ススギの加護
すみません、今日の更新は1話のみとさせていただきます。
「外しはしたがお前の面白い発想に免じて教えてやろう。しかし昨夜も言ったが、本来なら相手の加護を見極めるのは大事な事なんじゃぞ?まぁ、儂くらいになれば加護を知られたところで相手に不利を取ることもないがの」
「まぁ、そうですよね。アンクは俺に加護を使うところをいっぱい見せてくれたおかげで何とかなりましたし」
敵の能力を見極めるというのが重要な事だということは経験のない俺でもわかる。
いくら師匠とはいえ軽々しく聞くものでもなかったのかもしれない。
加護を知られても問題ないくらい強いらしいけど。
「お前の言っていたものより儂の加護は幾分か単純じゃ。刀を創り出す。それだけじゃ」
「創り出す?何も無いところからってことですか?」
「まぁ、そうじゃな。より詳しく言うなら生命力を刀という物質に変換する加護ということじゃ」
「それで何も無い所から刀を出せたんですね…」
しかしそれでは師匠の容姿についての説明はつかない。
自身の加護によるものじゃないということなのだろうか?
「なんじゃ、納得のいっとらん顔をしよって」
「えっとー…。怒らないでくださいよ?」
「約束はできんが、言うてみろ」
「そこは約束してくださいよ……師匠って実際のところお幾つなんですか?…痛っ!!!!」
思いっきり太ももを抓られた…。
「ふん、そんなに知りたいのか?」
「知りたいといいますか…てっきり俺はその姿師匠の加護によるものかと思ってたんですけど、聞いた感じどうやら違うみたいなんで、どうなのかなぁーって」
「儂が可愛いのは生まれつきじゃ。そういった意味では加護と言えるかもな!」
師匠は、はっはっはと高らかに笑う。
そういう事じゃないんだけど…。
微妙な顔をしているのを見られ、睨まれた。
「はぁ…。そこまで知りたければ教えてやろう。別に隠してる事でもないしの。ナギ、お前の言う通りこの姿は儂の加護によるものじゃ」
「でも師匠の加護って…」
「そうじゃ、しかしお前も察しておる通り、さっき教えたことが全てじゃないということじゃ。儂の加護は確かに刀を創り出すというもの。詳しく言えば生命力を刀に変換する加護…。そして正確に言うならば、刀ではなく、呪われた刀―妖刀を創り出す加護なんじゃ」
「…妖刀?持ち主が死ぬ…みたいな曰く付きの刀のことを言うんでしたっけ?つまり師匠の加護で創り出された刀は全て妖刀で、使用者は呪われるって事ですか?それでその姿は呪いの結果だと…?」
「理解が早いの。だいたいその通りじゃ」
うんうんと師匠は頷く。
妖刀を創り出す能力か…。
なんて言うか…変化球な加護だなぁ……。
「んっ…?ちょっと待ってください師匠。俺、師匠から刀借りましたよね…?」
「貸してやったな」
「てことは…俺も呪われたんじゃ……?」
「うむ、そうじゃな」
そうじゃなって…。
「し、師匠…?どんな呪いを受けたかってわからないんですか?」
「わからんのぉ。まぁ、大丈夫じゃ。儂の加護によって創られた刀はその出来と呪いの強さが比例する。出来の良い刀はその分強力な呪いを受けるというわけじゃな。お前に渡した時の刀は…よく覚えとらんが、大抵そんな良い出来の物は出来んし大丈夫じゃろ」
「適当だなぁ…」
「ふん!感謝されこそすれ、文句を言われる筋合いはないぞ!」
確かに師匠の刀のおかげで……ん?
師匠の刀を抜いた瞬間、俺は加護を授かったわけなんだから、師匠の刀、使ってなくね?
「師匠、呪いを受けるのってどのタイミングなんですか?」
「どのタイミング?どういうことじゃ?」
「刀を持った瞬間なのか、抜いた瞬間なのか、はたまた使った瞬間、何かを切った時なのか」
「抜いた瞬間じゃな」
あちゃあ……。
もしかしたらと思ったが、呪いを受けていることは確定らしい。
「そう落ち込むな。お前の受けた呪いは多分じゃがアタリじゃよ?」
「呪いにアタリとかハズレがあるんですか…?」
「あぁ。お前の受けた呪いの詳細はわからんが、状況から考えて加護の目覚めの引き金となったのは間違いないじゃろ」
「……確かに」
「ふむ、そうじゃろそうじゃろ?感謝するんじゃ。敬うんじゃ。そして存分に愛でろ!はっはっは!!!」
「あ、あはは…」
なんか上手く丸め込まれた気分だ。
年の功と言うやつだろうか…?
「痛いっ!?師匠!!なんで抓ったんですか!?!?」
「お前が失礼なことを考えているような気がしたからじゃ」
「それも加護の力じゃないですよね………?」
読んでいただきありがとうございました!
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