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源頼朝挙兵物語  作者: 中野掘門
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二十九 懐島景義の疑念

 八月十五日、懐島景義は、何かの拍子に思い出したことがあった。


 ……そういえば、伊豆には平氏方として伊東祐親の他に平井久重がおったな……


 久重の領地は、熱海(あたみ)の西方、伊豆山地の西の斜面部にあたり、来宮(きのみや)から十国峠を経て函南(かんなみ)仁田(にった)・北条に至る道は、久重の領地を通っている。


 弟景親が、伊豆の来宮にいたことを伊東祐親に会いに行ったものと思っていたが、もしかしたら久重のところに行ったのではないか?


 では何故、久重のところへ行く必要があったのか?


 ……それはわからない。


 だが、平井館と頼朝殿がおわす北条館とは距離がとても近い。


 ……もしかして久重は、北条館を監視しているのではないだろうか?


 そしてそれを弟景親に報告しているのではないのか?


 この二人と山木兼隆とが、どのような関係を持っているのはわからないが、策士の景親が久重と(つな)がっているならば、それは確実に頼朝殿に関係するとだけは断言できる。


 景義のところにも、山木館へ十七日早暁に奇襲する知らせが届いている。


 決行の前日には、各地の武士が北条館に集結する。


 それを久重に察知されれば、山木へ通報されてしまうかもしれない。


 そうすると山木は館の防備を固め、頼朝殿の討ち入りは失敗に終わる可能性が高くなってしまうだろう。


 逆に、頼朝の身も(あやう)うくなるかもしれない。


 背中に悪寒が走った。


 ……これは急ぎ、頼朝殿にお伝えせねばならぬ。


 景義は、用件のみを書状をしたため、郎党に馬を使うように言って、急ぎ伊豆北条館へ向かわせた。


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