7話 簡単な依頼
依頼をこなすため現地に向かう。その後、この街でその老婆と会う事はなかった。指定された村に到着して少し森の中に進むと、早速ミニゴブリン10匹とゴブリンが現れた。
迫りくる魔物。剣でそれを切り殺す。ミニゴブリンがモニカにも襲いかかる。彼女は杖でそれを撃退する。
大きなものでも収納できるマジックバッグに、ゴブリンの一部を入れる。バッグは良い物になるとより多くの物を収納できる。しかし、その分値段は高くなる。
放置すると腐敗するので、耳以外の不要な部分は焼いて処理をした。
「二人だけどなんとかなりそうだね」
「そうだな」
他の依頼をこなす。サクサクとゴブリンを倒す様子を見てモニカが言う。
「アルベールってもしかして銅等級以上?」
「多分……そうかも」
「すごいよ!!」
「そ、そうかな……」
依頼を終えてギルドに報告する。銅貨3枚の報酬になった。夕飯と宿代でほぼ使い果たした。
「さ、流石に一緒の部屋はっ」
「宿代がないから仕方ないよ。明日はもっと難しい依頼を受けよう」
床で寝ようとすると、モニカが止める。
「風邪引いたら魔物にやられちゃうよ?」
「そ、それは困る」
そう言われてベッドで寝る事になった。最初は目が冴えていた。しかし、この街の人やモニカの笑顔を思い出している内に眠気がくる。そんな時、モニカのすすり泣く声が聞こえた。パーティーに見捨てられた事を思い出したのだろう。
(元気に取り繕っているけど、やっぱり悲しいよな)