11話 蜘蛛の魔物
【早朝】
ふとおでこがひんやりとしていた事に気が付いた。目を開けるとぷにが乗っかっていた。横に置いて、起き上がる。朝食を食べ終わり、ギルドに向かい、モニカと掲示板を見て依頼を選ぶ。
「今日はどれを受ける?」
「ホ-ンスパイダーの討伐はどうかな?」
「良いと思う!!」
決まったので、受付嬢に紙を渡して認証をしてもらう。その後、馬で近くの村まで行き、そこから生息地の森に徒歩で向かう。七匹狩れば依頼完了だ。
色々な依頼がある。増えすぎた魔物を狩ったり、成長し過ぎた魔物を狩ったり、村や街を襲った魔物を狩ったり、採取する人の護衛や、採取事態を任されることもある。
同じ場所でも違う依頼が発注されるので、別のパーティーに会う場合もある。似た依頼があるのは無理をさせないためだ。例えば100匹の魔物を狩りたいならそれを20匹の五回に分ける。人の体力は有限であるのでそういった配慮をしている。
目的地の森に辿り着くとホーンスパイダーが早速現れる。10歳児くらいのサイズで。体に棘がいくつもあった。糸が時間をかけて硬化してできたものだ。
モニカに身体強化の魔法をかけてもらい、魔物に接近して剣を振る。
深い傷を負った魔物は棘を飛ばしてきた。それを回避する。呼び動作にギュッと体を縮めるので分かりやすい。隙を見つけて頭部を刺すと絶命した。
「やったね」
魔物を倒したことにモニカが喜んだ。
「強化魔法はまだ大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。アルベールは心配性だね」
まだ出会って間もないので慎重になっていた。体調は良いみたいなのでこの調子で次々と狩りを進めていく。