15話 迷いの森
翌日、早速その場所に向かう事にした。ついでにその地域の依頼を探す。掲示板に貼ってなかったので、受付嬢に聞いた。
本をパラパラとめくると、適切な依頼を見つける。
「魔導ゴーレム?」
「はい。少し前に発生した魔物だそうです」
背後から帯剣した女性に話かけられた。
「そのゴーレム……特徴は?」
「エレオノーラさんッ……」
リアナとモニカも驚いた。
「【雷刃】の……」
「し、出現は確認してますが、まだ細かいことは……」
「……私がそれを受けたい」
「はぁ? 駄目だって。これは最初に私たちが……」
「難易度は?」
「あ、四等級以上になってます。すみません!! 私の手違いで!!」
「四……っ」
リアナも流石に今のパーティーでは無理だと躊躇う。エレオノーラはプレートをこちらの見て言った。
「決まりだな……私が受ける」
「それじゃ一緒に行かないか? その方が」
「断る……慣れ合いでは魔物は倒せない……」
「え……」
彼女はそう言って依頼を受けて外に出た。
「エレオノーラさん。誰とも組みたがらないんですよね……あの事件以来……」
「あの事件?」
「あ、いえ!! なんでもないです……」
ボラルスネーク、八体の討伐依頼を受けて、現地に向かう。馬車乗り場に到着した。
「リアナ……本当に良かったのか?」
「なにが?」
「いや、出会ってまだ一日程度なのに……死ぬかもしれない場所に……」
「その前に、私の命の恩人だって事を忘れないでね」
「……」
「それにさ……アルベールが寝てる時聞いたの」
「なにを?」
「モニカは上を見てる……じゃあ私とも気が合うってね」
「そっか……」
馬車の中にはエレオノーラがいた。目的地が同じなので一緒の馬車に乗った。なんとなく気まずい。意外にもエレオノーラが話しかけてきた。
「銅と岩等級でセメンテリオ森にいくとは……」
ぷにが言う。
『セメンテリオ森……聞いたことないな……』
「セメンテリオ森って……」
「知らないのか……昔は魔のカタフィギオって呼ばれていた森だ。そして今は……迷いの森とも呼ばれてる」
『え……カタフィギオ!! アル!! 帰ろう!!』
(危険な場所なのか?)
『うん、やばいんだ……震えが止まらない……』
「まったく。お前たちは自殺願望でもあるのか?」
「……俺にはやらないといけない事があるんだ」
「もー。アルベール。俺、たちでしょう」
「そうよ。パーティーでしょう?」
「そ、そっか。ごめん」
そのやり取りを見て、エレオノーラは僅かに悲しい表情をみせた。
「目的地まで長い。私は寝る」
彼女は横になり背を向ける。その後、彼女との話はなかった。
野営をしたりして、三日ほどで拠点に到着した。御者と護衛は最長一日間の野営をした後に帰還する。それ以降は歩きで近くの街まで行くこととなる。
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