弟子入り
昨日は投稿できず申し訳ございませんでした…。
今日3本投稿します。
「へ…?で、弟子?」
「そうじゃ。最近欲しいと思っとたんじゃよなぁ…弟子」
な、何か思ってもなかった提案だな…。
「弟子って言っても…具体的には何をすれば?」
「弟子は弟子じゃ。なに、少しお前に手伝って欲しいことがあるだけじゃ。そうじゃな…その代わりお前には戦い方でも教えてやろう」
幼女が得意気に胸をはり、にやっと笑う。
その姿は、内容が内容じゃなければ、歳相応の可愛らしい仕草なのだが、如何せん堂に入った老人言葉である。
「早く決めろ。…と言ってものぉ、ナギよ。お前に選択肢はないと思うがの?」
その通りだ…。
現状俺とシスターだけでルーナとサリアちゃんを助ける手立てはない。
「……わかりました。弟子でも何でもなりますよ。なので力を貸してください!!」
「ふははっ!言ったからの!!男に二言は無しじゃ!そうじゃなぁ…まずは儂を師匠と呼ぶこと!!」
「は…はぁ。わかりました。師匠」
何だか子供のごっこ遊びに付き合ってるみたいだ…。
豪快に笑う目の前のおかっぱ頭の幼女。
今となっては俺の師匠らしい…。
「師匠。それで、どうやって2人を助けましょう?師匠は2人の居場所がわかるんですか?」
「んにゃ?そんなもん、わからんけど?」
「……。じゃあどうやって…」
「ナギ、お前少しは自分で考えたらどうかの?それに、部屋の中をもっとよく見てみろ。視野が狭いぞ」
「は、はぁ…」
幼女に叱られ不思議な気持ちになりながらも、言われた通りもう一度部屋を見渡す。
「なっ、これは!」
初めは割れた窓ガラスといなくなったルーナにばかり気を取られて気が付かなかったが、机の上に手紙が置いてあった。
乱暴に封を切り、開く。
「って、読めねぇんだった…」
「何じゃ、ナギ。お前文字も読めんのか」
「すみません師匠。話すのも最近やっとできるようになったばっかりで…」
「ふはは!しょうがない弟子じゃのう!!ほれ、貸してみろ」
師匠はこちらに手を差し出し、手紙をよこせと手招きする。
終始得意顔だ。
素直に手紙を師匠に渡す。
「あ、出来れば読み上げてください」
「師匠に指図するな。なに?えっと…。罪深きエスタント、お前の連れの獣人とガキは俺が預かった。お前には借りがある。街の北側にある今は使わてないギルド寮までこい。早く来ないとお前の連れがどうなるか…言わなくてもわかるな?アンク。だそうじゃ。なーんも捻りのない普通の脅迫状じゃの」
「普通のって…。まぁ、言いたいことはわかりますけど」
「アンクってのは、ナギの知り合いか?」
「知り合い…というか、1回ギルドで絡まれた事がありまして」
名前はすっかり忘れていたが、赤髪の冒険者は確かそんな名前だったはずだ。
「ふん、ご丁寧に場所まで教えてくれとるんじゃ、とっとと行って、とっとと小娘達を助けてやればよかろう」
「え、師匠は来ないんですか?」
「たかが冒険者の1人や2人、儂が出張る必要ないじゃろ。それともお前の加護はそんなに貧弱なのか?」
「貧弱というか…」
「ススギ様、ナギさんには加護はありませんわ」
ずっと黙っていたシスターがここぞとばかりに会話に入ってきた。
言いづらかったので助かるけども…。
「何…?加護がないじゃと?……お前、老け顔じゃなぁ」
「いや、7歳になって無いわけじゃないですよ!」
幼く見られることはあっても、老け顔なんて言われたのは初めてだ。
師匠とは同じ悩みを共有できそうな気がしてたのに…。
「冗談じゃ。ふむ、詳しいことは知らんが…。助けてやると言った手前、放っておくわけにもいくまい。愛弟子のために一肌脱ぐとするかの!」
「あ、ありがとうございます…」
俺が言うのもなんだが、緊張感のない人だ…。
「ではナギよ、お前は先に外で待っとれ。儂も準備したらすぐ行く」
「はい、師匠」
何だかもうすでにこのすごく不思議な状況に慣れ始めてしまった自分自身が少し心配になった。
読んでいただきありがとうございました!
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