回復
遅れてしまいすみません。区切りの関係で短いです。
「俺の加護ってどんな能力だと思いますか?」
師匠の加護について聞いたところで、俺はふと思ったことを聞いてみた。
聞く限りでは加護というのは単一の力であるはずだ。
つまり刀を創る加護と炎を操る(もしくは出す)能力は共存しないということになる。
ならば俺の加護の本質は一体どこにあるのだろう?
「そうじゃな…。確かにお前の加護はかなり異質なものかも知れん。かなりの生命力を消耗しておるようじゃしのぉ。見たところ赤髪から受けたダメージより加護による反動の方が強そうじゃ」
「アンクのやつから受けたダメージも俺にとっちゃ十分でかいんですけどね」
「大丈夫じゃ。これから始まる修行に比べたらかすり傷と同じようなもんだと思うようになるぞ?」
え、えぇ……まじすか…?
「お前は叩けば響きそうじゃから楽しみじゃわい」
「お、お手柔らかにお願いします…」
世界を救う云々の前に死なないか不安になってきた。
いっそこの怪我が治らない方が俺は幸せなのかもしれない。
師匠のことだから本気で言っているようでもあるし全てが冗談のような感じもする。
掴みどころのない人だ。
「ま、お前の加護についても後々試していけばわかるじゃろ」
師匠は俺を見上げ、にっと笑う。
その顔はまるでこれからする悪戯が楽しみで仕方ない子供のようだった。
…いや、実際(見た目は)子供なんだけど。
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ルーナとサリアちゃんが誘拐されたあの日から2週間経ち、俺の怪我も全快とまではいかないものの、日常生活に差し支えない程度には治っていた。
2週間毎日、ルーナ、サリアちゃん、師匠と女の子にかわりばんこで看病される生活は名残惜しい気もするが、そうも言っていられない。
事件があったとはいえ、俺が孤児院をたつことを決めた日から既に2週間が経過してしまっているのは紛れもない事実だからだ。
これ以上この場所にいたらあまりの居心地の良さに一生居着いてしまいそうだ。
「ナギー?ご飯持ってきたよー?」
「あっ、ありがとう。サリアちゃん」
「あっ!また勝手に起き上がってる!寝てないとダメだよ?」
「はははっ、もう大丈夫だってば」
外着に着替えながら答える。
「あれ?どっか行くの?」
「あっ!い、いやー、えっと…そう!師匠と…ススギちゃんと約束があってね!」
「むぅ…!またススギちゃん?」
サリアちゃんは師匠のことをススギちゃんと呼んでいる。
あの師匠がススギちゃんなんて呼び方をされているのは面白いが、一回そのことを話題に出したら、ありえないくらい痛いデコピンをお見舞いされた。
サリアちゃんと師匠は一見同い歳くらいに見えて本当はすごい歳の差がある面白い組み合わせなのだが、その実相性は結構いいらしく、2人をみていると微笑ましい。
「夜にはまた戻ってくるよ。お土産買ってくるから楽しみにしてて」
サリアちゃんの頭を撫でる。
「んっ、わかった。でもお土産より私もナギとお出かけしたーい!」
そう言って抱きついてくる。
未だにこの素直な好意にどう応えてあげたらいいか迷ってしまう。
いつも曖昧な笑みを浮かべるのが精一杯だ。
「あはは、わかったよ。じゃあ行ってくるね。ご飯はみんなで分けて食べて」
「はーい」
サリアちゃんを下ろしてあげて、刀を腰に差し扉を開け外に出た。
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