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ルルイの魔導士  作者: カウイ
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01 プロローグ

 こんにちは。こんばんは。

 

 この作品には、不適切。また、不快な言動が多数出てくると思いますので、ご容赦ください。


 最後まで楽しんでいただけたら、幸いです。

 十二月も後半に突入し、もうすぐクリスマスを控えた今日この頃ですが、はぁ・・・。

 道路を走れば、電飾が撒かれた木々がチラホラと確認できるようになり、家屋まで飾りつけている家庭もあるようですねぇ・・・はぁ。


 ヴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ


 なーんて音を立てながら、私が愛用する移動時の相棒は今日も道路にタイヤをイジメられている! でも頑張って、私の大事な相棒であり、弟であり、恋人であり、夫と言っても過言ではない愛する男を乗せているのだから!

 魔改造ビッグスクーターの『飛脚丸』は、今日も田舎道を抜けて整備された道路を走るのです。

 ルン♪ ルン♪ ルン♪ なんて、鼻歌を歌いたいところではありますが、そんな声を出すことができないのが残念です。

 それにしても、この東京も端っこの田舎にまで道路が整備されるようになってきたのは、経済成長ゆえの変化なのでしょうかね・・・。

 つい十年前は、森が拡がるド田舎だったはずですが・・・東京も都会の仲間入りをするために頑張ったということですか。

 まぁ? おかげさまで快適な移動時間を得られているから、文句などありません。文句を言う口などありませんが。


「エメル。少し出るのが遅れたから、スピードを上げてくれ」


 む。

 私はスケッチブックを召喚して、マジックペンを召喚して、自慢の長い髪でスケッチブックを持ち、マジックペンを操って返答を書きます。


『法定速度は順守します。それが運転ルールですので』

「ああ。法定速度は順守してくれていいから、出せる速度で頼むよ」


 我が愛車たる『飛脚丸』の後部座席に座る我が相棒(事実)であり、弟(まぁまぁ事実)であり、恋人(妄言の類)であり、夫(過言)と言っても過言ではない・・・ちょっと! 私の思考に介入するのは止めろ!


 ――バカな思考を感じましたので――

 いつも言ってるでしょ!? オトメの思考を覗くな! 変態! エッチ! バーカ! ブースブースッ!


 ――マスターを困らせるだけですから、いい加減に考えを改めていただきたいですね――

 このクソが・・・タツルが造った高性能自律型人工知能の分際で、私に意見するな。


 ――マスターの母君によって作られた高性能自律型魔造知能ごときが、囀るのは止しなさい――

 囀ってませんーッ! 断言してるんですぅーッ! タツルは私の相棒で弟で恋人で夫なんですーッ!


 ――その恋人で夫という妄言を止めるようにと、言っています――

 はぁ!? じゃあ!? おまえは私のタツルがどこぞのアバズレに奪われてもいいと!?


 ――それを防ぐのがあなたの仕事でしょう?――

 そうですねッ!!


「ウルシ。エメルの運転中に干渉するな」


 タツルの一声で、私の思考に干渉してきたクソ娘の声は消えました。さすがです。私の愛する人はいつだって私の味方! ざまぁみなさい!

 うっひっひっひっひっひ。


「エメル。運転に集中してくれッ」


 え? あ! うわ!!

 即座に車体を左に流して、センターラインから離れます。

 いけません。いけません。ついつい愉悦に心が躍る感じで油断してしまいました。心臓とかありませんがね。

 身長2m。体重は三桁に到達する我が愛する相棒であり、弟でもある彼は『成形タツル』です。

 この魔女社会において、私という存在がいないと生活がままならないカワイイ人。あぁ、こうして二人でドライブデートに出られるのですから、最高ですね。

 しかし、これから行くところは気に入らない。


 タツルの叔母が務めている職場・・・警視庁。


 ここ、第六陸島・アメツの東京都にある警視庁の捜査一課所属の刑事・・・。

 かの叔母は、今は亡きタツルの母の妹で、現在はタツルの保護者。ゆえに、仕事で缶詰?になっている彼女に着替えなどを届けるのが、このドライブの目的。

 まったく、捜査一課なんぞ特にやることもない殺人犯を捕まえるだけの暇な部署にいて、なんで泊まり込みで仕事をしているんだか・・・。

 魔法術による捜査法術により殺人事件程度ならスピード解決する昨今で、捜査一課は暇人が集う左遷先とまで言われるほどの部署となっているわけですが・・・そんな暇人集団を使ってでも解決したい事件が発生しているということかな?

