ナギの加護
本日2話投稿します!
瞬間、身体中から眩い光が放たれる。
「ぐっ…!これはっ!?」
アンクは強い光に目が眩み、一瞬顔を背けた。
俺を包む光がさらに強くなっていく。
「な、なんだこれ…」
当の本人である俺自身も状況が全く飲み込めない。
ただ、自分の内側に強い力を、そして激しい衝動のようなものを感じる。
「ふっ、ナギ。何じゃお前、やれば出来るの」
「えっ、どういう…」
光は何も見えなくなるほど大きくなり、やがて俺の右手、その1点へと収束した。
気づくと師匠から借りたはずの刀は鞘に収まり、足元に落ちていた。
そして代わりに俺の右手には別の刀が握られている。
柄も鞘も拵えも、全てが真っ白―。
雪のように白く、消え入ってしまいそうな程の存在感の奥に確かな力を感じる。
「予想通り、儂の加護が引き金になったようじゃの」
師匠がふてぶてしく笑う。
「師匠、これは…」
「お前の加護じゃろうな」
「これが…俺の…」
突然手にしたその一振をまじまじと見つめる。
初めて手にしたはずなのに、ずっと前から持っていたかのような、そしてずっと使い続けてきたかのように、手に馴染む。
「貴様ァ!!何をした!!!」
「別に何もしてないけどね…。都合よく加護を授かったってだけだ」
「都合よくだと…?何を言ってる!!!」
うん…。
これに関しては俺がお前の立場でもそう言うと思う。
「ふんっ!加護がどうだろうがやることは変わらん!!俺はお前殺す!それだけだ!!!」
アンクは例によって例のごとく、高く跳び上がった。
「ちょっ、まっ!!まだ抜いてな…」
その動作を見た瞬間に反射的に刀を引き抜いた。
刹那―
先程まで俺を包んでいた白く穏やかな光が、対象的な攻撃的な茜色に染まった。
「おわっ!?」
何が起こったかわからず、刀を落としかけるが何とか持ち直す。
「なにぃ!?!?」
アンクは危険を察知したのかその場に着地した。
気づくと俺は自分の半径5mくらい、円状に炎を纏っていた。
普通こんなに近くに炎があれば熱くてたまらないだろうが、俺の周りに漂うその炎はまったく熱くない。
それどころかまるで俺を守るかのように周囲を取り囲み、俺の意思で自在に動かすことも出来るようだった。
「な、なんだこれ…すごいな…」
刀身を見ると、高温で熱した鉄のように赤黒く、先程までとは質の違う白い光と、俺を取り囲む炎と同じような炎が螺旋状に刀を覆っている。
1、2回振ってみるが、炎が消える様子はない。
「き、貴様…!属性操作系の加護持ちだったのか…!!」
属性操作…。
語感から察するに、炎や水、そういったものを扱う加護のことだろう。
詳しいことはわからないが、この期を逃す手はない。
「そうみたいだな。ここで大人しく引き下がるなら見逃してやる!!」
燃え盛る刀身を突きつけながら虚勢を張る。
「くっ…何を……!」
明らかに先程までの威勢はない。
未知とは動物が本能的に恐れるものの最たる例。
加護を手にした俺の戦闘力は俺ですら未知数なのだ。
アンクの反応は至極真っ当である。
「は、はんっ!!それだけの加護だ!!!そう長くは持つまい!!!」
その通りだ。
現にさっきからどんどん体がだるくなり、手に持つ刀にも重みを感じてきた。
しかし…
「問題ない!お前を倒すには……十分だ!!!」
常に後手に回っていたが、今度はこちらから仕掛ける!!
師匠のアドバイスを思い出しながら、ただ思い切り相手に向かって全力で走る。
走り出した瞬間、炎の揺らめく音がぼうっと聞こえた。
「ぐっ…!!いいだろう!!来い!!ナギィィィイイイ!!!!」
「うぉぉぉおおおああああ!!!!アンクゥゥウウウウ!!!!!」
刀をしっかりと握り直し、そして―
全力で振る!!!!
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現在第1章の山場。残り数話で第1章も終わる予定なので最後まで読んでくださると嬉しいです!




