい」や「疲れているので今日は風呂をキャンセルしたい」といった気持ちを共有している方々が「香水を振りかけるだけ」と言った行動のみで済ませてしまい、1カ月に1,2回しかお風呂に入らないケースなどを指します。
ウィキペディアの引用ですが、
『発端となったのは、2024年4月28日のⅩ(旧Twitter)への投稿である。あるアカウントが「お風呂に入るのが嫌すぎ」として、入浴しなくても使えるドライシャンプーを紹介した。投稿は3万以上の「いいね」が付き、思わぬ拡散を遂げる。これを引用する形で「風呂キャンセル界隈」というワードが登場することとなる。』
という事で今年4月から一般的に認知されるようになりました。
質問者:
「風呂キャンセル界隈」だなんてあるのが信じられません……。
疲れているからお風呂に入るのではないんでしょうか?
筆者:
いや、それは僕たち「前世代」の価値観かもしれませんよ(笑)。
LIXILによる2022年の調査では風呂に入るのが面倒と感じることがあると答えた人は6割を超えています。
集英社オンライン編集部が新宿・渋谷にいる若者100人に行った調査では「めったにお風呂に入らない」方は100人中9人だったようです。
これは必ずしも「引き籠っている方」の考えと言うわけでもないようなんです。
僕も「コスパ」を重視しますが、キャンセルしている方々はお風呂に入浴することが「コスパが悪い」と判断していることが大きな要因としてあるようです。
質問者:
確かに服を脱ぎ着して洗ったり、湯船に浸かることに関してはそれなりに時間はかかりますけど、爽快感や清潔感と言ったものは代えがたいものだと思うんですよ。
筆者:
ただ、風呂キャンセル界隈の方々の意見も一理ある部分もあるんです。
入浴は毎日の習慣であり日々の疲れや汚れを洗い流す、憩いの場です。
しかし「洗い方次第」では、皮膚のバリア機能を失う行為でもあるのです。
例えば洗顔料、ボディーソープなどの化学的刺激。
タオルや指先で強くこすり過ぎた場合の摩擦刺激などで、角質層のうるおい天然成分が失われ、肌が乾燥したり、刺激に弱いデリケートな肌質になる方もいるみたいなんです。
質問者:
なるほど、肌がデリケートだと洗うと逆に肌が悪化してしまう可能性があるわけですか……。
筆者:
ただ、頭皮の場合は他の身体の個所に比べると毛深く臭いや衛生面の問題が深刻であると言われています。
臭いの基準値を125とした場合、"風呂キャンセル3日後の頭皮"はなんと「255」と倍以上もあるようなのです。
これは「1日履いた靴下(138)」や「サナギの釣り餌(140)」、「クサヤ(194)」より臭気数値が高く、かなり深刻なレベルです。
細菌が繁殖しやすくなるために頭皮の炎症が発生しやすくなり、かゆみ、フケ、抜け毛といった頭皮トラブルが起きてしまいます。
これらは香水をかけておけば解決するような問題ではないと思われます。
(ただし、自分の臭いは自分では分からないことが多いために「想像を絶する臭い」を周りに発していることに気づいていない可能性があります)
◇あまりにも「キャンセルの頻度」の多い方は精神疾患の可能性も
質問者:
やっぱりデメリットの方が大きいんですね……。
しかし調べてみると、周りの方はキャンセルしている方々を説得できないケースも多いみたいなんですけどどうしてなんでしょうか?
筆者:
ここで一つ注意しなくてはいけないことがあります。
風呂キャンセル界隈の方々は「すき好んで風呂キャンセルしているわけではない」可能性が高いという事です。
質問者:
どういうことでしょうか? 入りたくないから入らないのでは……?