 ま、そんなのはどうでもいいです。

 こうしてタツルと一緒にドライブすることができているのですから、グッジョブ! 褒めてあげます。

 なにせ、我が相棒のタツルは、現在進行形で引きこもりですからね・・・こうして連れ出す口実になってくれているのですから、感謝してやりましょう。不愉快ですが・・・。

 だいたいあの女、昔から私のタツルにちょっかい出しまくってムカつくんですよねぇ。

 ミルクあげるのも、オムツ替えるのも、抱っこするのも、おんぶするのも、ご飯を食べさせるのも、一緒に寝るのも、ぜーんぶ私の役目だというのに奪おうとしてさぁ・・・。


「エメル。予定よりも遅れているから、高速道路を使おう」


 了解です! 任せなさい! ぶっちぎりで警視庁まで飛ばしてやりますよ!! やったぜ!

 テンションが上がってきましたが、安全運転は欠かしません。

 タツルの言葉に頷き返して、高速道路へ入るための道に進路を修正。

 高速道路への合流となる、ゆるやかな上り坂を駆け、料金所でお金を支払い、東京に張り巡らされたバカみたいに大きな橋に進入していきます。

 高速道路とかいう陸橋によって、第六陸島の交通事情は劇的に進歩している昨今。

 西京と国の首都争いをしている東京としては、この高速道路による物流改革で一気に首都ポイントを稼ぎたい所みたいですし。

 しかし、西京は高速鉄道事業で高速道路に負けず劣らずの物流改革を行っているので、今のところは五分と五分ですね。

 正直、バカらしい喧嘩をしているわけですよ。

 とはいえ、こうして『飛脚丸』でタツルとドライブができるのですから? 私的には東京の方が首都でいいとも思っているんですねぇ。

 

「うっわ! マジかーッ!」


 耳障りな甲高い女の声が聞こえてくると、私はそちらにセンサーを集中させて情報の収集を行います。


「ちょッ! 見てみて! デブだよッ! デブッ!!」

「マジじゃん! やっば! 絶滅危惧種なんじゃないの!? 相撲取り!? マジでキモイ!!」


 国の保護指定伝統文化である相撲を愚弄するとは・・・。

 しかし、こいつら北からやって来たようですね。

 車はミニバンタイプで、運転席に一人、助手席に一人、後部座席に二人。ナンバープレートは赤森と書かれている事から、北地方から車で旅行ってところですか・・・。

 それにしても、今時、人間が運転席に座っているとか・・・バカなんですかね?

 道路交通法を守らないモノが多いため、国では運転専用魔法術人形の使用が義務付けられているのを、知らないのでしょうか?

 

 そう。

 ずいぶん昔の事ですが、車の運転免許を持っていれば人間が運転することを許可されていた時代。その頃、バカな一部の連中が好き勝手に道路を走り回ったことで、人間が運転する事を禁止にしたのです。

 で、人形に運転させることになりましたが、当初は人形の所有者が運転を教えることを義務付けていたわけですね。

 しかし、そもそも道路交通法を守らないバカばかりなのですから、まともな運転を教えられる人間などおらず、全国で事故が多発・・・っていうか、暴走車両が大量発生したわけですね。

 で、人形は教習所で運転技術を学習させることが義務付けられたわけですが・・・まぁ、普通は気づくだろ。って話しで・・・。

 っと、話しが逸れてしまいました。


「豚がバイクに乗ってるとか! マジきもいんだけどーッ!」

「いやだー。私の眼がくさっちゃーう!」


 だったら見るなよ生ごみ共が・・・私のタツルに罵詈雑言など・・・。


「あ! 丸焼きにしたら、いいんじゃね!」

「いいじゃん! 焼くっきゃないっしょ!」

「あははは! 丸焼きケッテーイッ!!」


 次の瞬間、助手席側の女と、後部座席のこちら側の女が窓から身を乗り出して魔法術を発動します。

 それは、一般的には上位魔法と位置付けられている『爆熱玉』などというただ熱量が高いだけの玉っころです。

 なるほど、三流魔女ですか。


「ほーら! おいしくなーれ!!」


 二人の魔女が、そして二つの『爆熱玉』を投げつけてきました。

 さて、どうしてくれようか?


