表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

15話 迷いの森

 翌日、早速その場所に向かう事にした。ついでにその地域の依頼を探す。掲示板に貼ってなかったので、受付嬢に聞いた。


 本をパラパラとめくると、適切な依頼を見つける。


「魔導ゴーレム?」


「はい。少し前に発生した魔物だそうです」


 背後から帯剣した女性に話かけられた。


「そのゴーレム……特徴は?」


「エレオノーラさんッ……」


 リアナとモニカも驚いた。


「【雷刃】の……」



「し、出現は確認してますが、まだ細かいことは……」


「……私がそれを受けたい」


「はぁ? 駄目だって。これは最初に私たちが……」


「難易度は?」


「あ、四等級以上になってます。すみません!! 私の手違いで!!」


「四……っ」


 リアナも流石に今のパーティーでは無理だと躊躇う。エレオノーラはプレートをこちらの見て言った。


「決まりだな……私が受ける」


「それじゃ一緒に行かないか? その方が」


「断る……慣れ合いでは魔物は倒せない……」


「え……」


 彼女はそう言って依頼を受けて外に出た。


「エレオノーラさん。誰とも組みたがらないんですよね……あの事件以来……」


「あの事件?」


「あ、いえ!! なんでもないです……」




 ボラルスネーク、八体の討伐依頼を受けて、現地に向かう。馬車乗り場に到着した。


「リアナ……本当に良かったのか?」


「なにが?」


「いや、出会ってまだ一日程度なのに……死ぬかもしれない場所に……」


「その前に、私の命の恩人だって事を忘れないでね」


「……」


「それにさ……アルベールが寝てる時聞いたの」


「なにを?」


「モニカは上を見てる……じゃあ私とも気が合うってね」


「そっか……」


 馬車の中にはエレオノーラがいた。目的地が同じなので一緒の馬車に乗った。なんとなく気まずい。意外にもエレオノーラが話しかけてきた。


「銅と岩等級でセメンテリオ森にいくとは……」


 ぷにが言う。


『セメンテリオ森……聞いたことないな……』


「セメンテリオ森って……」


「知らないのか……昔は魔のカタフィギオって呼ばれていた森だ。そして今は……迷いの森とも呼ばれてる」



『え……カタフィギオ!! アル!! 帰ろう!!』


(危険な場所なのか?)


『うん、やばいんだ……震えが止まらない……』



「まったく。お前たちは自殺願望でもあるのか?」


「……俺にはやらないといけない事があるんだ」


「もー。アルベール。俺、たちでしょう」


「そうよ。パーティーでしょう?」


「そ、そっか。ごめん」


 そのやり取りを見て、エレオノーラは僅かに悲しい表情をみせた。


「目的地まで長い。私は寝る」


 彼女は横になり背を向ける。その後、彼女との話はなかった。


 野営をしたりして、三日ほどで拠点に到着した。御者と護衛は最長一日間の野営をした後に帰還する。それ以降は歩きで近くの街まで行くこととなる。





ご一読いただき、感謝いたします。投稿は21時になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