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第四話 始まりの街

第四話。

やっと進展です。

皆さんはどんなストーリーが好きですか?

僕はスキルとかが沢山出てくる感じが好きです。

〜前回のあらすじ〜


洞窟から脱出して、精霊はセトという名前を得ました。


◀ ◇ ▶


 洞窟から出たはいいものの、街までどのくらいの距離があるんだろうか。

 これからこの世界での生活が始まるにあたって、そんな当たり前と言ったら当たり前な疑問が浮かんできた。

 まあ分かるはずもないので、ダメ元でそこのセトに聞いてみよう。


「セト、最寄りの街までの距離は?」

「俺を何かの便利機能と間違えてないか?

まあこの洞窟を管理、監視している街があるから、そこなら歩いて一週間程度で着くぞ。」


 意外にも返答が。二百年封印されてても外のことはある程度分かるらしい。

 というか一週間程度って……

現代っ子の運動不足舐めんなよ。

 痩せてはいるし、部活も運動部でそこそこやってるけど、俺はインドア派だから流石に一週間歩きはキツイ。


 「ここから南西に向かって行ったら街だ。

その間は当然野宿だが、お前は戦えないから俺が守ってやろう。」


 野宿かよ。現代っ子の引き籠もり生活舐めんなよ。


 「まあ、【空間転移】があるからすぐ近くまでは行けるが、どうする?」


それを先に出せよ。

 というかそうか。ここは剣と魔法の異世界だから、何でもアリなんだ。


「【空間転移】で。」

「やっぱそうか。

貴様は歩くの遅そうだしな。」


どんな偏見だよ。

 まあとにかく、街まですぐ行けるならそれがいい。

魔物とかに襲われる心配がないので安心できる。


「それじゃあ我の煙に掴まれ。

空間転移するからな。」


 俺はとりあえず煙に触れて待つ。

 煙はセトが意識した時だけしか固体にならない。

だが、今回はセトは詠唱に集中しているため実体がないのだ。


「それじゃあいくぞ。」


 突然目の前が光に包まれ、気がつくと先程とは違う森の中に居た。

遠くに城壁らしきものが見える。

 先程と景色が異なるので一瞬で移動したことになるのだが、そう考えると魔法って凄いと思う。


「あれが例の街か。」

「結構大きい街だな。

我も詳しくはわからないが、冒険者が集まる街の一つらしい。」


だとしたら、冒険者ギルドとかがあるのだろうか。

 何をすればいいのかも分からないので、とりあえずここはお決まり通りに冒険者ギルドとかに行ってみたい。

この街の中にそういう組合とかがあるのだろうか。





 そしてなんやかんやあって街の中に入った。

 だが―――


「…………」

「いやいや、流石にこれは無いだろ!」


俺たちがこんな反応なのはこの街に理由がある。

 結構頑丈そうな壁で囲んであるのに、セキュリティは甘々だった。

何の身分証明もなしに入れたのだ。

警備のことなぞ何も分からないド素人の俺が言うのはなんだが、流石にもうちょっと警戒したほうがいいと思う。

 だけどその甘々なシステムのお陰で苦労せずにこの街に入ることができたのだし、あまり文句は言わないでおいてやろう。


 「それで、これからどうするんだ?ソラ」

「まずはギルドに行って冒険者登録をしようと思う。

そうしたら少しは行動できるようになるからな。」


 俺の中でだいたいの方針は決まっており、とりあえずはその方針通りに動いてみようと、そういうわけだ。

もちろん異世界系の作品とかゲームとかから参考にさせてもらった。

 ということで、俺たちは(しばら)く街を探検した(さまよった)あと、やっとギルドの建物にたどり着くことができた。

 中に入ってみると、とても賑やかだった。

街の中では普通の人間しか見かけなかったが、

ここには色々な種族がいる。

亜人と言うべきだろうか。

黒髪の猫耳、橙髪の犬耳、白髪の兎耳なども見られる。

 そんな中、


「あれ、僕、こんな小さい子供がここで何やってるの?」


突然後ろからそんな声が聞こえてきた。

 子供?あたりを見回しても子供はいない。

まさかと思って自分の姿を見てみる。

するとびっくり。体つきが子供じゃないですか。

道理で視線が低いわけだ。

すると、子供というのは俺のことか。

 俺が後ろを振り向くと、そこには華奢な少女の姿があった。

黄緑の髪に金色の瞳。いかにも冒険者というような緑色に黄色のラインが入った服を着ている。

そして細い手足に、何がとは言わないが断崖絶壁。


「もしかして僕、冒険者に憧れてるの?