「エメル。応戦しろ」


 了解です!

 私は『飛脚丸』の運転を放棄し、座席より飛び立って上空へ。

 魔女共が投げつけた『爆熱玉』は、タツルごと『飛脚丸』に命中して爆発します。


「いえーい! 丸焼きかんせーい!」

「合流で、私たちと鉢合わせとか、マジきもいわ!」

「男のくせにデブとか、マジ最悪ぅ~」

「ねぇねぇ! 今日は東京のイケメンでオールナイトしな~い?」


「「「さんせーい」」」


 私が、ミニバンのボディ・・・ボンネットの上に着地すると同時に、車を道路に縫い付けるようにして潰してやりました。

 何やら「さんせーい」などという声が聞こえてきますが、車が急停止した事で乗っていた魔女共は、前のめりに身体を投げ出します。

 運転席の魔女はシートベルトをしていたようで、頭をハンドルに何度もぶつけていますね。

 助手席の魔女は、ガラスを突き破って上半身が私の手が届く位置に投げ出されていました。うん。ちょうどいいので、右拳を頭に振り下ろしてあげます。

 ぱぁん。などと風船が破裂するような音と共に頭が弾け飛んでしまいました。

 防御しないのかよ。

 私は防御していますよ? 体液が体に掛かるのは嫌ですからね。


「ひ」


 声がしたので、そっちを見やれば・・・運転席の魔女が顔を血塗れにしつつも私を見て泣き出し始めました。

 うん。

 フロントガラスが邪魔なので、蹴飛ばして剥がしてやります。

 そして、しゃがんで身を乗り出し、運転席の魔女を殴りつけてやりました。が、ちょうど車が上下に揺れてくれたので、少しだけ力が抜けてしまい、首が一回転する程度になってしまいました。

 首の骨は砕けたと思うので、別にいいかな。

 と、揺れの原因を確認してみると・・・。


「ひぃ!」

「はぁはぁひ」


 あー。

 後部座席にいた魔女の二人が逃げ出したのですね。

 向かって左を見る。普通に走って逃げていますね。

 向かって右を見る。足が折れている様で、道路を這いずっていますね。

 ・・・。

 私は、とりあえず走って逃げる方へ移動し、その頭を蹴飛ばしてやります。と、サッカーボールのように頭だけが防音壁へと飛んで行きました。

 脆いなー。防御しろよ。っと、あと一人ですねぇ・・・。


「ひ・・・ひぃ! ひゃ、あ」


 私が、その魔女の前に回り込んで睨みつけると、そんな声を漏らして強張ります。

 ・・・情けない顔をしている。

 こんなのが毎度のように私たちを邪魔してくるのだから、辟易する。

 まったく・・・私のタツルに手を出したこと、後悔するがいい。


「エメル」


 声を掛けられたので、すぐに向き直ります。


「・・・首だけ回して振り向くな。っていつも言っているだろ」


 これは失敬。

 ぐりっと、腰も回転させて向き直ります。


「・・・はぁ・・・まぁいいよ。それより、いつも言っているだろ? むやみやたらと殺すな」


 それはそうですが、しかし、こいつらゴミ過ぎて加減が難しいのですよ。

 それこそ? 針の孔に糸を通すがごとく・・・それだと上等な品になってしまいますね。生ゴミにそんな気を使ってやる必要を感じません。


「そ、そうよ! 魔女に反抗することは、重罪よ!」


 ああ?

