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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
37/45

世界最強の武器

3話目です!

「何じゃナギ。大変そうじゃの」



聞き覚えのあるその声に咄嗟に振り向く。



「師匠!!」



師匠はルーナとサリアちゃん2人を抱えのんびりと廊下を歩いてきた。


幼女にこんなにも頼もしさを感じたのは初めてだ。



「は?何でこのガキがここに…?旦那はどうした…?」


「あぁ、デカブツなら上におるぞ?儂の可愛さに免じて2人を返してもらったのじゃ」



いや、それはないでしょ…。



あの男がそんな事するとは思えない。


十中八九強引な手を使ったのだろう。



「で?ナギ。どうじゃ?助けて欲しいか?」


「は、はは…。本当なら今すぐにでも泣きつきたい所なんですけどね…。そうもいかない!」



息を吸う。


深く深く吸い、ゆっくりと吐き出す。


視界が明瞭になり、感覚が研ぎ澄まされる。



「ほう、いい集中力じゃな。では師匠として1つ修行でもつけてやるかの」


「お願いします!」


「まずは加護を見切れ。何をするにも話はそれからじゃ」


「はい!!」



アンクの加護について思い出す。


理屈はわからないが、奴の加護は空中を蹴ることが出来るようだ。


跳び上がった後、更に宙を蹴ることによって、加速し距離を詰めてくる…。


実はこの加護の攻略法は思いついている。


あとはやってみるだけだ。



「ふんっ、そっちのガキは後回しだ」



そう言うと、アンクは跳び上がる。



来たっ…!



アンクの動きに全神経を注ぎ、宙を蹴る動作に入る一瞬で、俺は横に跳ぶ。



「なっ!貴様ァ!!」



アンクは止まりきれず、宙を蹴り、そのまま俺の元いた場所を通って、後方へ跳んでいく。


何とか躱すことに成功した…。


そしてやはり確信する。


アンクが空中で移動できる回数は1回、つまり1回避ければ、切り返しが来ることはない。


その上いくら1回宙を蹴れると言っても、空中で姿勢を制御するのは難しいようで、攻撃は酷く直線的なものだ。



………ここまではいいんだけど…。



「ナギー。避けてるだけでは勝てんぞー」



少し離れた場所で師匠がどっかからか持ってきたイスに座り、足をぶらぶらしながら声をかけてくる。



「わかってますよ!わかってるんですけど…!」


「よそ見してんじゃねぇ!!!!」


「おわっ!ちょっ、タンマタンマ!」



アンクが空気を読まずに襲いかかってくる。


師匠の言う通り、これじゃジリ貧だ。


躱し続ける体力はない。


かといって俺には反撃する術がない。


素手で殴りかかってみてもいいが、人を殴ったことなんてないし、俺の拳の方がダメージを負ってしまいそうなので、最終手段のつもりだ。



「ふーむ、しょうがないやつじゃの。ほれ、貸してやるわ」



師匠から何かを投げつけられた。



「おわっ!」



棒状のそれを俺は何とかキャッチし、その正体に気づく。



「これって…」


「イチノミヤの伝統的な武具じゃ。知っとるじゃろ?」



知っている。


実際に見るのは初めてだが、長さがだいたい1m弱、凝った文様の彫られた黄金の鍔と、漆仕上げの美しい真っ赤な鞘。そして刀身は真っ直ぐではなく、絶妙な反りがあり、ずっしりと重みがある。




世界最強と名高いその武器の名は―






日本刀。







「……どっから出したんです?」


「お前のぉ、まず気になることがそれか?いいじゃろどっからでも。口からじゃよ」


「口からって…。大道芸人じゃないんですから……。まぁ、いいか。ありがとうございます!!」



もちろん使ったことは無いが、「折れず、曲がらず、よく斬れる」で有名な日本刀だ。


適当に振っても、素手より100倍マシだろう。



アンクに向かい直し、師匠から受け取った刀の柄を握り、鞘から刀身を引き抜く。



「ナギ、師匠からいいアドバイスをやろう。刀を抜き、気持ちを込めて、そして思い切り振れ。今はそれでいい」


「はい!!!」



月の光に照らされたその刀身は濡れているように綺麗で、妖しい輝きを放っている。



柄を両手で握り直し、切っ先をアンクへ真っ直ぐと向け、そしていつものように息を深く吸い、深く吐いて、集中する。





「いくぞ!!アンク!!!!」

読んでいただきありがとうございました!

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