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第六話 途中階層

 三階と四階層完成。続いて五階層に手を付けていく。

 現段階でのイメージだと、普通のダンジョンという感じだ。

 十階層か五階層ごとにボス部屋設置。今まで命を狙った嫌がらせの宝箱も、ここから順次増やしていく予定だ。

 トラップの案としては、オーソドックスなトラップたちを。

槍が突き出すトラップ、天井落下、回転床、落とし穴、矢射出トラップ、転がってくる大岩、ミミック、毒霧、鋭いワイヤー、火炎放射器等など。

 ちなみにこれらをガイアに伝えたら、ちょっと呆れられた。


《そりゃそうだよ。一人で、短時間で、そんな危険なトラップを大量に考えられるなんてある意味脱帽ものだね。》


 そんなことで脱帽されても困るんだが。


《いやいや、褒めてるんだよ。そのおかげで素晴らしく危険なダンジョンになりそうだからね。

だいたいの案は理解できたから、作り始める?》


 もう情報としては十分なところまで行っているんだけど、ちょっと待った。

 一階から五階までの隠し通路を作りたいんだけど、空間またぐだろ?違和感なく繋げられたりしない?


《まっかせてよ!僕はその手のプロだからね。神でも違和感を見つけられないくらいのカモフラージュをしとくよ!

で、その隠し通路の入り口は一階のどこにするの?》


 出入り口のすぐ近く。


《おっけー。ちなみになんで?》


 後でその隠し通路を見つけた時の後悔が半端ないから。


《あー、あれか、頑張って迷路クリアして、その後も進んでいって五階層まで来た時、一階から繋がってる隠し通路を発見して『あの時見つけておけばこんなに苦労しなかったのに……!』的な感覚を味わわせたいんだね?》


 まあそんな感じ。というわけでよろしく。


《相変わらず嫌なこと思いつくね〜。まあそれがダンジョンには必要になってくるんだろうけど。

トラップの設置は今までと同じようにするから、構造自体は二階や三階と同じ感じでいい?》


 ああ、そのことについてなんだけど、いくつかテンプレートを作っておいて。

後で順番を変えてパズルみたいに形成できるように。


《要するにパーツを何種類か作って、それらを組み合わせて違う作りの階層を生み出すってことだね?

おっけー。それもやっとくよ。

じゃあトモキ君は次の階層のアイデアでも考えながら、そこら辺で休憩しておいて〜。》


 わかった。

 そしてガイアは階層を作り始め、俺は階層同士がつながる階段からその様子を見守っていた。

 階段といっても、その先は闇だった。いや、星空のような感じの景色が永遠と続いている、いわゆる虚空。奈落と言ってもいいかもしれない。

 まあそんな虚空だったところから、階段につながるように階段のパーツが組み上げられていくわけだ。

 シュールな絵面だったが、見ている分には以外に面白い。

 同時に脳内マップで出来上がる様子も見えるので、早送り動画を観ているような気分になる。

 ちなみにどうやって二つの景色を同時に見ているかというと、まあ当然人間である俺の脳内で二つの景色を同時認識することは不可能なわけだ。

ガイアの初耳権能の【思考切替】によって、まるでテレビのチャンネルのように景色を変えられる。

 脳内マップと目の前の景色。そして最初に説明されたような気がする権能【多次元認識】の視点切り替えも自由に操れる。

 ある意味便利な機能だ。


《言っておくけど、どうやらトモキ君の所持スキルに似たようなものがあるみたいだよ?》


 え、そうなの?


《うん。【多次元解釈】っていうスキル。どうやら僕の【思考切替】と【多次元認識】の上位互換みたいだね。》


 まじかよ。ちなみに効果は?


