長月山話 序文
自分の山を持ちたい、という希望が、いつしか自分の中に芽生えていた。
誰にも邪魔されず、自分で好きに使える土地。広い土地が欲しいという思いである。
昨今はキャンプブームで、中には自分用のキャンプ地として山を買う動きも流行っている様だ。
また、それより前、田舎暮らしや安い土地に小屋を建てて暮らす人たちのブームの様なものもあった。
こうした流れと自分の思いが同じなのか。それとも違う根から出ているのかは判らない。
ともあれ、自分の山を所有したいとの思いはかなり以前からあり、何年も前からネットで田舎の土地販売のサイトなどを探し続けてきた。
(検討に際しての条件や曲折などは、いずれ改めて書く機会があるだろうと思う)
数年間の曲折を経て、ついに良いと思う土地を決めて購入、所有権が手に入ったのが、昨年の3月20日である。
丁度世間でも大人気のスローライフを楽しむゲームが発売され、皆がどうぶつたちと暮らし始めた日、私の方はリアルで「森」を購入していたという訳だ。
(件のゲームは私も購入して楽しんでいる。そして自分の森の中にも「どうぶつ」たちがいる事は、すぐに知ることになるわけであるが)
自分の人生の中盤以降の楽しみとして、今後は山に通っていくつもりである。
どこまで生活の軸足を新たに手に入れた、仮称「ながつき山」に移すのか、単に時々遊びに行く、キャンプに使ってみる、といったものから、別荘化する、果ては移住して第二の人生の拠点とするなど、様々な選択肢があるだろう。
「ながつき山」がどのような有り様になっていくかは、今後の人生の巡り合わせ次第だと思う。今のところは徐々に拠点化を進め、キャンプ泊から別荘化あたりまでが目標であるが、実際にどうなっていくかは判らない。
ともあれ、今後の私の人生に、ちょっとした刺激や楽しみ、彩りを与えてくれるものになる事は間違いないだろう。楽しみである。
この「長月山話」では、「ながつき山」について、様々な出来事を語っていきたいと考えている。