でもこの仕事は危険だし、坊やにはまだ早いよ。」

「見た目は子供ですけど、年齢は貴女と同じくらいだと思いますよ。」

「え、そうなの!?」


 どうやら勝手に勘違いをしているようなので、訂正してあげた。

たったそれだけだったのだが、理解してくれたようだ。


 「じゃあ、君何をしに来たの?

見たところ冒険者ではなさそうだけど。」

「冒険者登録をしに来たんですよ。」

 「へぇ~。じゃあさ、私とパーティ組まない?

これでも私、一応は剣士なんだけど、弱すぎて皆パーティー組んでくれなくて。」


 そうだろうな。こんな弱そうな体で剣振ったって、大してダメージ与えられないよ。

 というか、本当に剣士か?見たところ剣も持ってないし。

 いや、一旦それは置いておくとしよう。

 そして俺の目的に目線を切り替える。まず、冒険者としてパーティを組むには当然登録が必要だろう。


「いいけど、冒険者登録にも色々あるんじゃないですか?」


ステータス測定とか、登録書に記入しないといけないとか、手数料とか。

 俺一文無しだぞ。


「大丈夫だよ。そんなに複雑な手続きは必要ないし、手数料なら私が出してあげるよ。」


うーん、まあそれなら良いか。

 話をして、俺と女冒険者は受付カウンターに向かった。

話それるけど受け付けのお姉さんめっちゃ美人だ。


 「冒険者登録ですか?

手数料がかかりますが、お持ちですか?」

「はい、手数料。」


手数料は銀貨五枚。その価値はわからないが、こうして見知らぬ俺のために躊躇なくそれを支払う様子から見て、この女冒険者は意外と太っ腹なようだ。


「はい、受理しました。それではこの紙に、氏名と年齢、希望する職業を書いてください。」


選択できる職業は、戦士、魔法使い、剣士、僧侶、盗賊等があった。

異世界といえば剣と魔法!

やっぱり魔法使いだ。


「イノウエソラさん、年齢は十六歳、希望職業は魔法使いですね。」


年齢はかさ増しした。

本来は中学二年生なので、十四歳だ。

 後ろで「嘘でしょ!?私と同い年!?」という声が聞こえたが、聞かなかったことにしよう。


「それでは、魔力検査を行いますので、この水晶に手を置いてください。」


そう言って差し出された水晶に手を置くと、突然光を発し、ヒビが入って割れてしまった。


「ええ!?え、待ってくださいどういう……?

ええと……少々お待ちを……」


受け付けのお姉さんが驚きながら、割れた水晶玉を持ち上げてあたふた。

どうやら俺はとんでもない魔力量を誇っているようだ。


『おそらく我と魂の回廊が繋がっているせいだな。

我の魔力がソラに流れ込んで、こんな強大な力になっているのだ。』


解説ありがとう。

 その後割れた水晶玉を受け付けの奥の部屋へと持っていった受け付けのお姉さんが動揺しながら戻ってきて、再度椅子に座って言った。


「ええと、魔力は測定不能……

魔法使いにはぴったりだと思います。」


声が怯えているように聞こえるのは気のせいだろうか。

 周りを見ると、殆どの冒険者が驚いた顔でこちらを見ている。

早速目立ってしまった。


「凄い魔力量だね。

いやー、パーティに誘っておいて良かった。」


なんでこの女冒険者はこんなに呑気なんだ?


「じゃあ改めて自己紹介を。

私はリュナ。剣士兼治癒師のCランクの冒険者だよ。」

「俺はソラ。よろしく。」


自己紹介をして、俺たちはパーティを組むことになった。


「さあ、早速クエストをこなし――」

『緊急!緊急!魔王軍がこの街に接近中!今すぐCランク以上の冒険者は東門に集まってください!

繰り返します!緊急!緊急!魔王軍が――――』


 初めてのクエストを受けに行こうとしたところで、このギルドの建物に――否、恐らくこのあたり一帯に、突然けたたましいほどのサイレンと緊迫した放送が流れた。


「どうやらお呼び出しのようだね。」


相変わらずリュナは呑気だが、

 これは俺にとって初めてのクエストにしていきなりの緊急クエスト。

気合を入れて臨もう。

今回は結構長めです。

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