表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
39/45

決着

遅れて申し訳ございません…

柄にもなく雄叫びをあげながら、アンクに向かって走る。


時折見えるゆっくりになった世界がまた見え始めた。


アンクとの距離は残り3m程。


あと1歩か2歩踏み込めば届く距離だ。


アンクは跳び上がり、宙を蹴った。


急に距離がつまるが……予測通り。



その動作は嫌という程見せてもらった!!



「うぉぉぉぉらぁぁああ!!」



アンクの動きに合わせて体を反らせる。


そのまま反動を使い、不格好だが、バットを振るように思いっきり、アンクの腹部に向けて刀を振り抜く。



「なにぃ!!ぐぁぁぁああ!!!!」



両手に確かな手応えを感じ、同時に皮膚の焦げた臭いが辺りに充満した。


嫌な感触と臭いだ。



「はぁ…はぁ…はぁ…」



今にも倒れそうなほどの疲労感だが、まだ倒れる訳には…。



「き、貴様ぁ…!これで終わりだと…思うな……よ…」



アンクは膝から崩れ落ちそのまま床へと倒れ込む。



「そのセリフは……まぁいいや…」



倒れたのを見届けた後、咄嗟に投げ捨ててしまっていた鞘を拾い、納刀する。


すると同時に俺や刀身が纏っていた炎が消えた。


体から生命力マナとやらが放出されるのは止まったのだろうが、如何せん殴られ蹴られ、ボロボロだ。


安心もあり、自分の意思とは関係なく仰向けに倒れた。



「や、やった…。何とかなった……」


「ナギ、お前、切りつける瞬間刃を返して峰で打ちおったな?とんだ甘ちゃんじゃの。向こうはお前を殺す気満々だったぞ?」



師匠がいつの間にか近くまで歩いてきていた。



「か、勘弁してくださいよ…。人殺しになんてなりたくないですし……。そもそも俺はまともに喧嘩すらしたことないんですから」


「ま、儂のアドバイスはちゃんと守ったようじゃし?今回は見逃してやるとするかの。…よくやったな」



見た目では10歳は歳下のはずの女の子に頭を撫でられる。



「は、ははは…」



複雑な気持ちだ…。



「2人は…?」


「安心せえ。気を失っておるようじゃが、大事はないようじゃ」


「ありがとうございました…。師匠は……何ともないみたいですね」


「当たり前じゃろ。儂を誰だと思うとる!」


「あはは…。でも…無事でよかったです。ルーナもサリアちゃんも。もちろん師匠も」


「ふはは!!そう言うお前がいちばん無事じゃなさそうじゃのぉ」


「そうみたいです…。もう指1本…動きま…せ……ん…」


「ゆっくり休むが良いわ」



もう一度師匠に撫でられる感触を感じた直後、俺は意識を手放した。




_______________________





「あっ!!ナギさん!おはようございます!!!」


「ナギ!!!」


「んぁ…?あ、2人とも…おはよ……うぐぅっ!?」



どうやら俺は、孤児院の医務室のベットの上で目を覚ましたようだ。


起きた瞬間にルーナとサリアちゃんがベットに飛び込んできて、アンクから受けた傷が死ぬほど痛んだ。


しかし2人の無事な姿を見て、そんなことどうでも良くなった。



「ふぅ……2人とも、無事で本当によかった」



無理矢理にでも上体を起こし、笑顔を浮かべてみせる。



「………ナギさん!ナギさん…!!うわぁぁん!!!」


「ナギィ……うぐっ…うわぁぁん!!!」


「ちょっ、2人ともそんな泣かないでよ!もう大丈夫だから!!」



2人は堰を切ったように泣き出し、大粒の涙と鼻水を俺の服に擦り付けながら、右からはルーナ、左からはサリアちゃんが抱きついてくる。



女子おなごを2人も泣かせよって。罪な男じゃのぉ」


「やめてくださいよ…人聞き悪いなぁ……」



声のした方を見ると、師匠が面白がるように、にやにやと笑みを浮かべている。


平常運転の師匠には、もはや安心感を感じる。



「すみません、師匠。俺が気を失った後はどうなったんですか?」


「全く、お前がだらしないから大変じゃった。どうなったか聞きたいか?聞きたいよなぁ?」


「は、はい」



何だろう…。


ものすごい圧を感じる…。



実際師匠はじりじりとこちらに歩み寄ってきて、遂には唯一空いている俺の膝の上に登ってきた。



「ちょ、師匠!?近い!近いです!!」



師匠は対面で向かい合うように座り、キスしてしまいそうなくらいぐっと顔を近づけてくる。


正面から間近にみると、幼いながらもその整った顔立ちに、ドキッとしてしまい、思わず顔を背けた。


恐らく相当大変だったのだろう。



これはその意趣返しというわけか…!?



師匠のその行動にルーナもサリアちゃんもぽかんとしている。


そのままの体制で師匠は続ける。




「では聞かせてやろう。あの後はな…?」


読んでいただきありがとうございました!

よろしければ下の星マークから評価を、また、ブックマーク登録、感想等をいただけると大変励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