《えーと……基本的には【思考切替】と【多次元認識】を合わせたようなものだね。それと―――》


 そこから聞いたことをまとめる。


 思考切替…………略。


 多次元認識…………略。


 魔力感知…………空気中の魔力の流れを感じ取り、三百六十度死角なく認知することができる。


 思考加速…………思考速度を引き伸ばす。早い攻撃や、魔法の詠唱などに有効。


 次元反映…………他空間、別次元を繋げることが可能。


 表層解読…………人の思考の表層を読み取ることができる。

無意識な思考やスキル等の情報がある深層は読み取れない。


 という主に認知系のスキル。使い所によってはめちゃくちゃ強いかもしれない。

 【魔力感知】なんて死角がなくなるんだし、【次元反映】は空間と空間、次元と次元を繋げられる。

【表層解読】に至ってはうまく使えば事故や事件などを防げそう。それに戦いにも有利だ。

相手の思考が読めるなんて汎用性が高すぎる。

 今はダンジョン制作のために引きこもっているだけだが、ダンジョンが完成したら街を探して繰り出してみるのも一つの手だ。

 ガイア以外の話し相手が欲しい。


《何?僕じゃ不満とでも?》


 いやそうじゃなくて、ガイアって思考筒抜けだからあんまり話しづらいんだよ。


《じゃあ実体化しようか?》


 それやると俺の意思で能力使えなくなるんだろ?


《うん。》


 意味ねぇ。本末転倒。

 冒険といえば仲間だろ?ガイアはチートスキル枠。まだヒロイン枠がいない。


《僕がヒロインじゃないの!?》


 当たり前だ。


《おい作者!僕をヒロインにしてよ!》


 作者にすがるなよ。


《そんなことない!ここまで続いたトモキ君の物語でヒロインなんて僕くらいしかいないでしょ!》


 これから作者が登場させるかもしれないぞ?


《そうなの!?ちょっと作者に直訴してくる!》


 直訴できねえって。そもそも物語の中なんだから。

 それにまたメタな方向にズレてるし。

 さっさとトラップ設置しようぜ?


《誰がずらしたの?ほんとに。》


 お前だよ。


《え、尾前田さん?だれ?》


 こんなテンポでボケてくるな。こっちもツッコミしづらくなる。


《まあそれは置いといて、さっさとトラップ設置しようよ。》


 俺のセリフをコピペすんな。

 さっきからそう言ってるのに進ませようとしなかったのはお前だろ?


《だから誰なの?尾前田さんって。》


 …………


《…………ごめんって。悪ふざけじゃん。そんなに機嫌悪くするとは思わなかったじゃん。いや、何せ久しぶりに人間と会話したからさ、こう、なんていうんだろ、ボケ衝動が抑えられなかったじゃんね。》


 その“じゃん”やめろ。どっかの昭和タレントみたいになる。

実際いたらごめんなさいだけど。


《ええ〜。いいじゃんいいじゃん!》


 調子が狂うからじゃん禁止!


《なんだよ~。つまんないの。》


 ―――さて気を取り直して、続きをやるとしよう。


《あ、逸らした。》


 ガイア、脳内マップ出してくれ。トラップ設置するぞ。


《…………はいはーい。》


 やや不満げなガイアを強引に話に戻し、制作の続き。

 冒頭で考えていたトラップを指定した位置に仕掛ける。

 一番性格の悪い配置で。最悪連鎖が起こるような配置。たとえショートカットで来ても苦戦するような、トラップの地獄絵図。

 素晴らしい。

 まさしく難攻不落と言えるだろう。



………………



 その後はガイアが作ったテンプレートにトラップを追加し、パズルのように組み合わせて階層を量産した。

 あまり多いと渾身の階層の出番がなくなるので、四十九階層まで作った。

 ちなみにこの通常階層を作るのに一週間くらいかかった。

 ボス部屋もそれぞれ設置する予定だ。

 一週間だぞ、一週間。この文章量の少なさで、なんならボケのほうが文章量多いのに今まで何があったんだと思えるような空白の一週間。

 特に面白いことは何もなく、ただ永遠と続く同じ作業の繰り返しと、たまに起こる俺とガイアの口喧嘩だけだったのでカット。

 まあそんな感じで四十九階層まで完成し、あとやるべきことは……そう。

 ボス部屋とボスの設置、五十階層からの連続地獄階層、そしてラスボス。裏ボスも設置しようかな。

 アイデアは湧き出てくるが、もう疲れ切っているのでしばらくグダグダしてから作業に取り組もう。

 そう思って、俺は風呂上がりの火照った体でベッドに飛び込んだ。

 もちろん服は着てるからな?勘違いするなよ?

 風呂でさっぱりリフレッシュした後のフカフカのベッドはもう高級ホテルにも負けないほどの心地よさ。

 明日、いや明後日また考えようと思いながら、とりあえず今日は眠ることにした。

ちょっと最近メタ多いですかね(笑)

ガイアに言いつけておきます。

それはそうと、よければブクマと評価、お願いします!

ちょっと不安にもなってきますので、ぜひともお願いします!

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