筆者:
確かに表面的に見たらそうなのですが、「メンタルの不調」「精神疾患」である可能性もあります。
なぜなら脳機能に異常が起きますと日常生活に関するやる気の低下が起きてしまい、平たく言えば「鬱」みたいなことになり何もしたく無くなるのです。
「めんどくさい」程度の方はそうでは無いと思いますが、
1カ月の中でもほとんどの風呂をキャンセルされている方ですと、
何かしら精神に問題がある可能性が高いです。
精神的な病を抱えた若い方が増えた社会現象の一つの形として「風呂キャンセル界隈」と言う用語が誕生してしまったのではないかと僕は分析しています。
質問者:
確かに精神疾患の症状の一つでモノを片付けられなくなり「汚部屋」みたいな状態になってしまう事があると聞いたことがあります。
特にコロナ以降精神疾患の方が増えたという話を聞いたことがあります。
筆者:
そうですね。
精神障害者数(外来)は2002年に223.9万人、2017年に389.1万人、2020年に586.1万人とコロナ以降に激増しています。
(ちなみに入院患者数は2002年の34万から30万ほどへと微減しています)
特に0歳から24歳の年齢帯の患者数は2017年38.5万人から2020年には79万人と倍以上になっています。
やはり、若くて多感な時期にイベントがキャンセルされたり行動規制を強いられればストレスも溜まってしまいます。
閉塞感がある生活は精神的に異常をきたしてしまったのでしょう。
つまり仮に「風呂キャンセル界隈」の方々が「精神疾患」の症状の一つとして発現しているのだとするのならば、周りの方がいくら「風呂入れ!」と怒鳴って説得しても何も解決に至らないという事です。
仮に何かしらの強制力を働かせて入浴させたとしても、「別の形」で精神疾患が現れる可能性が高いという事です。
普段僕は政治系の話をしているので、政治の話に例えるなら投票率を上げるために罰金を科しても、「立候補されているメンバー」がどうしようもなければ政治は良くならないのと一緒です。
質問者:
平たく言えばご病気で「入浴する気が無くなった」という事かもしれないんですね……。
周りの方もそう言った視点で接して深刻なら病院に連れて行って欲しいですね……。
筆者:
そうですね。仮にお友達やお知り合いなどで「風呂キャンセル界隈」の方がいたとしても白い目で見たり、奇異の眼で見ないで欲しいなと思います。
どちらかと言うと、精神的な支えとなり自己肯定感や自信を付けさせてあげた方が良いでしょうね。
手に負えないような状況なら精神科に連れて行ってあげるのも良いと思います。
◇“風呂が面倒“な方々へ
質問者:
でも精神疾患ほどでは無いにしろ、入浴するのが「タイパとして良くない」と考えたり「面倒だ」と思われている方々はどうしたらいいのでしょうか?
筆者:
実は僕は三度の飯より(なお1日2食ですが)も風呂が好きです!
質問者:
男性なのに「ドラえもん」の「しずかちゃん」みたいな感じなんですか……?
筆者:
流石に一日に何度も入浴することはありませんが、1日での最大の癒しの時間になっていることは間違いありません。
と言うわけで入浴の魅力とその注意点について話していきます。
基本的に人体は食べ物で出来ているわけですが、保存期間を長くするための保存料や添加物がどうしても含まれてしまいます。
そこで、食べ物の悪い部分を除くために必要な3要素が運動・入浴・睡眠であると僕は考えています。
入浴は疲労感の回復だけでなく新陳代謝を活発化させ、血流を良くすることが出来、免疫力を高めるので感染症にも強くなります。
僕はコロナが流行りだしたと言われても日頃の生活に自信があったので特に恐れることなく平穏に日々過ごしていました。
質問者:
つまり、長期的に見たら体調を整えるためにお風呂の時間は無駄では無いという事ですか?
