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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
31/45

加護と過去Part1

書いてたら長くなりすぎてしまったので、いくつかのパートに区切らせていただきます!おそらく3つくらいになるかと!

外見は俺の部屋と変わらないその扉を3回ノックする。


シスターの部屋は教会の礼拝堂のすぐ側にある。


場所は知っていたが、部屋の中に入ったことは無い。


ここ最近は歳下の子達ばかりを相手にしていたので歳上の、それも女性ともなると何だか少し緊張する。


ノックして程なく、部屋の中から声が聞こえ、扉が開かれた。



「こんばんは、ナギさん」


「こんばんは、シスターシャーロット。夜遅くにすみません」


「いいえ、こちらこそこんな時間にしかお相手出来なくて申し訳ございませんわ。立ち話もなんですので、どうぞこちらへ」



そう言うとシスターは礼拝堂の方へ向かって歩き始める。


てっきり部屋の中へ案内されると思っていたが、冷静に考えればそれもそれでどうなのかという話になるので、シスターの行動は自然といえるのかもしれない。


しばらく廊下を歩くとシスターはとある一室の前で立ち止まった。



「どうぞ、ここならゆっくりお話できますわ」


「は、はぁ…。でもここって…」


「懺悔室、ですわね」



不勉強な俺でもさすがに名前くらいは聞いたことがある。


確か小部屋の中で聖職者に自分の犯した罪を告白するための部屋のはずだ。



「ここでなら何を話してくださっても構いませんわ。それに、ここで聞いたことは決して口外しないとリスティア様に誓います。ではどうぞお入りください」


「し、失礼します」



シスターに促され部屋に入ると、小さな扉が空いている壁が1つ、他は普通の壁に囲まれており、椅子がぽつんと置かれている、思ったよりも普通の小部屋だった。



「ナギさん、どうぞお座りください、そして準備が出来ましたら目の前の扉を開けてお話くださいませ」


「は、はい…」



小窓のある壁の向こうからシスターの声が聞こえる。


なるほど確かにこれなら話しにくいことも少しは話しやすくなりそうだ。



「シスター、大丈夫ですか?」


扉を少し開き、確認を取る。


「はい。それでナギさん、お話とはなんでしょうか?」


「あぁ、えっと、何から話していいかわからないんですけど、実はシスターには色々教えて頂きたいことがありまして」


「色々とは具体的に?」


「はい。まず、第一に、前提としてお話しておかなくてはならないことがあります。…実は俺はイチノミヤ人じゃないんです」


「血が混じっているということでしょうか?」


「いえ、そうではなく…。えっと、信じられないかも知れませんが、俺はそもそもこの世界の人間ではないんです」



シスターのリアクションを待つが返答はない。


そりゃ、いきなりこの世界の人間じゃないなんて言い出したらまず信じやしないだろう。



かと言って証拠もないしなぁ…。



「そうですか。薄々ですがそんな感じはしましたわ」


「ですよね…信じられなくても無理は…えぇっ!?」



つい古典的なノリをしてしまった…。



「ふふふ、私は立場上、様々な事情を抱える子供たちを見てきました。初めて見た時から何かあるのだろうとは思っていましたわ」


「な、なるほど…。じゃ、じゃあ話を戻しますね。俺は…この世界、エアートス…でしたっけ?とにかく、この世界とは違う世界、日本というところから来ました。俺の居た日本という国は、どうやら、エアートスのイチノミヤという国にとても似ているらしく、身体的特徴に至っては完全に一致しています」


「黒い髪に黒い瞳ですね?」


「そうです。実は自分でも状況はよくわかっていないのですが、俺はある人に突然この世界に連れてこられました。その人はおそらくイチノミヤ人です。なのでイチノミヤについて詳しく知りたいんです。どうやらイチノミヤという国は色々と問題があるようですから」


「なるほど、わかりました。イチノミヤについてお教えすることは構いません。でもその前にこちらからもいくつかお聞きしてもよろしいですか?」


「あ、はい。とは言っても俺にわかることは少ないと思いますけど…」


「ナギさんはどうやってエアートスへやって来られたのですか?」


「えっとー……鳴神…ある女の子に、高いところから突き落とされて、気づいたらこの世界にいました」


「突き落とされた?」


「そうですね、突き落とす、ってよりは引きずり込むって方が正しいかもしれませんけど。とにかく俺は高いところから落ちて次の瞬間にはこの世界にいました。ルーナから聞いた話だと空から降ってきたそうですけど…」


「ほう…空から……ですか…。ナギさんをエアートスにお連れした方はなぜそのようなことをなさったのでしょう?」


「それが…何をしたらいいか全くわからないんです。ただ……自分と自分の世界を救ってくれ…助けてくれ、とだけ」


「そうですか……やはり、そうですのね」


「えっ?やはりって?」


「ふふっ、ナギさんが知らないのも無理は無いですね。リスティア教の聖書の一節にあるのです。1000年に1度、創造神リスティアよりエアートスに生きとし生けるもの全てに試練を与えん。全ての絆を束ね、救世の巫女と天より現れる選ばれし者共とともにエアートスを救ってみせよ。と」


「えぇぇええ!それってつまり…」


「そうですね、ナギさんをエアートスへお連れした方が救世の巫女様で、ナギさんは選ばれし者ということで間違いないでしょう」


「鳴神が救世の巫女ってのは、まぁ…まぁ、いいとして。俺が選ばれし者って言われてもなぁ…」


「くすっ、男の子としてはこういうのは盛り上がるものではないのですか?」


「あ、あはは…。俺はそこまで大物じゃないですよ。選ばれし者っていうのは巫女に選ばれた者っていう風に捉えていいんですかね?」


「断定は出来ませんが、そう考えてよさそうですわね」


「だとしたら、やっぱり鳴神が俺を選んだ理由はわかんないな…」


「あら?そうですか?私は巫女様がナギさんを選ばれた理由が何となくわかる気が致しますわ」


「えぇ…」


「私の勘はよく当たりますのよ?」


「あぁ、何かそれはわかります」


「私の質問にばかり答えてもらっては申し訳ないので、この話は一旦置いといて、そろそろナギさんの質問にもお答えしましょうか。と言ってもこのお話は全て繋がっているようですわね」


「はい、お願いします」



「まず、救世の巫女様と縁があると思われるイチノミヤの歴史についてお話しますわ」

読んでいただきありがとうございました!

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