 魔女が騒ぎ出したので、すぐに向き直って睨みつけてやります。

 すると「ひぃ」とか言って・・・まぁ、汚い面だ事で。


「エメル。首だけしか回ってないぞ。腰も回して向きを正せよ」


 おっと失礼。

 腰を回してしっかりと向き直ります。


「それと、あんたは魔女免許を持っていないのか?」

「はぁ!? 持ってるに決まってんだろ! デブが! 男の分際で、女に反抗するとか頭おかしいんじゃねーの!!」

 うん。駆除してしまいましょう。


「免許を持っているなら、筆記試験でも出題されていたはずだぞ? 準魔法術師以上の免許を持つ者は、一方的な攻撃を受けた場合に応戦する事が、男女問わず許可されている」

「・・・あ」

「その場合、いかなる結果になったとしても・・・さて、どうなるんだったか?」


「で、デブと人形!? ママが言ってた『東京トラップモンスター・タツルとエメル』ってお前らのこと!?」

 え? なんですか・・・それ・・・。


「そう。そうだよ! ママが言ってた! 東京に行くなら、大型スクーターに乗ったデブと、どう見ても9歳ぐらいの少女にしか見えない魔法術人形には注意しろって! おまえらのことだったのかよ! お笑い芸人じゃないじゃん! もっと詳しく教えておいてよッ!! ママッ!!」

 ・・・それは、ママが悪いわけでもない気がしますが?

 そもそも、出会い頭に人を殺そうとすることが非常識なんですよ・・・今の魔女社会じゃ、男は出会いがしらで女に殺されるのは当たり前ですけども・・・。


「な、なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないのよ!! なんでよぉお!!」

「・・・はぁ。エメル」

 ということですので、その首にパンチを一発。


「ぎょあ」

 ふぅ。

 それにしても・・・まさか、売れないお笑い芸人みたいな名前を付けられているとは意外でした。

 誰だ? 私とタツルをそんな風に呼称したヤツ・・・。

 ま、それはそれとして・・・首の骨をしっかり粉砕して、じ・えーんど! 私ってばここぞの手加減が冴えわたってますねぇ~。

 ・・・いや、やっぱり横に置いておけませんね。マジで売れないお笑い芸人と間違われている問題の解決は迅速に行うべきでしょう。


 それにしても、こんな可憐で最高な魔法術人形たる私を、どうやったらお笑い芸人ごときに勘違いできるんだ?って話しなんですよ。


 ――首だけ回して向き直ったり、腰だけ回して向き直ったり、眼を見開いて無言で相手を睨みつけるだけなど、十分にお笑い芸人的だと思いますが?――

 おう? 帰ったらちょっとメンテナンスルームの端っこで待ってろ? スクラップにしてやるからさ。


「ほら、時間を無駄にしたし、急ごう。ライダールの運転を再開してくれ」


 ・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・ライダール?

 らぁいだぁ~るぅ????????

 聞き捨てならない言葉を聞いて、私は即座にスケッチブックとマジックペンを手元に召喚します。そして、タツルに問いただすべき言葉を書き記し、見せるのです。


『飛脚丸です。間違えないように!』


 まったく、私の相棒的乗り物である『飛脚丸』をそんなカタカナ文字のダサい名前で呼んでほしくないですね。


「・・・おまえ、まだそんなダサい名前にこだわってたのか」


 だ、だ、だ、ダサい!?


「前にも言った通り、コイツは『ライダール』だ」

『飛脚丸!!』

「却下だ。ライダール以外認めない」


 な、な・・・そ、それなら! これでどうです!!


飛脚丸ライダール

「当て字にするな!」


 いやーッ!

 この子の名前は『飛脚丸』なんです! これ以外ありえません!


「いた! いたい! いたいって! おい、やめろ! スケッチブックで叩いてくるな!」


 いーえ! 私が名付けた『飛脚丸』を認めない限り、絶対に叩くのを止めませんからね!

 って、抗議していた矢先に、巨漢であるタツルにひょいっと持ち上げられて、運転席に座らされてしまいました。

 くっそー。昔は私の方が大きかったのにッ!!


「ほら。時間を無駄にしているんだ。早くに運転を再開してくれ」

『仕方ありませんね! 帰宅したら家族会議ですからね!』

「・・・却下」

『なんですとーッ!』


 そんなこんなで、私たちは警視庁へ向かうのです。









次回は、ざっくりとした、この世界の説明・・・になります。



この作品は、出来うる限り短く手早く読めるように作る練習も兼ねていますので、一話が短めになるよう頑張ります。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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