筆者:
そうです。体調不良で病院に通ったり、頭がボーっとしていたり、動けない時間が出来てしまう方がよっぽどコスパが悪いと僕は考えます。
運動・入浴・睡眠の3つは連続的に行うと最も理想的だと思います。
というのも睡眠1,2時間前に入浴によって深部体温をちょっと上げることで入眠をスムーズにし、良質な睡眠を得ることが可能になります。
そして運動をすると汗が出ると思いますので
就寝前2,3時間前に有酸素運動をして入浴をし、
快適な眠りを得ることが出来るのです。
質問者:
しかし先ほどのお話ですと、肌が弱い方は「風呂キャンセル界隈」に入ってしまいがちだと言うお話でしたが……。
筆者:
それは洗う際にお使いのシャンプーや石鹸、垢すりなどがお体と合っていない可能性が高いです。
天然成分石鹸、重曹シャンプーなどに替えることが大事です。
あとは上がって拭く際に、寒くなり始めた今の時期だと急いで拭いてしまいがちですが、
タオルで皮膚を優しく当てていき水を吸収させていくことが大事だと思います。
質問者:
そう言うコツみたいなことが入浴に必要だという事なんですね……。
筆者:
あとは入浴時には、入浴時間や体格にもよりますが、一般的には700ml~800mlの水分が体から失われると言われています。
入浴前にコップ1、2杯の水を飲んでおかなければ脱水症状に近い状態になってしまい、逆に体調が悪くなってしまう可能性があります。
僕は運動後に入浴するケースが多いので、もう水を「がぶ飲み」なんですけど(笑)。
質問者:
なるほど、確かに体力回復や健康のために入浴しているはずなのに脱水症状になっていたら本末転倒ですものね……。
筆者:
また湯船の温度にも気を付けたいところです。
良質な睡眠を得たいときには38℃~41℃ぐらいのお湯が良いとされています。
42℃以上のお湯につかると交感神経が優位になり、逆に眠れなくなります。
お年寄りですと血栓症や寒暖差によるヒートショックになる原因にもなると言われています。
その後も活動する際にはまだいいと思いますがなるべく41℃以下にしたいところですね。
質問者:
湯船には何分ぐらい浸かるんですか?
筆者:
時間がある時は「理想」とされている20分浸かりますね。
平日はその後もやることがあるので10分ちょっとで上がってることが多いですけどね。
質問者:
お風呂から上がった後に「冷水シャワー」を浴びているという事については今も実行されているんですか?
筆者:
やっていますね。
「冷水シャワー」を浴びることによって「サウナに入った後」と同じような「整う」状態を作ることが出来ます。
そして湯船に入る前と上がった際に冬だとあまり初心者にはお勧めしませんけど、
これによって寒暖差が無くなり、冬ならば寒さへの耐性が付くこともあります。
質問者:
流石「お風呂大好き」とおっしゃるだけあって色々ご存じなんですね……。
筆者:
僕は元々身体が丈夫でしたが、これらの習慣を続けてさらに状態が良くなった感じがありますね。
入浴は体力回復の効能も勿論ありますが、どちらかと言えば運動と同じく「健康投資」に近い感覚が僕にはあります。
ただ、「愉しみ」と捉えられなければ「タイパが悪い」と思われても仕方ないかなとも思いますね。
質問者:
逆に入浴時間の10分や20分は何をしているんですか?
筆者:
僕は目を瞑って顔のマッサージや足のマッサージをしているんで結構あっという間に時間が過ぎますよ。
添加物が少ないタイプの入浴剤や重曹を入れたりしている感じです。
そして、これらを実施するとお風呂を上がった後の爽快感が違いすぎます!
僕の入浴前後をまとめると、
有酸素運動 ⇒ 水をがぶ飲み ⇒ 冷水シャワー ⇒ 天然成分で体を洗う ⇒ 20分入浴しながらマッサージ ⇒ 冷水シャワー ⇒ 体を優しくタオルを当てる ⇒ 就寝
とこんな感じです。
皆さんもそれぞれ思う最善の入浴ライフを楽しんで健康になりましょう! 風呂キャンセルするなんて勿体ないですよ!
質問者:
(結局最後は入浴啓蒙だったな……)